熊本熊的日常

日常生活についての雑記

娘へのメール 先週のまとめ

2007年11月25日 | Weblog

東京はだいぶ寒くなってきたと聞いてますが、元気ですか? 

先週からバスを使うのをやめて、最寄りの地下鉄の駅まで歩くことにしました。距離は計ったことがありませんが、時間にして徒歩約25分です。地下鉄、というのが少し不安ではありますが、軽便鉄道の駅まで歩くとなると40分程度かかると思われるので、様子を見ながら、通勤経路を考えてみたいと思っています。地下鉄の不安というのは、よく故障で運行が乱れることです。幸い、先週は問題がありませんでしたが、最寄りの地下鉄駅まで来て、電車が動いていないとなると、代替経路はバスで軽便鉄道の駅に出ることになり、大迂回となってしまいます。自宅から職場まで歩くという手もあります。途中、テムズ川を横断しなければなりませんが、歩行者用のトンネルがあり、それを利用すると、おそらく1時間15分程度で着くことができると思います。こちらでは、ほんとうにいろいろな人がいて、着替えや荷物をリュックに入れて氷点下のなかを半袖短パンで走って通勤する人、自転車で通勤する人なども珍しくありません。オフィス街には必ずと言ってよいほど、駐輪場が設置されています。それくらい、自転車通勤は市民権を得ています。かと思うと、歩いても10分くらいの距離をバスで通勤する人もいます。 先週は、こちらに来て初めて、白いご飯を炊いて食べました。インド人や中国人が多いので、ロング・グレインの米なら容易に手に入るのですが、日本の米のようなショート・グレインはなかなか見かけません。たまたま近所にあるスーパーのなかの1軒で見つけました。それを登山にもっていくコッヘルで炊いて食べています。コシヒカリのようなわけにはいきませんが、炊きたてはまずまずの味で、おかずなしでも食べることができます。ロング・グレインは、炒飯にしたりカレーのようなものをかけて食べないと、それだけでは厳しいものがあります。 あと、改めて感じたのですが、白いご飯と卵焼きは素晴らしい組み合わせですね。野菜炒めに鯖の薫製を散らし、それを卵でとじて醤油で味をつけたのですが、卵があるとないとでは、ご飯との相性に格段の違いがあるように思いました。

今住んでいる家に引っ越して来て1ヶ月が経ちましたが、この週末は初めて荷物の配達や買い物の用事がない週末となりました。生活をしていると、いつのまにか不要な物が増えていたりするものですが、不足も過剰も無い生活を心がけたいと考えています。

この週末は「The Darjeeling Limited」という映画を観ました。ウェス・アンダーソンの監督・製作で、いかにも彼らしい作品です。崩壊した家族が、旅を通じて再生するという話で、タイトルが示すように舞台はインドです。ウェス・アンダーソンが監督あるいは製作している作品はこの作品を含めて4本観ました。他の3本は「ザ・ロイヤル・テンネンバウムズ」「イカとクジラ」「ライフ・アクアティック」です。どれも家族の絆をモチーフにしており、「イカとクジラ」以外はコメディです。家族の絆を身近な人間関係のありかたと読み替えると普遍性を帯びた深いテーマと見ることもできるでしょう。観る人によって好き嫌いが別れる作品なので、人に薦めることはしませんが、私はどの作品も好きです。日本では来年3月に「ダージリン急行」というタイトルで公開される予定だそうです。

いよいよ冬本番、健康に気をつけてください。


「The Darjeeling Limited」(邦題「ダージリン急行」)

2007年11月24日 | Weblog
意識しているわけではないのだが、ウェス・アンダーソンが監督または製作した作品は今世紀に入ってから全て観ている。といっても、この作品を含めて4本である。どの作品も私の好きなタイプのものである。彼の作品に共通しているのは家族の絆をモチーフにしていることだ。「家族」と言ってしまうと、情緒的な色彩を帯びてしまうような気がするのだが、身近な人間関係の崩壊と再生が描かれているように思うのである。

