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印南町の「うらしま会」が切目懐紙(国宝)のプレート設置 〈2017年11月2日〉

2017年11月02日 08時30分00秒 | 記事

切目王子公園として整備に向けまずは
切目懐紙のプレートを設置


 印南町切目の歴史を学ぶ有志でつくる「うらしま会」が、切目王子神社で後鳥羽上皇が催した歌会で11人がしたため国宝となっている「切目懐紙」の写しを印刷したプレートを同神社東方の切目王子社旧跡に立てた。旧跡地は「うらしま会」代表の寺下鎮雄さん(73)の私有地で、今後は同神社の御神木「ナギ」や歌会で詠まれた歌に出てくる「モミジ」や「松」「テイカカヅラ」を植えるなどして「切目王子公園」として整備していく計画だ。

 切目懐紙は、正治2年(1200年)12月3日に後鳥羽上皇が切目王子で「遠山落葉 海辺晩望」を歌題に開いた歌会で、後鳥羽上皇や源通親、藤原公経、藤原範光、藤原家隆、藤原雅経、源具親、寂蓮、藤原隆実、源家長、源季景の11人が2首ずつ詠んでしたためた懐紙。16世紀中ごろに切目神社から京都西本願寺の家老職下間数馬家に渡り、1678年に京都西本願寺に奉納され、現在も国宝として同寺に所蔵されている。
 寺下さんは、地域の宝とも言える貴重な「切目懐紙」を地元はもとより、広く多くの人に知ってもらいたいと、歌会が開かれた当時、境内であった切目王子神社旧跡の自分の土地に、熊野懐紙の写しと、現在の言葉で歌を記したプレートを歌人ごとに11枚作り、切目懐紙の説明板とともに設置した。
 土地の広さは1300平方メートルあり、プレートに続いて「きりめやま おちのもみぢは ちりはてて なをいろのこす あけのたまがき」(源通親)など5首で詠まれている「モミジ」をはじめ、「いはしろの まつのこまより みわたせば ゆふ日のいろを あふしらなみ」(藤原範光)、「ふるさとは またしぐるらし まさきちる みやまのあられ いろかはるなり」(藤原家隆)に詠まれている「松」「まさき(テイカカズラ)」を植樹する予定。切目の大事な歴史の足跡をきちんと後世に伝えていきたいとの思いから取り組みを進めている寺下さんは「寺下さんは「定期的にイベントを開くなどして多くの人に集ってもらい、歴史的にも由緒ある切目王子神社、切目懐紙を広く知ってもらえれば」と話している。


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