熊本熊的日常

日常生活についての雑記

ありがとう 2014年

2014年12月31日 | Weblog

今年読んだ本

1  徳間書店出版局編『この国はどこで間違えたのか 沖縄と福島から見えた日本』 徳間書店
2  いしたにまさき、境祐司、宮崎綾子『Amazon Kindle ダイレクト出版完全ガイド』 インプレスジャパン
3  井伊直弼『茶湯一会集・閑夜茶話』 岩波文庫
4  熊倉功夫校注『山上宗二記』 岩波文庫
5  杉浦日向子『江戸アルキ帖』 新潮文庫
6  岸本佐知子『ねにもつタイプ』 ちくま文庫
7  坂井三郎『大空のサムライ』(上下) 講談社プラスアルファ文庫
8  岸本佐知子『気になる部分』 白水Uブックス
9  小野田寛郎『小野田寛郎 わがルバン島の30年戦争』 日本図書センター
10  小川洋子、クラフト・エヴィング商會『注文の多い注文書』 筑摩書房
11  ミランダ・ジュライ著、岸本佐知子訳『いちばんここに似合う人(原題:No one belongs here more than you.)』 新潮クレスト・ブック
12  マスター”K”著、山本規雄訳『緊縛の文化史』 すいれん舎
13  石井頼子『棟方志功の眼』 里文出版
14  小川洋子『はつ恋 ツルゲーネフ』 角川書店
15  南伸坊『本人伝説』 文藝春秋
16  糸井重里・南伸坊『黄昏』 東京糸井重里事務所
17  『新装版 ほぼ日の就職論「はたらきたい。」』 東京糸井重里事務所
18  『吉本隆明が語る親鸞』 東京糸井重里事務所
19  大岡信編『星の林に月の船』 岩波少年文庫
20  高木仁三郎『原発事故はなぜくりかえすのか』 岩波新書
21  高木仁三郎『原子力神話からの解放』 講談社プラスアルファ文庫
22  佐高信・中里英章編『高木仁三郎セレクション』 岩波現代文庫
23  オイゲン・ヘリゲル著、柴田治三郎訳『日本の弓術』 岩波文庫
24  文・高久多美男 写真・森日出夫『SHOKUNIN 職人・菅野敬一の生き方』 ジャパニスト出版
25  西岡常一・小川三夫・塩野米松『木のいのち木のこころ』 新潮文庫
26  『昭和天皇独白録』 文春文庫
27  吉田裕『昭和天皇の終戦史』 岩波新書
28  田中清玄・大須賀瑞夫『田中清玄自伝』 ちくま文庫
29  藤野英人『投資家が「お金」よりも大切にしていること』 星海社新書
30  和辻哲郎『古寺巡礼』 岩波文庫
31  井坂浩一郎『英国ポタリーへようこそ』 世界文化社
32  松田権六『うるしの話』 岩波文庫
33  茨木のり子『詩のこころを読む』 岩波ジュニア新書
34  森銑三・柴田宵曲『書物』 岩波文庫
35  有馬頼底・千方可『やさしい茶席の禅語』 世界文化社
36  大坊勝次『大坊珈琲店』 誠文堂新光社
37  川添房江『唐物の文化史 舶来品からみた日本』 岩波新書
38  渡邉格『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』 講談社
39  小林秀雄『モオツァルト・無常という事』 新潮文庫
40  米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』 角川書店
41  米原万里『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』 新潮文庫
42  邱永漢・糸井重里『お金をちゃんと考えることから逃げまわっていたぼくらへ』 PHP文庫
43  早野龍五・糸井重里『知ろうとすること。』 新潮文庫
44  イザベラ・バード『イザベラ・バードの日本紀行』(上下) 講談社学術文庫
45  白洲正子『鶴川日記』 PHP文芸文庫
46  デービッド・アトキンソン『イギリス人アナリスト日本の国宝を守る』 講談社+α新書
47  桂枝雀『桂枝雀爆笑コレクション』(全5巻) ちくま文庫
48  山下和美『数寄です!女漫画家東京都内に数寄屋を建てる』(壱、弐、参) 集英社
49  イレーネ・ネミロフスキー著 野崎歓/平岡敦 訳 『フランス組曲』 白水社