この作品の主人公たちは、音信が途絶えて久しい3兄弟。家を出て修道僧になり、父親の葬儀にも姿を見せなかった母親に会うため、母のいるインドへ出かけていく。母がいるのは辺境の地であるため、列車で旅をするのだが、素行不良により列車から強制的に降ろされてしまう。そこからいくつかの事件を経て、彼等は母親と再会する。その喜びも束の間、母は彼等の前からまたもや姿を消してしまうのである。しかし、その後には、幼年時代のように仲の良い兄弟の姿があった。

結局のところ、人と人とを結びつけるのは経験の共有ではないだろうか。旅というのは一見すると開放的だが、同行者がいる場合は拘束が多いものである。不慣れな土地で、自分とは異なる意志を持った存在と行動を共にするというのは、葛藤の連続だ。だからこそ、どんなに些細な障害であっても、協同して何事かを成し遂げるという経験を積み重ねることで、相手を理解する手がかりを得ることができるのである。その結果、通じ合うものを感じた時に相手との絆を実感するのであり、決定的な違和感を覚えると相手との別離を決意するのである。

注:本作品の日本での公開は2008年春の予定だそうです。

歩いてなんぼ

2007年11月23日 | Weblog
11月23日は、日本では祝日であるが、こちらではただの日だ。だから当たり前のように通勤する。ただ、今週から通勤経路を変えた。経路は同じだが、バスに乗るのをやめて、最寄りの地下鉄の駅まで歩くことにしたのである。

きっかけは21日に年末の人事考課のために朝9時に出勤しなければならなかったことである。朝9時に出勤するのは当たり前のことなのだが、私の場合、少し緊張感が欠如しているので、だいたい10分前後恒常的に遅刻している。しかし、21日は午前9時に東京の上司から電話が来て、私の勤務評定について話をすることになっていたので、その日ばかりは遅刻するわけにはいかなかった。

そんなわけで、21日はいつもよりも心持ち早く起床し、10分ほど早く家を出たのだが、道路が異様に混んでいる。これはバスに乗ると電話の時間に間に合わないと思い、とりあえず自宅から最も至近距離にある地下鉄の駅へ歩くことにした。早足で歩くこと約20分、無事に地下鉄North Greenwich駅に着いた。ここから職場の最寄り駅まで一駅。午前9時2分頃に職場の自分の席にたどり着いたところで、ちょうど電話が鳴った。素晴らしいタイミングである。

この日は、帰りも駅から歩いてみた。朝晩は路面が凍結するほど寒いのだが、早足で、しかもヨガの鼻呼吸で20分程歩くと、汗がじわっと出てくる。家に着いてしばらくは身体が火照って暖房が不要である。つまり、歩くとバス代と電気代を節約することができるのである。暖房の電気代は計ったことがないからわからないが、バスは往復で2ポンドである。週に10ポンド、月4週間として40ポンド。最近はポンドに対しても円高だが、計算を簡略にするため、仮に1ポンド250円とすれば、月に1万円の節約になる。これは歩かないわけにはいかないだろう。

そんなわけで、今週は21、22、23日と3日間、自宅と駅を徒歩で往復し6ポンドの節約になった。

2ヶ月経過

2007年11月22日 | Weblog
ようやくこちらでの生活も落ちついてきた。日本にいる友人知人のなかには、せっかくロンドンにいるのだから、観劇でもして感激してこい、などというのもいるが、いまのところそこまで余裕はない。まずは、日々の生活のリズムのようなものを確立し、経済的にも無理無駄のない暮らしのありようというものをつくりあげることが先決である。

離婚はしたけれど、相手に譲渡した不動産のローンの支払は残っており、養育費の支払もあるので、実質的には単身赴任で東京とロンドンの二重生活を送っているのと同じである。ようやく今月で離婚前までの公共料金やカードの支払が完了するので、あとはこちらでの生活費を抑えて、つつましく毎日を送るだけだ。ミニマリズムという言葉があるが、まさにそれを地でいくことになりそうだ。

