熊本熊的日常

日常生活についての雑記

美しい手

2011年06月21日 | Weblog
人と話をするとき、当然に相手の顔を見るのだが、何故か手も気になってしまう。なにがどうというわけではないのだが、なんとなく真面目に生活をしているように思われて、好感を抱いてしまう手というのがある。

今日も陶芸の帰りにFINDへ寄ってお昼をいただいた。今日で3週連続だ。このところ、2階のギャラリーが空いていたのだが、今週は「Mine個展」と題して、金属を使った展示が行われている。「金属」と一口に言ってもいろいろあるが、展示の主体はアクセサリー類で、他に銅板を使った看板のようなものとか、錫でペーパーウエイトなどを作るワークショップもある。今日が初日ということで、作家の友人知人らしき人たちが入れ替わり立ち代り訪れていた。そうした間隙を縫うように、作家のお話を伺うことができた。

はじめのうちは、ごく普通に話をされていたのが、話をしているうちに少しずつ熱くなってくるのが伝わってきて楽しかった。小柄な若い女性なのだが、その割に手が妙にしっかりとしているのが印象的だった。ごつい、というのとは違う。毎日手指をしっかりと動かして金属相手に真面目な仕事をしている、というような雰囲気なのである。大学で金工を学び、祖父母から譲り受けた板金工場を工房として使い、今回の個展に出品しているようなものを作っているのだそうだ。金属を相手にしている所為なのか、生まれつきなのかは知らないが、その手を見ただけで、その言葉が全て信用できるような気がした。