市内全域に自主防犯活動の輪を(写真は薗自主防犯組織隊)
御坊市内の自主防犯パトロール隊などが連携し、自主防犯組織連絡協議会(仮称)設立に向け、準備を進めている。市内自治会単位の自主防犯組織率は29・2%で、自主防災組織率71・4%と比べ極端に低い。市内の犯罪発生率は県下市町村でも高く、特殊詐欺被害も県下で急増している中、犯罪や被害の未然防止に向け、協議会を設立し、横の連携を強化するとともに未設置の自治会に組織化を働きかけながら防災との両輪で「安全、安心なまち」づくりに取り組みたい考え。
市内では、20年以上活動している北塩屋区自主防犯パトロール隊を筆頭に西富安地区地域安全パトロール隊、北野口区自主防犯組織隊、財部地区自主防犯パトロール隊(11町内会)下野口防犯会、小松原区自主防犯委員会、薗自主防犯組織隊(10町内会)島東正会自主防犯組織隊の8団体が組織化されている。
それぞれの地域で月1回夜間パトロールを行ったり、学校下校時にパトロールするなど地道な活動を続け、街頭犯罪等が大幅に減少するなど地域の治安、防犯に貢献しているが、市内世帯数に占める自主防犯組織率は29・2%しかない。自治会単位で規約を設けて活動している自主防災組織率71・4%と比べても極端に低いのが現状。
市内の令和4年刑法犯認知件数は94件、街頭犯罪数は35件で横ばいか減少傾向にあるが、県下市町村別犯罪率は元年と2年がワースト1位、3年が6位、4年が7位と上位に入る。県下では高齢者等を狙った特殊詐欺被害も深刻化。今年は6月末で被害額が1億7359万円に達し、早くも4年中の1億7313万円を超えた。市内でも昨年2件162万円、今年は1件30万円の被害があった。
この現状に危機感を持った酒本和彦・薗自主防犯組織隊長、松本佳久・島東正会自主防犯組織隊長が中心となり、他の自主防犯組織に呼びかけ、協議会設立の準備を進めている。情報共有など横の連携を深めるとともに未設置の自治会に自主防犯組織づくりを働きかけたい考え。9月中の協議会設立をめざし、設立後は市民文化会館で啓発イベント開催も考えている。
発起人の一人、薗の酒本隊長は「自主防犯組織が連携して『1本の矢よりも3本の矢』と強いものにすることが安全、安心なまちづくりにつながる。自主防犯組織率をせめて自主防災組織率と同じ70%まで引き上げたい。防災、防犯の両輪で活動の幅を広げ、市民の意識向上に努めていきたい」と話している。
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