日本とのつながり

2007年11月21日 | Weblog

ここでの「日本」とは日本政府のことである。総領事館に在留届を提出すると、たまに自動配信のメールが届く。今週は水曜日時点で既に2通届いている。普段は滅多に来ないので、珍しいことである。たまたま英国に暮らす邦人の生命や財産に関わる連絡が重なったということだ。これは一大事、かもしれない。

今日届いたのは、個人情報紛失の連絡である(このブログの末尾にペーストしたので参照されたい)。英国歳入関税庁が保有する児童手当受給者2,500万人分のデータが紛失したというのである。個人情報紛失あるいは流出という事故は日本でも珍しいことではない。ただ、英国の人口を考えれば、2,500万人分という規模が尋常ではないような気がする。

もう一件の連絡は鳥インフルエンザに関するものである。いずれにせよ、こうした連絡が総領事館から届くことに最初は驚いた。

1988年夏から1990年夏にかけて、やはり英国に滞在していた。当時は電子メールは限られた人しか使っておらず、通信手段といえば電話と郵便が主だった。当然ながら、領事館から電話や手紙が来ることはなかった。1988年12月21日にパンナムのロンドン発ニューヨーク行きが墜落した際、同機の乗客名簿のなかにH. Tanaka氏という日本人と思われる名前があった。事故を伝える日本の新聞には、在留届をもとに英国在住のH.Tanakaなる人物の特定を試みたが該当者はいなかった、という英国総領事館の談話もあった。偶然、当時私が通っていた大学にもH. Tanakaという学生がいた。更に偶然だが、事故に遭ったTanaka氏も私の友人のTanaka君も同じ銀行の行員で、銀行派遣の留学生として英国の別々の大学に通っていたのである。友人のTanaka君によれば、勤務先の銀行のロンドン支店からは電話による安否の確認はあったが、総領事館からの確認は無かったという。

おそらく、今、似たような状況が発生すれば、たちどころに事件に巻き込まれた在留邦人が特定されるのだろう。一昨日、月曜日に総領事館へ在留証明書を申請に出かけた。今年の9月、英国入国のためのビザの申請から受領まで、東京の英国大使館で半日近くを要した。ロンドンの日本総領事館の事務も同じようなものだろうと覚悟していたが、30分もかからずに用が済んでしまった。「がんばれニッポン」いや「がんばるニッポン」という感じである。

ところで、私の勤務先でも、先月、社員全員の給与明細が紛失するという事故が発生した。給与事務を外注しているのだが、その外注先から勤務先へ送られたはずの給与明細の詰まった袋が消失したというのである。とりあえず再印刷して2日遅れで配られたが、このブログを書いている時点で、消失の原因が解明されたという連絡は受け取っていない。いったい、約1万人分の給与明細がどのようにしてなくなるものなのだろうか。

以下、ご参考。
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※このメールは在留届をご提出いただいた方にお送りしています。

在ロンドン日本国総領事館からのお知らせ

2007年11月21日

1.20日(火)、ダーリング財務相は英国議会下院において、英国歳入関税庁(HM Revenue & Customs)が保有する児童手当(Child Benefit)受給者約2,500万人分のデータを記録したコンピューターディスクを紛失した旨発表しました。
 紛失したデータには、児童手当受給申請時に各申請者から同庁に提供された、約725万世帯の児童手当受給者本人、配偶者及び子の氏名、生年月日、年齢、性別、国民保険(National Insurance)番号及び銀行等の口座の情報が含まれているとのことです。

2.同データを記録したコンピューターディスクはまだ発見されておりませんが、21日17時現在、今回のデータ紛失による銀行口座からの預金不正引き出しといった被害は確認されていない模様です。

3.英国政府は既に関係する各金融機関に対し本件情報紛失について通報しており、仮に本件が原因で預金に被害が発生したとしても、バンキング・コード(Banking Code)により預金が保護されるため、預金者に損失は発生しないことになっております。
しかしながら、児童手当を受給されている方々におかれましては、当面の間、児童手当受給用の銀行等の口座に不審な支出がないかどうかご注意頂き、もしも不審な支出があることが確認された場合には速やかに口座のある金融機関に連絡してください。
 また、電話や電子メール等で個人情報や口座情報を求められても決して相手に教えることのないようご注意願います。

