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連続12選の二階幹事長が総選挙後初のお国入り、決意新た 〈2017年11月7日〉

2017年11月07日 08時30分00秒 | 記事

稲むらの火の館を見学した二階、西岡、吉井各氏(左から)


 10月22日執行の衆議院総選挙で12回連続当選を果たした二階俊博自民党幹事長(78)=御坊市島、志帥会(二階派)会長=が5日、当選後初めてお国入りし、日高川町で開いた明日のふるさとを考える青年の会(会長・二階幹事長)の会長旗争奪親善野球大会開会式、広川町で開いた津浪祭に出席し、記者会見を行った。二階幹事長は「責務を果たし、皆さんの期待に応えたい」と決意を新たにし、ライフワークの防災対策や国土強靱化政策などに一層力を尽くす考えを示した。

 幹事長として選挙の陣頭指揮に立ち、二階派会長として全国を駆け回った二階幹事長は「突然の解散で選挙の準備など心配することも多かったが、立派な成績を収めさせていただき、大変良かったと喜んでいます」と謝意を述べるとともに、自らの12選には「初当選のころは、まさかここまでやれるとは思っていなかったので、私にとって望外の喜びです。地元に帰れないという事情をご理解いただき、同志の皆さんが私に代わって頑張っていただいただけに、よけいにうれしく思っています」と述べた。
 今後については「責務をしっかり果たし、地元の皆さんのご期待に応えるため、国政の上でも立派な政治を進めていきたい」と決意を述べるとともにライフワークの防災対策、国土強靱化政策には「極めて重要な政治課題。一人でも多くの人の生命を守り、強く、しなやかな国をつくるため、これからも党を挙げ、しっかり対応していく」、自らが提唱して国連の国際デーに制定した「世界津波の日」には「当初は十分に理解されていなかったが、今では多くの国で認知されるようになった。この勢いでさらに国際的な取り組みが行えるよう一層努力したい」述べた。
 世界津波の日の関連行事として自らの提案で昨年高知県で初開催し、今年は7日から8日まで沖縄県で開く「世界津波の日高校生サミット」が、来年いよいよ和歌山県で開催される予定となっていることに「歓迎したい。世界津波の日発祥の地、和歌山県から世界に防災を発信できる機会として大いに楽しみにしています」と話した。
 世界津波の日は、1854年11月5日の安政南海地震で大津波から村民を守った広川町の浜口梧陵の「稲むらの火」の逸話をもとに二階幹事長が提唱。今年は国連国際デー2年目で、二階幹事長は野球大会開会式であいさつしたあと、広川町を訪れ、津浪祭であいさつし、西岡利記町長や吉井和視党県連幹事長らと稲むらの火の館を訪れ、最新の展示物を見学した。


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平成29年秋の叙勲、堺典雄(日高川町)田端惠次(日高町)阪本良夫(御坊市)各氏 〈2017年11月5日〉

2017年11月06日 08時30分00秒 | 記事

 平成29年秋の叙勲で県内から44人が受章した。日高地方から旭日双光章に地方自治功労で日高川町寒川250、元美山村議の堺典雄氏(74)▽瑞宝双光章に消防功労で日高町阿尾572、元町消防団長の田端惠次氏(71)▽瑞宝単光章に消防功労で御坊市藤田町吉田12、元市消防団分団長の阪本良夫氏(70)-の3人が選ばれた。いずれもその道一筋の功績が認められた。伝達、拝謁は7日以降、順次行われる。

地方自治発展に功績
旭日双光章 堺典雄氏

 昭和55年4月に旧美山村議会議員に初当選し、7期25年間、議長はじめ各常任委員長などを歴任。産業の振興や道路網、観光施設の整備など地方自治の発展と住民福祉の向上に努めた。
 土木常任委員長当時、地域の発展と産業振興に道路交通網の整備が不可欠と、住民の悲願だった国道424号白馬トンネルの実現を国や県に働きかけた。県道や村道、農林道の整備にも積極的に取り組み、県道御坊美山線の全面改良など主要道路の整備を推進した。
 産業面では、美山地域特産のシイタケ栽培や出荷施設の整備、特産品開発の振興に力を注いだ。基幹産業の林業では、林業従事者の減少や高齢化が進む中、労働力確保に動き、人材育成を図る「グリーンキーパー21支援事業制度」の制定、企業誘致にも取り組み、雇用機会創出に尽力した。
 近畿で唯一の簡易水道未整備地域だったが、寒川地区から丸山、愛徳両地区へ整備、小集落の飲料水供給施設の整備を働きかけた。高齢化が進む地域に特別養護老人ホーム誘致、保健福祉センターの整備にも力を注ぎ、中学校へのコンピュ
ータ導入、椿山ダム湖畔に温泉宿泊施設の整備など地域活性化に功績を残した。
 堺氏の話 このような章に浴し誠に栄誉なことです。旧美山村民はじめ同僚議員など、ご支援、ご指導頂いた皆様のお陰です。


