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岸本知事、三浦市長が令和6年中に日高港の関税法上の開港を財務省に要望 〈2023年8月25日〉

2023年08月25日 08時30分00秒 | 記事


関税法上の「開港」をめざす日高港


 岸本周平知事、三浦源吾御坊市長は23日、財務省を訪れ、暫定供用中の日高港について令和6年中に関税法上の「開港」指定を行うよう要望した。工業用地に建設中の和歌山御坊バイオマス発電所が令和7年9月に運転開始すれば、開港指定の環境が整う見通しが立ったことから昨年度から県が政府要望しており、今回初めて知事と市長が直接要望に出向いた。大きな進展はなかったが、今後も粘り強く要望活動を続け、早期の本開港をめざす。

 日高港は平成16年4月から暫定供用しているが、関税法上は「不開港」のため、税関施設等は設置されておらず、建設資材や燃料等が直接海外から輸入できないため、和歌山下津港など近くの港で入港手続き等を行う必要がある。関税法上の「開港」に指定されるには「貨物の輸出入、外国貿易船の入港及び出港、その他の事情を勘案して政令で定める」とあるだけで具体的な条件はない。
 ただし、開港となった年の翌年以降に(1)1年を通じて貨物の輸出入がなく、または外国貿易船の入港、出港がないとき(2)1年を通じて貨物の価額合計が5千万円を超え、かつ外国貿易船の入港合計隻数が11隻を超えることが引き続き2年間なかったとき――は「例外なく開港でなくなる(閉港)」と規定されているため、少なくともこの基準以上の実績が必要になる。
 令和7年9月に運転開始予定の和歌山御坊バイオマス発電所は、木質ペレットとパームやし殻の混合燃焼で発電規模は5万キロワットで燃料は外国から年間約20万トン輸入する計画。取扱貨物量が増えることで開港に向けた環境が整う見通しが立ったことを受け、県が昨年度から政府要望に開港指定を入れており、23日に岸本知事、三浦市長がそろって財務省を訪れ、江島一彦関税局長に直接要望した。
 知事と市長は「燃料等を和歌山下津港経由で日高港に運ぶのは輸送コストなどが増大」「日高港の周辺では原材料の輸入や製品の輸出を行う企業が多く立地しているが、ほとんどが大阪港などを利用し、長距離の陸上輸送が生じている」など問題点を説明し、開港指定の必要性を強く訴えた。
 江島局長からは実績が重要との見解が示されるなど色よい返事はなかったというが、三浦市長は「今日からがスタートだと思っている。知事には県の総力を上げて努力すると言っていただき大変心強い。今後も粘り強く要望を続けたい」と話した。今後は県、市、市議会が連携し、地元選出国会議員の後押しも得ながら一日でも早い開港指定をめざす。


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