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日高町若手農業者らが農業分業化生産、トレビス国産化に着手 〈2023年8月3日〉

2023年08月03日 08時30分00秒 | 記事


トレビス国産化へ向け、説明する白井さん


 日高町内の若手農業者グループ「アッセンブル日高」はJA紀州と協力して、担い手確保を目的に農業分業化と機械等の共同利用による生産方式を確立させ、ヨーロッパ原産の夏野菜トレビスの国産化に取り組んでいる。今年3月からトレビスの栽培方法や販路などについて協議を重ねており、今月から育苗、9月中旬には約60アールで試験栽培を始める予定。将来的に農業者の所得確保につなげたい考えだ。

「アッセンブル日高」は7月4日に結成したばかり。日高町の農業委員で農業士会長を務める白井雄太さん(39)が代表となり、町内でも専門的な知識を持ち、意欲のある30代の若手農業者を中心に6人で構成している。耕耘、畝立て、定植といった基幹作業を担うオペレーター部門が組織の中核で、管理(水やりや防虫等)や収穫といった比較的簡易な作業を参画農家が担当。オペレーターの労務費など必要経費を差し引いて、参画農家に収穫量に応じた収益が入る仕組みにする。
 機械設備等の設備投資の厳しさから、若手や新規就農を考える人らが、農業に参入するのが難しいとの声から、この生産方式を考えた。参画農家は何人かで農地を区分けして作業してもらうが、1区画3、4人で作業など参入の仕方も工夫でき、オペレーターは作業への相談も受ける。参画農家に設備投資や過重労働を必要とせず、ハードルが下がり、普通の農家だけでなく、高齢農家や新規就農者、主婦ら幅広い層で参入してもらえるという。
 円安などの影響で価格が高騰している国外原産の野菜を国産化させることに着目。トレビスは主にイタリア料理、フランス料理に使われ、需要が少ないが、外国輸入に頼らず、国産化して安定的な確保が求められる側面があり、ある程度、価格も高い。育苗などで後押ししてくれているJAを通じた出荷で販路を確保してもらう。白井さんは「ある程度の収入も期待でき、お小遣い稼ぎでもいいし、全くの素人が家計の足しに参画してもらってもいい」と話す。
 県の事業で小浦や久志・中志賀で行われているほ場整備が完了すれば、大規模に取り組みを進められる見込みもあり、将来的には遊休農地活用も視野。白井さんは「まずは試験栽培で生産できるかどうか確立させ、うまく行けば、令和7年までに栽培面積を5ヘクタールに増やし、グループの法人化も目指す。トレビスだけでなく、他の野菜でも、この取り組みを広げられないかと期待している。自分たちのスタイルが地域のモデルになれば」と話した。


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