脚本:福田 靖 / ノベライズ:塩坂佳子の「上海タイフーン 」を読みました。
アパレルメーカーの営業主任として働く野村美鈴・32歳は自他ともに認めるバリバリのキャリアウーマン。
ところが、別の部署へ異動になったことから人生の歯車が狂い始めた。
上海に出張した美鈴は投資家の曹飛と衝突。
このことがもとで会社を辞めることに。
再就職もままならず追い詰められた美鈴は、嫌な思い出のある上海に渡ることを決意する。
成功をおさめてやるといきまくが、現実は厳しく・・・。
2008年秋にNHKで放映された福田 靖氏のオリジナル脚本を小説化したものです。
福田氏と云えば今年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』の脚本を担当された方。
『龍馬伝』も面白かったのでこちらもと期待して読み始めました。
不景気に喘ぐ日本に見切りをつけ、好景気に沸く上海に安易に夢を求めてやってくる日本人。
ところがドッコイ、そこには日本人の感覚では到底太刀打ちできない中国の現実が待ち構えている・・・。
「金が全てだ。」
「上海人は誰も信用するな。」
発展目覚しい上海には隙あらば人を出し抜こうとする魑魅魍魎がウジャウジャ・・・。
そんな現在の上海(中国)の事情がよく判ります。
しかし、そこはTVドラマの脚本です!
登場人物たちの何度も挫折や失意の繰り返しのながらも希望を諦めずに前へ進もうとする姿。
たとえ国が違っていても「人と人」として向き合うことの大切さ。
”現実にはこんなに上手くはいかないだろうな。”
と思いながらも、思わず応援したくなるストーリー展開は流石です。
この小説のお勧め度:☆☆☆☆