今年観た映画など
1 「八月の鯨(原題:The Whales of August)」 調布映画祭
2 「アンコール遺跡バイヨン寺院 尊顔の記憶」 東京国立博物館
3 「神宮希林 わたしの神様」 新宿武蔵野館
4 「大いなる沈黙へ(原題:Die Grossen Stille)」 岩波ホール
5 「小さなおうち」 AF0279 機内
6 「魔女の宅急便」 KL0863 機内
7 「ゼロの焦点」 KL0863 機内
8 「万能鑑定士Q モナ・リザの瞳」 KL0863 機内
9 「Henri Cartier-Bresson biographie d’un regard」 DVD
10 「色を奏で いのちを紡ぐ 染織家 志村ふくみ・洋子の世界」 DVD

今年聴いた落語会・演劇・ライブなど
1 市馬・兼好・一之輔・三三 よってたかって新春らくご ’14 21世紀スペシャル寄席 ONEDAY 夜の部 よみうりホール
  入船亭ゆう京「道具屋」
  柳亭市馬「雛鍔」
  三遊亭兼好「権助芝居」
  春風亭一之輔「普段の袴」
  柳家三三「橋場の雪」


2 柳家小三治 独演会 THEATRE1010
  柳家ろべえ「近日息子」
  柳家小三治「一眼国」
  柳家小三治「あくび指南」


3 入船亭扇辰 独演会 「藁人形」 国立劇場演芸場
  入船亭小辰「長屋の花見」
  入船亭扇辰「藁人形」
  入船亭扇辰「竹の水仙」


4 柳家喬太郎、柳家三三、春風亭一之輔、東京ボーイズ、笑福亭羽光 「第26回 きたくなるまち区民寄席」 北とぴあ さくらホール
  笑福亭羽光 新作
  柳家三三「薮入り」
  春風亭一之輔「粗忽の釘」
  柳家喬太郎「井戸の茶碗」


5 立川談笑 独演会 横浜にぎわい座 芸能ホール
  立川笑二「元犬」
  立川談笑「猫かぶり」
  立川談笑「野ざらし」
  立川談笑「たがや」


6 昇太・好楽・三三 三人会 市川市文化会館
  三遊亭こうもり「都々逸親子」
  三遊亭好楽「一眼国」
  柳家三三「金明竹」
  春風亭昇太「茶の湯」


7 神田松之丞、柳亭市馬、林家正雀、隅田川馬石、柳家さん喬 「第25回 大手町落語会」 日経ホール
  神田松之丞「雷電の初土俵」
  柳亭市馬「かぼちゃ屋」
  林家正雀「牡丹灯籠より お札はがし」
  隅田川馬石「真景累ヶ淵より 発端」
  柳家さん喬「舟徳」


8 第12回 興福寺勧進能
  お話し:馬場あき子
  狂言:「佐渡狐」野村万蔵ほか
  能:「通盛」宝生欣哉ほか 国立能楽堂


9 柳家三三・桂吉弥 ふたり会 紀伊國屋サザンシアター
  桂そうば「普請ほめ」
  柳家三三「転宅」
  桂吉弥「宿屋の仇討」
  桂吉弥「七段目」
  柳家三三「殿様と海」


10 桂雀々 独演会 「夏の陣」 国立劇場演芸場
  対談 三遊亭円楽 桂雀々
  桂雀々「蛇含草」
  三遊亭円楽「船徳」
  桂雀々「茶漬幽霊(三年目)」


11 落語教育委員会 柳家喜多八・三遊亭歌武蔵・柳家喬太郎 三人会 かめありリリオホール
  古今亭志ん松「近日息子」
  柳家喬太郎「転宅」
  柳家喜多八「明烏」
  三遊亭歌武蔵「鹿政談」


