初めて東京国立博物館主催の企画展の「内覧会」というものに出席した。これは企画展示を招待客だけに披露する催しである。限られた人数の客だけに見せるものであるから、普段よりもゆったりと鑑賞できるものと思っていた。ところが、それは誤解だった。
招待状に書かれた「受付開始時間」に会場に行くと、まずは開会式会場へ通される。やがて開会式が始まる。これが終わらないと展示会場へは入場できない。開会式では来賓が入れ替わり立ち代わり挨拶に立つ。どのスピーチも「お招きいただきありがとう。今日はおめでとう。」という程度の内容しかないが、そのささやかなメッセージが、できたての綿菓子のように膨らみ、長々と繰り返される。その間にも客は増え、結局200名ほどになった。およそ40分間におよぶ開会式の後、「テープカット」という儀式がある。そしてようやく入場が始まる。まずは、挨拶に立つような偉い人々から優先的に案内されるので、自分のような下々の人間は容易に中に入ることはできない。間もなく、会場入口付近に人が滞留し、入場が規制される。馬鹿馬鹿しくなって、図録だけ頂いて会場を後にした。
招待状に書かれた「受付開始時間」に会場に行くと、まずは開会式会場へ通される。やがて開会式が始まる。これが終わらないと展示会場へは入場できない。開会式では来賓が入れ替わり立ち代わり挨拶に立つ。どのスピーチも「お招きいただきありがとう。今日はおめでとう。」という程度の内容しかないが、そのささやかなメッセージが、できたての綿菓子のように膨らみ、長々と繰り返される。その間にも客は増え、結局200名ほどになった。およそ40分間におよぶ開会式の後、「テープカット」という儀式がある。そしてようやく入場が始まる。まずは、挨拶に立つような偉い人々から優先的に案内されるので、自分のような下々の人間は容易に中に入ることはできない。間もなく、会場入口付近に人が滞留し、入場が規制される。馬鹿馬鹿しくなって、図録だけ頂いて会場を後にした。