関連情報
<http://www.hm-treasury.gov.uk/newsroom_and_speeches/speeches/statement/speech_statement_201107.cfm>
<http://www.hmrc.gov.uk/>

※在留届の内容(メールアドレスを含む)変更又は帰国転出についてはこちらをご覧下さい。
www.uk.emb-japan.go.jp/jp/consulate/zairyu.html

※配信停止をご希望の方は、当メールへの返信メールにタイトルを「配信停止」として送信してください。
(配信停止までに1週間程かかります。自動処理する為、このメールアドレスにご質問等頂いてもお答えできません。)


娘へのメール 先週のまとめ

2007年11月19日 | Weblog

そちらは随分寒くなってきたでしょう。風邪などひいていませんか? こちらは東京の真冬よりも寒くなってきました。朝は道路が凍結し、道端に停まっている車は氷ついています。

この週末は、今の家に越して来て初めて地元で過ごしました。これまでは、土曜か日曜のどちらかは、市街へ買い物に出かけていたのですが、必要なものがほぼ揃って、わざわざ市街まで出かける用事が無くなった所為と、寒くなって出かけるのが億劫になってきた所為でもあります。 土曜日は注文してあった書棚が届き、早速組み立てましたが、そこに収まるべき本があまりありません。それでも、部屋を占拠していた段ボール箱が2つ空になりました。これで、日本から送った11個の段ボール箱が全て空です。しかし、段ボールの処分が進まないので、引き続き空のまま数個の箱が部屋に積まれています。 日本から送った雑誌や本を書棚に並べながら、ついつい中身に目がいってしまうものもあり、そのなかで、雑誌「大航海」の白川静特集は思わず読みふけってしまいました。ついでに氏の著作や氏が編纂した漢和辞典もアマゾンで注文してしまいました。どれくらいの期間で、どのような状態で届くのか大いに興味があります。

日曜日は地元のシネコンに映画”Lions for Lambs”(邦題「大いなる陰謀」)を観に行ってきました。批評家の評判は酷いらしいですが、個人的には十分楽しむことができました。ロバート・レッドフォードが監督している作品らしく、社会性に富んでいて体制批判の色彩が強いものです。「良い国」とはいかなる国なのか、誰にとって、どうあることが「良い」のか、というテーマが語られています。アフガニスタンにあるとされるタリバンの拠点殲滅を指揮する国家安全保障委員の上院議員、そのアフガニスタンで作戦行動に従事する若い兵士、その若い兵士の学生時代の担当教官であるカリフォルニア大学の政治学の教授に成績を上げてくれるよう懇願する学生、彼等の一日を同時進行させることで、同じ米国人ですら、立場の違いで、いかに価値観を共有することが困難であるかが描かれています。確かに、作品のなかにドラマ性は乏しく、個々のエピソードが中途半端に見えるかもしれません。しかし、テロ撲滅という「正義」ではあるけれど、必ずしも身近とは言い難い大義名分に対し、様々な立場で様々な関与あるいは無関心があるといことを描くだけでも十分ドラマ性に富んでいると思います。でも、この作品では政治性が強すぎてロバート・レッドフォードが狙っていると言われているアカデミー賞は無理だとも思いました。

映画の帰り、ダイソンの掃除機を買ってしまいました。特異なデザインですが、こちらの生活のなかで使うには合理的なデザインであることがよくわかりました。日本では、ここまで強力な集塵力が求められるものなのか疑問もありますが、外から帰って家の中でも靴を変えずに上がり込む生活様式では、ダイソンのような強力な集塵力と大型のゴミ容器は必須とも言えます。来週、これまで使っていた掃除機をきれいにして箱にしまい、ダイソンが本格稼働する予定です。

では、健康に気をつけて、しっかり勉強してください。


自炊開始

2007年11月18日 | Weblog
先週から自炊を始めた。夜、勤め帰りにスーパーに寄り、食材を買って帰宅する。着替えてすぐに台所に立ち、食事を作って、食べて、後片付けをする。それからパソコンを開いて、メールのチェックをしたり、家計簿をつけ、やれやれと思うと眠くなる。そんな毎日だった。