12 落語教育委員会 秋スペシャル 柳家喜多八・三遊亭歌武蔵・柳家喬太郎 三人会 よみうりホール
  古今亭始「金の大黒」
  三遊亭歌武蔵「甲府い」
  柳家喬太郎「笑屋きゃりー」
  柳家喜多八「らくだ」


13 第211回 府中の森笑劇場 錦秋 柳家小三治の会 府中の森芸術劇場 ふるさとホール
  入船亭小辰「鈴ヶ森」
  古今亭志ん好「風呂敷」
  桂やまと「阿武松」
  桂吉坊「河豚鍋」
  柳家小三治「お化け長屋」


14 新宿末廣亭 11月中席夜の部
  主任 柳家喜多八「首提灯」 ほか


15 かめあり亭落語まつり 第9弾 神楽月落語会 柳家喜多八・柳家三三 かめありリリオホール
  柳家小かじ「二人旅」
  柳家三三「浮世床」
  柳家喜多八「親子酒」
  柳家三三「粗忽の釘」
  柳家喜多八「お直し」

 

今年観た美術展など
1 「シャヴァンヌ展 水辺のアルカディア ビュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界」 Bunkamura ザ・ミュージアム
2 Art Bazar特別編 マスターピースコレクション Bunkamura Gallery
3 「現代のプロダクトデザイン Made in Japanを生む」・常設展 東京国立近代美術館
4 「工芸からKOGEIへ 日本伝統工芸展60回記念」 東京国立近代美術館工芸館
5 「楽茶碗と新春の「雪松図」」 三井記念美術館
6 「和紙人形の世界 歌舞伎の華展 中西京子とやまと凰」 丸善・丸の内本店 4階ギャラリー
7 「プライベート・ユートピア ここだけの場所 ブリティッシュ・カウンシル・コレクションにみる英国美術の現在」 東京ステーションギャラリー
8 「日本伝統工芸展60回記念 人間国宝展 生み出された美、伝えゆくわざ」 東京国立博物館
9 「クリーブランド美術館展 名画でたどる日本の美」 東京国立博物館
10 東京国立博物館 総合文化展(常設展)

11 「Kawaii日本美術 若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで」前期展示 山種美術館
12 「日本美術院再興100年特別展 世紀の日本画」前期展示 東京都美術館
13 「ザ・ビューティフル 英国の唯美主義1860—1900」 三菱一号館美術館
14 「板谷波山の夢みたもの」 出光美術館
15 「メイド・イン・ジャパン南部鉄器 伝統から現代まで、400年の歴史」 パナソニック汐留ミュージアム
16 「林妙子 作陶展」 日本橋三越本店本館6階美術サロン
17 「星を賣る店 クラフト・エヴィング商會のおかしな展覧会」 世田谷文学館
18 インターメディアテク
19 「Kawaii日本美術 若冲・栖鳳・松園から熊谷守一まで」後期展示 山種美術館
20 「テート美術館の至宝 ラファエル前派展」 森アーツセンターギャラリー

21 「茶と美 柳宗悦の茶」 日本民藝館
22 「ハイレッド・センター 直接行動の軌跡展」 渋谷区立松涛美術館
23 「佳麗なる近代京焼 有栖川宮家伝来、幹山伝七の逸品」 宮内庁三の丸尚蔵館
24 「イメージの力 国立民族学博物館コレクションにさぐる」 国立新美術館
25 「第67回 日本アンデパンダン展」 国立新美術館
26 「コメ展」 21_21 DESIGN SIGHT
27 高幡不動尊
28 「江戸絵画の19世紀 春の江戸絵画まつり」 府中市美術館
29 「栄西と建仁寺」 東京国立博物館
30 「101年目のロバート・キャパ」 東京都写真美術館

31 「没後百年 日本写真の開拓者 下岡蓮杖」 東京都写真美術館
32 「東日本伝統工芸展」 三越日本橋本店
33 「伊藤北斗・山田瑞子 2人展」 三越日本橋本店
34 「小川裕嗣 陶展」 三越日本橋本店
35 「特別展 屋根裏部屋の博物館」 埼玉県立歴史と民俗の博物館
36 「再発見 歌麿 まぼろしの<雪>」 岡田美術館
37 「モディリアーニを探して アヴァンギャルドから古典主義へ」 ポーラ美術館
38 「バルデュス展」 東京都美術館
39 「開館25周年記念 魅惑のニッポン木版画」 横浜美術館
40 「超絶技巧! 明治工芸の粋」 三井記念美術館

