新たに造成し、防災倉庫などを設置
区民で植樹した桜の木
由良町小引区が整備した「こびき防災公園」が完成、20日午前11時から記念式典を開く。式典に先駆け、午前9時から小引区自主防災会(会長・内芝善明区長、区民93人)が独自の「総合防災訓練(防災祭)」を実施。町、日高広域消防本部、県の協力を得て炊き出し、資機材点検、救急対応など訓練し災害に備える。
防災公園は平成30年から着手し、面積は約2000平方メートル。区や区民が提供した土地を活用し、同年12月に防災広場(面積約500平方メートル)が完成。海抜23・7メートルあり、広場内に防災倉庫、アウトドア用テーブル12台を置き、周辺の避難路も整備し避難灯(17基)を設置。その後、区民提供の土地を新たに造成して倉庫、あずま屋、避難誘導灯を設置し、今春に区民で桜の木30本を植樹。県や町の補助金を活用、区も負担し、2500万円をかけ5カ年計画で整備し4月に完成した。
防災倉庫は2つあり、1つは全区民1日分の非常食と飲料水、寝袋、ランタン、マスク、救急セットやレスキューセットなどを備え、もう一つの倉庫にはプラスチックケースを置き、避難後に必要となる防寒着、靴、手袋、ティッシュペーパー、新聞紙などを世帯ごとに保管している。
同区は県下一斉の津波避難訓練に加え、独自に炊き出し、ケガ人を想定した救護訓練、ワークショップ、早朝に避難訓練を実施するなど防災対策に力を入れる。区で防災計画も作成し、避難が困難な住民を把握しサポート態勢を整える。植樹した桜は1本ごとに世話する区民を決め管理しており、今後は桜まつりなどを企画し、避難場所としてだけでなく、住民の憩いの場として活用したい考え。
訓練は午前9時から開始。地震を想定し、防災行政無線で放送し避難行動要支援者を支援・声掛けしながら防災公園へ避難。その後、調達班がかまどベンチを使って炊き出し(カレー作り)、救護班が資機材点検、消火・救出班は日高広域消防本部から救急対応、救急車や消防車の設備、消火栓の接続方法を学ぶ。
完成式典には来賓の山名実町長らが出席し、主催者あいさつ、来賓祝辞、土地提供者にお礼の品を贈呈。11時30分から小引コミュニティーセンターで県の地震体験車「ごりょう君」による地震体験もある。
内芝会長は「小引は津波の第一波が24分で到達すると想定されており、住民には30分で防災公園に避難するよう呼びかけ訓練しています」とし「自分たちの手作りの公園に集うことで防災意識を高めてもらいたいし、子ども会、女性会、老人会など各種団体のいろんな活動に活用してほしい」と話した。
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