こんな肌寒い衣替えがいままでにあっただろうか。衣服というのは気候に合わせて着るものであって、暦に合わせるものではないので、衣替えだからといって、何が何でも夏服を着なければならないというわけでは、勿論無い。昨日今日という単位で気温が平年に対して大きく振れることがあっても、長い期間をとれば季節は着実に巡っている。今日は今年初めての桃を手にした。持ったときの感触がまだ硬いので、食べるのは二三日先になりそうだが、さすがに今の時期のものは小ぶりである。包装には「JAふくおか八女 福岡県産」とある。私の住処には昨年11月頃から青森県産のリンゴも毎週届いている。今時分のリンゴは冬の頃に比べれば味が多少は落ちるので、例年なら3月いっぱいで発注を止めてしまうのだが、今年は震災があったので、なるべく東北地方のものを消費するように心がけている。そんなわけで、今日は桃とリンゴが同居しているのである。国内産の桃とリンゴが同時にいただけるという事実を前に、この国の大きさを実感している。