41 「燕子花図と藤花図」 根津美術館
42 遠山記念館
43 蘭山記念美術館
44 朝倉彫塑館
45 「法隆寺 祈りとかたち」 東京藝術大学大学美術館
46 「光琳を慕う 中村芳中」 千葉市美術館
47 利休古流 平成26年度いけばな展 東京美術倶楽部
48 「日本絵画の魅惑」後期展示 出光美術館
49 「茶道美術の玉手箱」 畠山記念館
50 「松岡清次郎生誕120年 巴里をいのちを謳歌しよう」 松岡美術館

51 神代植物公園
51 「描かれたチャイナドレス 藤島武二から梅原龍三郎まで」 ブリヂストン美術館
52 「ジャン・フォートリエ展」 東京ステーションギャラリー
53 「かないくん展」 Parco Museum
54 「九州の陶磁展」 日本民藝館
55 「フランス印象派の陶磁器 ジャポニズムの成熟1866-1886」 パナソニック汐留ミュージアム
56 「富士山と鉄道」 鉄道歴史展示室 旧新橋停車場
57 「茨木のり子展」 世田谷文学館
58 「オランダ・ハーグ派展」 損保ジャパン東郷青児美術館
59 「冷たい炎の画家 ヴァロットン展」 三菱一号館美術館
60 インターメディアテク

61 「デュフィ展」 Bunkamura ザ・ミュージアム
62 「近代の日本画展」 五島美術館
63 「生誕120年記念 濱田庄司展」 日本民藝館
64 「オルセー美術館展 印象派の誕生 描くことの自由」 国立新美術館
65 「鉄斎 没後90年」 出光美術館
66 「ボストン美術館 華麗なるジャポニズム展」 世田谷美術館
67 「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより」 東京国立近代美術館
68 「もようわくわく」 東京国立近代美術館工芸館
69 「台北 國立故宮博物院」 東京国立博物館
70 「日本人が愛した官窯青磁」 東京国立博物館

71 「Tetsuo Iida Mixed」 The Artcomplex Center of Tokyo
72 Musee du Louvre
73 Musee d’Orsay
74 Petit Palais – Musee des Beaux-Arts de la Ville de Paris
75 Musee Carnavalet
76 Musee de Cluny
77 Cathedrale Norte-Dame de Paris
78 Crypte Archeologique du Parivis Nortre-Dame
79 Musee National des Arts Asiatiques – Guimet
80 Musee de l’Orangerie

81 Musee Gustave Moreau
82 Musee National d’Art Moderme (Centre Ponpidou)
83 Chateau de Chantilly
84 Grandes Ecuries – Musee Vivant du Cheval
85 「ディスカバー、ディスカバー・ジャパン「遠く」へ行きたい」 東京ステーションギャラリー
86 「生誕120年記念 デザイナー芹沢介の世界展」 日本橋高島屋8階ホール
87 日本伝統工芸展
88 「宗像大社国宝展」 出光美術館
89 「新創開館5周年記念特別展 名画を切り、名器を継ぐ 美術にみる愛蔵のかたち」 根津美術館
90 「カンタと刺子 ベンガル地方と東北地方の針仕事」 日本民藝館

91 「生誕200年 ミレー展 愛しきものたちへのまなざし」 府中市美術館
92 「菱田春草展」 東京国立近代美術館
93 「ボストン美術館ミレー展」 三菱一号館美術館
94 「ウフィツィ美術館展」 東京都美術館
95 「日本国宝展 祈り、信じる力」 東京国立博物館
96 「東山御物の美 足利将軍家の至宝」 三井記念美術館
97 「高野山の名宝 高野山開創1200年記念」 サントリー美術館
98 「存星 漆芸の彩り」 五島美術館
99 「四季礼賛/村上豊が描く、秋の彩り、冬の装い」 講談社野間記念館
100 「平成26年度秋季展 国宝の刀 伝えられた武士の心」 永青文庫