自炊といっても単純なものだ。オリーブオイルで野菜を炒め、オイスターソースと酢で味をつけるというだけだ。野菜もだいたい決まっていて、玉葱、トマト、各種マッシュルームが基本で、これにアスパラガス、パプリカ、ズッキーニ、ベビーコーンなどが適当に加わる。小エビやベーコンが加わることもある。この野菜炒めを、ご飯と一緒に食べたり、少し水を加えてスープにして、そのスープでエッグ・ヌードルを茹でて食べたりする。ご飯はロンググレインで、それだけで食べると少し難があるが、こうした汁気の多い具を乗せて食べると具合が良い。

最初、登山に使うコッヘルでちびちびと作っていたが、あれこれと食材を増やしていくなかで、容量の限界を感じ、先日購入した直径24センチのシチュー・ポットを使うようになった。容器が大きくなると、加えてみたい具材が増える。その結果、先週一週間で使った食材が、先に述べた通りになったのである。

いつも買い物をする時には、料理が失敗に終わった時に備えて、すぐに食べることのできるものを安全牌として一緒に買っている。幸い、先週は安全牌の出番は無くて済んだ。ちなみに、現在、冷蔵庫の中で待機しているのは、鯖の薫製である。これはなかなかのものである。ほかに朝食用のシリアルやベーグルも常時買い置きがあるし、果物も数種類を常備しているので、食べる物に困ることは無い。

勤めから帰って、料理をするのは時間的には厳しいものがある。しかし、半調理品を加熱して食べるだけの食事には飽きてしまった。また、食べるという行為は生きることそのものと言っても過言ではないほど重要な行為だと思っている。だから、たとえ時間に余裕がなくても、食というものを大切にしたいのである。

家具が揃う

2007年11月17日 | Weblog
今日、John Lewisで購入した書棚が届いた。先週の土曜日に無印良品のチェストが届いたので、これで注文済みの家具が全て揃ったことになる。

チェストの配達が延期になったことについてクレームのメールを出した所為か、無印はフォローが手厚かった。11月7日の昼頃に商品が予定通り到着したとの電話があった。配達は11月10日ということになっていたが、11日でも可能だという。つまり日曜の配達でもよいというのである。私としてはどちらでもよかったので、予定通り10日にしてもらった。10日も午前9時過ぎに商品が届けられたので、待ち時間を持て余すことがなく、大変助かった。しかも、12日月曜の11時半頃には、フォローの電話を頂いた。

今日は、午前8時半頃にJohn Lewisの配達がやって来た。書棚は組み立て式で、裏板は釘で固定するようになっている。高さ192.4センチ、幅78.6センチ、奥行30センチという大きさで、材質は集成材だが質量があり、組み立ての難易度は比較的高い。その分、組み立て終わった時の満足感も高かった。

これで、部屋の中に積んである段ボール箱はすべて片付くはずなのだが、現実はそれほど単純ではない。段ボールは資源ゴミなので、決められた日に棄てなければならない。その回収日は2週間に一度なのである。ちなみに、一般ゴミの収集は週に一度である。こちらでは蓋付きの大きなゴミ箱がいろいろな店で売られているが、その理由は生活してみれば容易に理解できる。資源ゴミに関してはスーパーの敷地にも収集場所があるので、そこまで運んで棄てるという方法もある。しかし、いずれにしても、これから後は少しずつ家の中が片付いていくことだろう。

ロンドンにやって来て、間もなく2ヶ月になる。生活を立ち上げるのは、ある程度は予想していたことではあるが、なにかと面倒が多い。家を借りるとか、家具や生活必要な物を揃える、といった物理的なことはこれでほぼ終わったが、手続き面では、国民保険の登録が残っている。来月、保険事務所に出頭して面接を受けることになっている。こうしたことは日本では勤務先がやってくれるものだが、こちらは全て自己責任の世界である。「自己責任」というのは、要するに「面倒」ということなのである。

