ここ数週間連続で、土曜日にはなにかしらの予定が入っていたが、ひさしぶりに何も無い土曜を迎えた。とはいえ、今日は月の第二土曜なので茶道の稽古がある。先月は美大のスクーリングで茶のほうを欠席したので2ヶ月ぶりとなった。受付で「今月は久しぶりに皆さんご出席です」といわれたが、長くご一緒させていただいているメンバーの他に、時折新しい方が入られたり、抜けられたりするので、「皆さん」の中身がよくわからなかったりする。そんなことを気にしても仕方のないことなので、「あぁ、そうですか」と流して稽古に入る。
稽古ではもっぱら薄茶点前ということもあり、いつも和気藹々と楽しい雰囲気だ。震災から3ヶ月になるが、いまだに話題の端々にその影響が見え隠れする。先生が、今年の夏は珍しく上高地の帝国ホテルが取れたと喜んでおられた。私には「上高地」も「帝国ホテル」も縁が無いので、そこに泊まるということの意味を理解していないのだが、そこは予約を取るのが至難なのだそうだ。そういうところの予約が難なく取れるのも震災が影響しているのではないかというのである。上高地は信州なので、地震とか放射能は関係なさそうだが、或る種の気分の問題ということなのだろうか。
被災地のほうは一向に復興の気配が無いらしい。直接の知り合いで被災地を訪れたという人は無いのだが、ボランティアなどで行ってきたという人の話が知り合い経由で耳に届くようになってきた。情報サンプルとして決して十分な量ではないのだが、数少ない話の共通するところは、臭いの深刻さだ。瓦礫の下に海産物や海のヘドロが溜まっていて、それが強烈な悪臭を放っているというのである。確かに、臭いはメディアでは伝わらない。しかし、臭いが酷いようなら生活は困難だ。復興の現場の人たちは、そうした伝わりにくいけれど深刻な問題を承知しているだろうが、復興の計画や予算を司る人たちはそういうことをわかっているのだろうか。これから気温と湿度が高くなる。有機物の腐敗が進行すれば、そこに蝿や蚊などの類も大発生することになるのだろう。そうなると単に臭いの問題ではなく、感染症という生命に脅威を及ぼすかもしれないものも蔓延しないとも限らない。事は一刻を争う状況なのではないかと思うのだが、そういう危機感は何故か伝わってこない。
震災から3ヶ月目の東京で暮らす身は、一見したところ、殆どふつうの日常に復している。しかし、まだまだ「ふつう」とは程遠い現実のなかにある。その現実と一見との乖離が、これから何事かを引き起こすことになるのだろうか。
稽古ではもっぱら薄茶点前ということもあり、いつも和気藹々と楽しい雰囲気だ。震災から3ヶ月になるが、いまだに話題の端々にその影響が見え隠れする。先生が、今年の夏は珍しく上高地の帝国ホテルが取れたと喜んでおられた。私には「上高地」も「帝国ホテル」も縁が無いので、そこに泊まるということの意味を理解していないのだが、そこは予約を取るのが至難なのだそうだ。そういうところの予約が難なく取れるのも震災が影響しているのではないかというのである。上高地は信州なので、地震とか放射能は関係なさそうだが、或る種の気分の問題ということなのだろうか。
被災地のほうは一向に復興の気配が無いらしい。直接の知り合いで被災地を訪れたという人は無いのだが、ボランティアなどで行ってきたという人の話が知り合い経由で耳に届くようになってきた。情報サンプルとして決して十分な量ではないのだが、数少ない話の共通するところは、臭いの深刻さだ。瓦礫の下に海産物や海のヘドロが溜まっていて、それが強烈な悪臭を放っているというのである。確かに、臭いはメディアでは伝わらない。しかし、臭いが酷いようなら生活は困難だ。復興の現場の人たちは、そうした伝わりにくいけれど深刻な問題を承知しているだろうが、復興の計画や予算を司る人たちはそういうことをわかっているのだろうか。これから気温と湿度が高くなる。有機物の腐敗が進行すれば、そこに蝿や蚊などの類も大発生することになるのだろう。そうなると単に臭いの問題ではなく、感染症という生命に脅威を及ぼすかもしれないものも蔓延しないとも限らない。事は一刻を争う状況なのではないかと思うのだが、そういう危機感は何故か伝わってこない。
震災から3ヶ月目の東京で暮らす身は、一見したところ、殆どふつうの日常に復している。しかし、まだまだ「ふつう」とは程遠い現実のなかにある。その現実と一見との乖離が、これから何事かを引き起こすことになるのだろうか。