101 「文字がつなぐ 古代の日本列島と朝鮮半島/常設」 国立歴史民俗博物館
102 「中村屋サロン ここで生まれた、ここから生まれた」 中村屋サロン
103 「東郷青児 <超現実派の散歩>と収蔵品選」 損保ジャパン日本興亜美術館
104 「ウィレム・デ・クーニング展」 ブリヂストン美術館
105 「仁清・乾山と京の工芸 風雅のうつわ」 出光美術館
106 「祈りの道へ 四国霊場開創1200年記念 四国遍路と土佐のほとけ」 多摩美術大学美術館
107 「キャプテン・クック探検航海と『バンクス花譜集』展」 Bunkamura ザ・ミュージアム
108 「天才陶工 仁阿弥道八 のびのびと、まじめに。」 サントリー美術館
109 「没後15年記念 東山魁夷と日本の四季」 山種美術館

 

今年聴講した講演、各種見学、参加したワークショップなど(敬称略)
1  公開シンポジウム「伝統工芸の今、そして未来を考える」(パネリスト:田口義明(漆芸)、藤沼昇(竹工)、前田昭博(陶芸) 司会進行:唐澤昌宏(東京国立近代美術館工芸課長)) 東京国立近代美術館本館地下1階講堂
2  おかしなトークショーその1(岸本佐知子(翻訳家)、古屋美登里(翻訳家)、クラフト・エヴィング商會) 世田谷文学館
3  おかしなトークショーその2(小川洋子(小説家)、クラフト・エヴィング商會) 世田谷文学館
4  茶話会「棟方志功流お茶の楽しみ」 石井頼子(棟方志功研究・学芸員) 日本民藝館
5  出光美術館特別講座「板谷波山の芸術を知る 時代思潮と造形の両面から」 柏木麻里(出光美術館学芸員) 出光美術館
6  「茶と美 柳宗悦の茶」展 記念講演 「民藝運動と茶道」 鈴木禎宏(お茶の水大学大学院准教授) 日本民藝館
7  若草会 茶会 香林院(東京都渋谷区広尾5−1−21)
8  「屋根裏部屋の博物館」記念講演「渋沢栄一から敬三へ」 井上潤(渋沢史料館館長)埼玉県立歴史と民俗の博物館
9  海上保安資料館横浜館(工作船展示館)
10  「九州の陶磁」展 記念講演 「柳宗悦が選んだ日本のやきもの 九州の陶磁を中心に」 梶山博史(兵庫陶芸美術館学芸員) 日本民藝館
11 「梅棹忠夫のモンゴル調査をたどる旅」 小長谷有紀(人間文化研究機構理事/国立民族学博物館教授) モンベル渋谷店5Fセミナー室
12  茶話会「濱田家のお茶の時間」 濱田琢司(南山大学人文学部准教授) 日本民藝館
13  「カンタと刺子」展 記念講演 「ベンガルのカンタに出会って」 岩立広子(岩立フォークテキスタイルミュージアム館長) 日本民藝館
14  「多みんぞくの街・新大久保とハラールフード産業」 菅瀬晶子(国立民族学博物館助教) モンベル渋谷店5Fセミナー室
15  「野田廃寺出土磚仏の周辺」 淵田雄(多摩美術大学美術館学芸員) 多摩美術大学美術館