防火意識の高揚を図る
瑞宝双光章 田端惠次氏

 昭和46年5月、日高町消防団に入団。平成8年4月に第3分団班長、13年4月に第3分副分団長、14年4月に同分団長、19年4月に副団長、26年4月に団長に就任した。
 複雑多様化する防火事業に対処するため、消防知識の取得に努めたほか、地域での被害軽減につながる啓発に率先して活動。初期消火訓練や防火研修など地域住民の防火意識の高揚を図り、近年は住宅用火災警報器の設置推進の広報などで消防思想を普及した。
 13年3月10日夜に比井地区で発生した木造1階の民家火災では、漁業集落のため進入路が狭く、放水できる場所が限られ、消火活動は困難を極めたが、当時班長として団の指示を守り、住宅密集地にも関わらず、類焼なく鎮火。
 24年8月17日夜、高家地区行方不明者捜索で副団長として捜索依頼により対策本部に出動して、捜索範囲を割り当てるなど迅速に対応した。
 25年2月5日夜、阿尾地区で発生の倉庫火災で自宅から火災現場が近く、副団長として手際よく団員を指揮。28年5月2日、荊木区での建物火災では消防水利をよく理解する地元分団員を主におき対応した。
 田端氏の話 天皇陛下が皇太子時代に国体に来られた際の警備が思い出されます。受章は団の皆さんや関係者らの支援のお陰です。


地域防災、後進指導に尽力
瑞宝単光章 阪本良夫氏

 昭和43年12月に御坊市消防団藤田分団員となり、副分団長など経て平成15年1月に分団長に就任。17年3月まで36年余りの長きにわたり地域防災、後進の指導に全力を尽くした。
 消防活動では常に先頭にたって難事に当たり火災防御に力を注ぎ、団員時には幹部をサポート。幹部になってからは部下の指導育成、分団の消防力強化に尽力した。副分団長時の平成14年の吉田地内での民家火災では、火が瞬く間に家中に広がり隣接する民家へ延びようとする危機的状況下、冷静な判断で部下に延焼阻止を厳命、放水体制を整え自らも最前線で決死の指揮。さらに本部と連絡を取り、後続の各分団には進入経路を的確に指示するなど連携強化に尽くし近隣への延焼を阻止、被害を最小限に食い止めた。分団旅行の帰省直後に民家火災が発生、すぐさまヘルメットだけかぶって現場に急行、消し止めたこともあった。
 後進の指導では「日頃の訓練が重要」と訴え、団員の技術向上へ想定訓練を実施するとともに基本行動も徹底。地域との連携の重要性も唱え、町内会への指導など防火思想の普及啓発にも努めた。技術、精神両面で優れ、組織力・団結力が群を抜く消防団を築いた。
 阪本氏の話 消防団の皆さまのお陰と心から感謝している。今後も少しでも地域防災の力になりたい。


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入田和樹さん(日高川町)韓国最大の格闘技イベント参戦、プロの舞台へ 〈2017年11月3日〉

2017年11月04日 08時30分00秒 | 記事

西日本王座を防衛した入田選手(右から2人目)と
垣内代表らチーム日高関係者


 アマチュアシュートボクシングで西日本ヘビー級王座を連覇するなどアマ界では敵なしの入田和樹さん(31)=和歌山病院勤務、日高川町入野=が、27日に韓国ソウルで開かれる格闘技イベント「ANGEL fight」でプロデビューを果たす。当初はメーン試合で「韓国の巨人」と呼ばれる有名格闘家、チェ・ホンマンとの対戦が実現する予定だったが、同選手の出場がかなわず対戦相手は未定だが、入田選手は「プロのリングでも不安はない。KOでプロデビュー戦を飾りたい」と闘志を見せた。