娘へのメール 先週のまとめ

2007年11月11日 | Weblog

カラオケは楽しかったですか? はやいもので11月も半ばになりました。今年は暑さが長引いたようですが、それでもそろそろ都心でも紅葉してくるのではないでしょうか。生田の木々はどのような感じでしょうか。

この週末、土曜日は近所の床屋に行って髪を切ってもらいました。日本で床屋に行けば1時間近く時間をかけてカット、シャンプー、仕上げ、マッサージまでしてもらうのが普通ですが、こちらでは髪を切るだけなので10分もかかりません。その後、鉄道でロンドンの繁華街へ行きました。 百貨店でシチュー鍋と包丁を買いました。シチュー鍋は直径24センチのものです。包丁はヘンケルの刃渡り18センチのシェフナイフ。素晴らしい切れ味です。ヘンケルの包丁は注意書きや手入れの方法が日本語でも書いてあるので助かります。 鍋と包丁の入った袋をさげて、繁華街を歩き、HMVでCDを買いました。HMVの店舗は近所のショッピングセンターにもありますが、店舗面積の制約もあり売れ筋しか置いてありません。じっくりと品物を選ぼうと思えば、やはり中心街へ出てこないと用が足りません。今日はベートーベンの交響曲集とラフマニノフのピアノ協奏曲、同じくラフマニノフのピアノの小品集を買いました。昔、留学した時、渡英して最初に買い求めた家電製品はCDプレーヤでした。それくらい、当時は生活のなかで音の位置づけが高かったのですが、今回は自分のなかでの音楽の位置づけがずいぶん低くなっています。

持参したアップルのPowerBookに音楽CDが何十枚かダウンロードしてあり、時々それを聴いてましたが、最近、ふとラフマニノフのピアノ協奏曲3番が聴きたくなりました。映画「シャイン」のなかでメインテーマとして使われている曲です。映画で使われているのはデイビッド・ヘルフゴットの演奏ですが、今回購入したのはウラジミール・アシュケナージの演奏です。ついでに、アシュケナージ演奏の別のラフマニノフのアルバムとレナード・バーンスタイン指揮のウィーンフィルによるベートーベン交響曲集を選びました。チャイコフスキーの「悲愴」にしようかとも思いましたが、ロシア人の作品ばかりというのもどうかなと思ったのと、ベートーベンの交響曲を全部聴いたことが無かったので、今回の選択となりました。

この後、無印良品に行こうかなと思いましたが、あまりに人混みがひどく、通りを歩くのが嫌になってしまったので、帰ることにしました。たまたま持ち帰り寿司の店の前を通りかかり、手巻きのおにぎりを発見したので、梅干し、鮭、海草の3つを夕食に買いました。さらに、その並びに紅茶とコーヒーの専門店がありました。小さな店ですが、賑わっているようなので中に入り、モカを125グラム買いました。豆を買う客というのは珍しいようで、最初につかまえた店員は、奥へ引っ込み別の店員を連れてきました。たった125グラム、2.1ポンドのコーヒー豆を買うのにずいぶん待たされましたが、レジの親爺が待たせて申し訳ないと恐縮してチョコレートをひとつかみ袋にいれてくれました。

家に帰ろうとCannon Street駅で始発電車に乗りました。これが発車時間5分前に突然キャンセルになり、別のホームに停車していた列車に変更になりました。この駅はロンドン市街にあるターミナル駅のなかでは最も小さな規模で、場所がシティの南端ということで繁華街から外れている所為もあり、週末は客が殆どいません。そんな閑散とした駅で、3番線ホームから6番線ホームまで、客がちらほらと移動していきます。駅員が「あわてなくても大丈夫ですよ」と声をかけてくれますが、どうしてこんなことになるのでしょう。ったく、っていう気分です。 これは出発前の出来事ですから、まだ対処のしようがありますが、時々、乗っているバスが突然、行き先を変更することがあります。運転席でピロピロピロと電子音が鳴り、運転手が無線で交信を始めたら要注意です。バスは最寄りの停留所に停車し、交信が続きます。一通り交信の後、そのまま発車すれば問題は無いのですが、運転手が客席に向かって何事かを叫び(私の英語力では聞き取ることができません)立ち上がって行き先の表示装置のハンドルをくるくると回してから、席に着きバスが動き出すと、そのバスは自分が乗ったバスとは別の行き先のバスに早変わりしているわけです。私の場合、乗車区間が短いので、行き先が変更になっても全く影響はないのですが、そうでない客もいるはずです。でも、誰も文句を言わず、平然としています。さすがに鉄道では、そのようなことは無いのでしょうが、途中で運転打ち切り、というのはあるようです。地下鉄では、確かにあります。 Cannon Street駅で列車から列車へ移動する時も、みんな平然としています。なかには、ちらりと腕時計に目を落とす人もいますが、その程度のことしか起こりません。要するに、ここはそういう場所なのです。みんなテキトー。