どれも素晴らしいものでした。関係者の皆様に感謝申し上げます。


よく見れば、みんなどこか狂ってる

2014年12月27日 | Weblog

Bunkamuraで『バンクス花譜集』を観た。形状の調和感とか安定感では自然の造形の右に出るものはない。植物を精緻に描くだけで十分観る者を惹きつける。

というようなことはさておき、本展はキャプテン・クックの一次世界航海に科学班のリーダーとして参加したロンドン王立協会会員ジョセフ・バンクスが企画した花譜集の展示である。興味を覚えたのは、私財を投げ打って冒険探険に出かけるという行為だ。この花譜集のもとになる植物採集を行ったのはクック一回目の世界一周航海。1768年8月26日にプリマスを出航し、大西洋を横断。南米大陸沿いに南下してその南端から太平洋に入る。ポリネシア群島、ニュージーランド、オーストラリア、殊にオーストラリアで花譜集の半分近くを占める植物を採集するがグレートバリアリーフでサンゴ礁に座礁し船底を損傷してしまう。プリマス出航時には約90名だった乗組員はここまでで8名しか失われていなかった。オーストラリアで船の応急処置を施した後、本格修理のために寄稿したジャワでマラリアと赤痢に多くの乗組員が罹患してしまう。花譜の実際の描画を担当したシドニー・パーキンソンはマラリアで亡くなった。パーキンソンをはじめとしてジャワで7名、ジャワから喜望峰に至る間に31名が死亡。航海が無事でもどこでどのような災難に遭うかわからない時代の世界一周なのである。英国に帰国したのは1771年6月12日だった。当時の外洋航海は死と隣り合わせである。

しかも、当時の航海は投資でもあった。船長であるジェームズ・クックはもちろんのこと、航海に参加する乗組員のなかにも自ら航海費用を拠出している者がある。バンクスもそのひとりだ。この航海では、当初の目的のひとつであった金星の太陽面通過の観測、本花譜集のもとになる動植物の観察と採集、ニュージーランドなどの測量や海図の作成、その他多くの成果を携えての帰還を成し遂げた。こうした成果がどれほどのものなのかは知らないが、経済的な損得だけに限れば、余程高額の報酬でなければ割に合わないものであっただろう。

では何故、彼等は航海に出たのだろうか。投資目的だけではなかったような気がする。人の行動動機を損得だけに求めるのはあまりに浅薄だ。個人や集団の行動原理、などと定式化しようとするから行動動機の数量化が必要になり、方便として金銭というものがつかわれているのであって、それが全てであるはずがないのである。ところが人は易きに流れるので、白黒つけるのである。つまらない方程式で世の中の原理原則を語ることができるという幻想を信じたいのである。生きる上で本当に必要なのは、おそらく行きたいと思う欲求だ。行動原理は理屈ではなく、なにかをしたいと思う欲求なのだろう。観たい、知りたい、体験したい、という素朴な思いが人を社会を世界を動かしているのだろう。なぜそう思うのか、というところがおそらく思う本人にもわからないのであろう。自分にもわからないのだから、他人の行動原理などわかるはずがないのである。自分の発想を超えたものはとりあえず「謎」や「神秘」、あるいは「狂気」なのである。そういう整理をしないと人は前には進むことができないのである。古代文明も大航海時代も戦乱も宗教も、結局は狂気のなせるわざのような気がする。


いい日旅立ち

2014年12月20日 | Weblog

今日は東京駅開業100周年記念suicaが発売されたそうだ。ところが、これを買い求める人が大勢押し寄せて危険な状況になったので、販売開始後2時間半ほどで急遽販売を中止したという。ネットのニュースによると現場では罵声怒声が飛び交い、購入できなかった人が駅員に詰め寄るなどしたらしい。毎日ぼんやり暮らしている私の眼には、一体どこの国の出来事だろうと素朴に不思議に見えた。たかが記念切符を買う程度のことでニュースになるほどの大騒ぎである。画像を見ると購入者の群れには一見してかなり高齢の人も少なくない。一体どのような人生を歩んできたのかと思う。まさか冥途の土産にするつもりではないだろうが、齢を重ねてなおも下らない混乱劇の当事者になることを恥ずかしいと思う感性も知性も無いのだろうか。