 総合格闘技チーム日高(垣内義秀代表)所属の入田選手(185センチ・105キロ)は、2年前のアマチュアシュートボクシング西日本王座を連覇。ヘビー級のアマチュア界では対戦相手がない状態で、実力は同界の日本一と言われるまでになった。その実力からプロのジムからも多数のオファーがあったが、地元のチーム日高で活動を続けてきた。
 そんな中、対戦相手を求めてプロのリングに立つことを決意。大阪の空手道場関係者を通じて、格闘技イベントのプロモーターなどを手がける元MMA(総合格闘技連盟)会長の諸岡秀克・CMA会長にプロの大会に出場の場を求めた。入田選手の練習風景を撮影した動画を観た諸岡氏は、その実力に驚き、今年8月中旬、同氏から韓国最大の格闘技イベントのメーン試合で、チェ・ホンマンとの対戦依頼が舞い込んだ。入田選手は同選手との対戦をすぐに快諾。その後、同選手が出場回避となり、対戦相手を変更して同イベントに出場することが決まった。
 入田選手が出場するのはK1ルール(3分、3ラウンド)で行われる韓国最大規模の格闘技イベント。ソウルのKBSホールで27日に開催。スーパーヘビー級(100キロ以上)のリングに立つ入田選手は、垣内代表や顧問の北垣順一さん、セコンドトレーナーの山本勝也さんらと韓国入りし、26日に記者会見と計量を行い、27日の試合に挑む。試合当日は韓国内で生放送されるという。
 ホンマン選手との対戦が決まったあと、体重90キロ程度だった入田選手は、食事を増やしながらのトレーニングでウエートを一気に10キロ以上増やして105キロにパワーアップ。対戦相手が変更となったが、プロデビューに入田選手は「こんなオファーを頂いて本当にうれしい。アマチュアで頑張ってきたかいがあった。プロのリングでも1つの不安もなく楽しみで早く試合がしたい。パンチでKOし、実力を見せつけて来年からは本格的にプロに参戦する。国技館や日本武道館でメーンのリングに立ちたい」と闘志を見せ、チーム日高代表の垣内さんは「こんな田舎の町道場から育った選手がプロを圧倒する姿を見せてほしい。入田がプロデビューを飾ってくれるはず」と大きな期待を寄せた。


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印南町の「うらしま会」が切目懐紙(国宝)のプレート設置 〈2017年11月2日〉

2017年11月02日 08時30分00秒 | 記事

切目王子公園として整備に向けまずは
切目懐紙のプレートを設置


 印南町切目の歴史を学ぶ有志でつくる「うらしま会」が、切目王子神社で後鳥羽上皇が催した歌会で11人がしたため国宝となっている「切目懐紙」の写しを印刷したプレートを同神社東方の切目王子社旧跡に立てた。旧跡地は「うらしま会」代表の寺下鎮雄さん(73)の私有地で、今後は同神社の御神木「ナギ」や歌会で詠まれた歌に出てくる「モミジ」や「松」「テイカカヅラ」を植えるなどして「切目王子公園」として整備していく計画だ。

 切目懐紙は、正治2年(1200年)12月3日に後鳥羽上皇が切目王子で「遠山落葉 海辺晩望」を歌題に開いた歌会で、後鳥羽上皇や源通親、藤原公経、藤原範光、藤原家隆、藤原雅経、源具親、寂蓮、藤原隆実、源家長、源季景の11人が2首ずつ詠んでしたためた懐紙。16世紀中ごろに切目神社から京都西本願寺の家老職下間数馬家に渡り、1678年に京都西本願寺に奉納され、現在も国宝として同寺に所蔵されている。
 寺下さんは、地域の宝とも言える貴重な「切目懐紙」を地元はもとより、広く多くの人に知ってもらいたいと、歌会が開かれた当時、境内であった切目王子神社旧跡の自分の土地に、熊野懐紙の写しと、現在の言葉で歌を記したプレートを歌人ごとに11枚作り、切目懐紙の説明板とともに設置した。
 土地の広さは1300平方メートルあり、プレートに続いて「きりめやま おちのもみぢは ちりはてて なをいろのこす あけのたまがき」(源通親)など5首で詠まれている「モミジ」をはじめ、「いはしろの まつのこまより みわたせば ゆふ日のいろを あふしらなみ」(藤原範光)、「ふるさとは またしぐるらし まさきちる みやまのあられ いろかはるなり」(藤原家隆)に詠まれている「松」「まさき(テイカカズラ)」を植樹する予定。切目の大事な歴史の足跡をきちんと後世に伝えていきたいとの思いから取り組みを進めている寺下さんは「寺下さんは「定期的にイベントを開くなどして多くの人に集ってもらい、歴史的にも由緒ある切目王子神社、切目懐紙を広く知ってもらえれば」と話している。