家に帰って早速コーヒーを挽いて淹れてみました。先週、英国王室御用達の店で買ったものより、はるかに美味しい豆でした。但し、鮮度はやはり良くありません。でも、この味なら満足できます。そういう豆です。 おにぎりのほうは、日本のコンビニに比べると味は負けず劣らずですが、こころなしか厚みがないような気がしました。海草はseaweedと書いてあったので、海苔か昆布の佃煮が入っているのかと思ったら海藻サラダが入っていました。これはこれで美味しいと思いました。

今日は終日家で過ごしました。といってものんびりしていたわけではなく、昨日洗濯したもののアイロンがけやら、庭の草刈り、トイレ掃除、家のなかのクリーナーがけなど休む閑がありません。こちらでは、家に入る時に靴を脱ぐという習慣がありませんがから、週末などの時間のある時に、掃除を繰り返さないとなかなか奇麗になりません。トイレも汚く、毎日掃除をしたいくらいなのですが、さすがにそういう時間的余裕が無いので、やはり週末毎に丹念に掃除をしています。でも、ボロ屋がそうやって少しずつ再生していく様子を見るのは楽しいものです。

では、健康に気をつけて、しっかり勉強してください。また来週。


娘へのメール 先週のまとめ

2007年11月04日 | Weblog

元気ですか。こちらは日がすっかり短くなり、午後4時半頃には暗くなってしまいます。これからますます日が短くなるかと思うと、例えば掃除などは明るいうちに済まそうとか、太陽が出ている間に窓のカーテンを開けて部屋に日差しをいれておこう、とかなにかとせわしなくなります。先週は仕事が忙しく、少し疲れました。でも、東京で働いていた頃に比べると同じ仕事をする人の人数が多いので、作業の負担は軽くなっているはずなのですが、慣れない環境のせいか疲労度は大きいような気がします。

土曜日は市街のHR Higginsというコーヒーとお茶の専門店に行ってきました。かなり有名な店で、日本にも神戸に支店があるそうです。Kibo Chaggaというタンザニアの豆とモカを125gずつ買いました。ドリッパー(英語ではconeといいます。見たまんま)も入手できました。その近くにあるJohn Lewisという百貨店で本棚も買いました。17日に配達の予定です。

せっかく街に出て来たので、買い物だけで帰るのはもったいないと思い、ヴィクトリア・アルバート博物館で1時間程眼の保養をしてきました。前回訪れた時は15−17世紀の欧州の家具と日本のコーナーを重点的に見学したので、今回はインドと中近東のコーナーで、特に陶磁器をじっくりと観てきました。自分の頭の中で、10−16世紀頃のユーラシア大陸の文化の流れのようなものが想像され、なかなか楽しいひとときでした。

コーヒーは期待していませんでしたが、酷い物です。煎りムラがひどく、これではどんな豆でも酸味が立ってしまい、豆本来の持ち味が出ません。先日、購入しておいたミルも、単純な機械のはずなのに、どうしてわざわざこんなに使いにくくするのだろうと思わずにはいられない代物です。それでも、家でコーヒー豆を挽いて、自分で淹れると家中にコーヒーの香が立ち込めます。それだけでも、ほっとした気分になれるものです。