尤も、自分も高齢者の仲間入りをしてみて思うのは、物事を判断する知恵や見識というのはよほど意識的に努力しない限り身につかないということだ。世の中は日々科学技術が進歩を続け、総じて過去に比べて物事は迅速に動くようになっている。よく言われることだが、交通や通信はかつてに比べて迅速かつ大量に物事を移動させることができるようになった。身の回りのことは自動化が進展し物事を迅速に処理できるようになった。その結果手にした時間でさらなる思考の深化や進化が展開している、という側面もあるだろう。たぶん、そうやって実のある時間を使っている人は少数派で圧倒的大多数は目先のささやかな快楽にうつつを抜かしているだけだろう。記念切符くらいで大騒ぎになるほど人が集まるのはその何よりの証左だ。

東京駅は100周年を機に開業当時の姿に再生された。建物は再生ということができるが、どんなにがんばっても人間を再生することはできない。人の運命は生きてみないとわからないのだが、生まれた瞬間から決まっていることは少なくともひとつある。それは、いつか必ず死ぬということだ。人は生まれることを選択できない。気が付いたときには生きているのである。しかし、死はある程度コントロールできる。その気になれば自ら積極的に死を選択することもできる。己の死を前にしたとき、人は何を思うものなのだろうか。東京駅の記念suicaをネットオークションで売って儲けたなぁ、とか、朝から並んだのに変えなくてムカムカした、とか、諸々しょうもないことを抱えて旅立つ人生というのは、どれほど他に立派な経歴があったとしても傍目には哀しいものにしか見えない。


普段と違うことがあった日

2014年12月18日 | Weblog

本日午前11時43分頃に京王線新宿駅で発生した信号機故障のため13時00分頃まで新宿=桜上水が不通となった。ちょうど私の出勤時間帯に当たり、自宅の最寄り駅からタクシーで小田急線の駅へ出て、そこから東京駅へ向かった。こういう時には私鉄の小さな駅で客待ちをしているわずかばかりのタクシーがあっという間に出払ってしまう。タクシーを待つ間に職場のグループリーダーのような人に電話を入れて遅れることを伝えようとしたが、電話が留守電になっていた。今日は午後休と聞いていたので、もう帰ってしまったのかと思った。私の職場では、同じ部署であっても他の人にかかってきた電話には出ない。今の職場に限ったことではなく、外資系の同じような仕事をしている部署では当たり前のことである。

タクシーを待つこと30分、タクシーに乗ること10分の後、小田急線成城学園前に着く。そこから急行で新宿に出て、中央線の快速で東京へ行く。職場に着いたのは普段よりも40分ほど遅い時間だった。職場の部屋の自分の部署に行く途中に上司の個室がある。その前で上司に呼び止められ、今日の午前中に職場内で起こったことの一通りの説明を受けた。タクシー乗り場から電話をかけたグループリーダーのような人が解雇されたのである。

「グループリーダーのような」というのは、社歴が長く仕事も含めて社内の一通りのことに通じていたので、そういうふうに周囲から認識されていたという意味である。事実、私が入社する前月まで部署の長であり、私の入社時の雇用契約書には私の直属の上司としてこの人の名前が記されている。雇用契約締結から入社までの2ヶ月ほどの間に新たな部門長が入社して、この人は降格されてしまった。そこから1年半ほどが経過して解雇に至ったのである。

病気で長らく休職したことがあると聞いていた。しかし、仕事や勤務態度に問題があるとは思えなかった。以前にもこのブログに書いたと思うが、人事というのは神秘である。公平だの公正だのというのは幻想だし、そもそも主体の在る者が客観的に物事を判じることなどできるはずがないのである。志高い人物が集まって立ち上げた組織の初期段階ならともかく、何千何万という人間が何十年にも亘って運営している組織ともなれば要所要所に歯牙にもかからぬ愚物が垢のようにこびりついているものだ。垢を落とそうとして、知らず識らずのうちに己を消耗してしまう人もいるかもしれない。つまり、真っ当なことをしようとしたがために犠牲になってしまうということだ。人が集まれば政治が生まれる。政治が生まれれば権力が生まれ、権力が生まれればそれを手にせんがための闘争、陰謀、策略などが渦巻く。それが人の世の自然というものだろう。いくら用心していても不意に事件や事故に巻き込まれるのが現実なのである。