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太陽福祉会が日高町学童保育所跡活用し「通園あこう」1日開設 〈2017年11月1日〉

2017年11月01日 08時30分00秒 | 記事

知的障害や発達に特性のある子どもたちのための
放課後等デイサービス施設


 社会福祉法人太陽福祉会(皆川敏治理事長)は、きょう1日から、日高町高家の中央公民館北側にある学童保育所跡建物を活用して知的障害や発達に特性のある子どもたちのための放課後等デイサービス施設「通園あこう」を開設する。町や町社会福祉協議会が内原学童保育所跡の有効活用を模索する中で、利用者増が見込まれることから施設増設を検討していた太陽福祉会が打診し、小中学校を対象として、障害児者の避難所を兼ねた初めての施設にすることで合致。開設後は学校を終えて家庭までの時間を楽しく過ごす場所を提供して基本的な生活習慣を確立する。

 同施設は、当初は町社協事務所だったが、その後、教育委員会が利用したり学童保育所専用の施設として使用。志賀学童保育所を開設後、内原学童保育所が入り、平成29年4月に新たな学童保育所が内原小隣接地に開所、移転したため、土地や建物を所有している町と町社協が、有効活用を模索。
 太陽福祉会は海岸部に放課後等デイサービス施設の「通園みらいⅡ」などもあるが、常に利用者が一杯で、さらに増えることも考えられることから、新たな施設を検討していた。
 空き家となることを知った同会が町に打診。当初は中高生の利用を考えていたが、町が小学生への対応を求めていたため、小中学生を対象とすることで一致。名称には町の木である「あこうの樹」を入れて日高町の特色を出し、同所は南海トラフ巨大地震想定で津波浸水域に入っていないことから、災害時の障害者の避難所として活用するよう町、町社協、同会の3者で協定も締結した。
 同施設は平成3年3月に完成。敷地面積302平方メートルで延べ床面積370平方メートルの鉄筋コンクリート2階建て。1階は大部屋、小部屋、男・女・障害者用トイレ、2階は大部屋、畳部屋などがあった。デイサービス施設として使いやすいように北側の園外に人工芝と砂場を設けた広場(約100平方メートル)を設けたり、安全対策を施すなど約800万円かけて整備。町もフェンスを設けて支援した。
 対象利用者は知的障害や発達に特性のある支援学校や特別支援学級の小中学生。対象地域は御坊市、日高町、由良町、美浜町、日高川町、印南町で、費用は在住の市町が定めた額。月曜日から金曜日は午後3時から午後5時まで、たちばな支援学校や地域の学校まで迎えに行き、同所で活動、送迎する。土曜日や長期休みは午前9時から午後3時30分まで。休園日は日曜日、祝日、第5土曜日。定員10人で職員7人で対応。活動内容は散歩やドライブ、創作活動、クッキング、買い物体験などで長期休み時には社会見学や映画鑑賞、プール、バーベキューなどもする。
 31日には同会や町、町社協の関係者が集まり見学会を開き、皆川理事長が「あこうの木の姿の雄大さと強い成長力のように、子どもたちもたくましく成長されることを願ってつけさせてもらいました。1日から職員ともども頑張りますのでよろしくお願いします」とあいさつ。松本秀司町長は「施設開設は喜ばしく、取り組みに期待しています。障害がある人も、ない人も共に歩める共生社会の充実のために頑張りたい」と祝い、皿山守町社協副会長も祝辞。岡本和能管理者が事業内容や職員を紹介して建物内外を見て回った。


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