家に飾ったカーネーションがようやく咲きそろいました。蕾の状態で買うと、かなり楽しむことができるものです。コーヒーの香とピンクのカーネーションで家の雰囲気がずいぶん違うように感じられます。

今日、ようやく庭の手入れを始めました。雑草が生い茂り、ガーデニング用の小さなナイフとスコップだけでは歯が立たず、それでも2時間ほど粘って、全体の15%ほどを片付けました。雨が降らない限り、毎週末、庭掃除を続けます。実際に野菜や花を植えるのは、来年になってからでしょうね。

これから日本もこちらもますます寒くなります。風邪などひかぬよう、うがいと手洗いをしっかりしてください。毎回書きますが、何か、困った事があったらすぐに連絡を下さい。 こちらの住所を連絡していなかったかもしれませんので、書いておきます。家は昼間は誰もいないので、会社のほうを連絡先としておきます。
CGC 04-11 XXXX XXXX XX, Canada Square London E14 XXX U.K.
電話: 国番号44 (0)20 XXXX XXXX(会社)
                         (0)79 XXXX XXXX(携帯)

では、また。


家具を買う

2007年11月03日 | Weblog
自分で探した家での生活が始まって2週間、少しずつ身の回りを整えている。生活にどうしても必要な物というのは思いの外少ない。いまだに日本から送った荷物の半分以上は段ボール箱に入ったままである。とりあえず必要と考えたのはベッドと収納家具である。スーパーのカタログや、不動産屋にもらったカタログを眺めてみたが、実物を見ないことには安心できない。品質やサービスで信頼できそうなのは日系企業だろうという偏見に基づいて、無印良品で購入することにした。

無印良品はロンドン市内に何店舗かあるようだが、自宅からの交通の便が比較的良いTottenham Court Roadの店で、タモ材のベッドと整理ダンス、マットレスを買った。どれも日本で販売されているのと同じ商品だが、価格は5割増くらいである。
タモ材ベッド・ダブル            日本価格 42,000円 英国価格 250ポンド
ポケットコイルスプリングマットレス・ダブル 日本価格 52,500円 英国価格 299ポンド
タモ材チェスト4段ワイド           日本価格 49,999円 英国価格 350ポンド
価格はいずれも税込みである。消費税は日本は5%だが英国は17.5%。それを差し引いてなおどれほどの価格差であるか、興味があれば計算して頂きたい。

10月19日、仕事帰りに店に行き、在庫を確認の上で商品を注文し、10月27日に配達してもらうことにした。配送料は35ポンドである。配達は日にちの指定はできるが時間の指定はできず、到着の1時間前を目安に電話連絡が来るとのことであった。10月22日の夜7時頃、無印から電話があり、チェストの在庫が無いことがわかったので、配達は11月初旬になるという。在庫を確認して注文したはずなのにこの有様だ。確実に配達できる日を尋ね、チェストだけ11月10日に配達してもらうことにした。この事を職場の同僚に話したら、John Lewisという百貨店を薦めてくれた。家具を百貨店で買うという発想はあまり無かったが、薦めに従い11月3日にOxford Streetにある店を訪れた。確かに品数が豊富で価格帯も広く、選択の余地が大きい。ここで書棚を注文した。こちらは、時間に余裕を持たせれば、配送料は無料である。急ぐ必要はないので、配送料が無料となる11月17日の午前中に配達してもらうことにした。

ベッドとマットレスは予定通り10月27日に届いた。素材にはそれなりのこだわりが感じられる商品だが、ねじ穴の位置精度は改善の余地があるのではないかと、ベッドを組み立てながら思った。マットレスカバー、ベッドマット、シーツ、枕、枕カバー、掛け布団などは職場近くのWaitroseというJohn Lewis系のスーパーで買い揃え、そこで買い忘れた掛け布団カバーを近所のASDAで購入した。ベッドが来るまで使っていた寝袋がダウンで、なかなか快適だったので、掛け布団も羽毛布団にした。ベッドの寝心地は快適である。良い買い物だったと満足している。

さて、10日と17日、注文の品は無事に届くだろうか。