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日高港クルーズ客船誘致へ柏木御坊市長がトップセールス 〈2018年1月20日〉

2018年01月20日 08時30分00秒 | 記事

 柏木征夫御坊市長が、24日と25日に東京都、横浜市で日高港に未寄港の国内最大クルーズ客船「飛鳥Ⅱ」=全長241メートル、総トン数5万142トン=と過去6回寄港している「にっぽん丸」=全長166・6メートル、総トン数2万1903トン=の誘致に向けてトップセールスを行う。県が行った操船シミュレーションで「飛鳥Ⅱ」の寄港に問題がないことが分かり、現在設計中の岸壁施設整備が終われば「飛鳥Ⅱ」入港の環境が整うことになり、初入港や定期入港に期待がかかる。

 日高港は県内人気観光地の白浜や世界遺産の熊野、高野山地域との中間点に位置し、紀北、紀南のどちらにも日帰りで行ける立地条件の良さからクルーズ船の観光拠点としての役割が期待されている。過去に「にっぽん丸」=が平成16年、22年~25年、28年の計6回。「ぱしふぃっくびいなす」=183・4メートル、2万6594トン=が26年。引退した「ふじ丸」=167メートル、2万3235トン=が19年、21年に入港し、定期入港への道筋を付けているが、係留能力の問題から5万トン級の飛鳥Ⅱは入港できないのが現状。
 大型客船が接岸する日高港の岸壁の長さは飛鳥Ⅱより1メートル短い240メートルしかなく、係船時に綱をつないでおく杭が足りないため、和歌山港湾事務所が施設整備に着手中。岸壁の先端から約20メートル先の海上に係船杭を新設し、船首部分をつなげられるようにする。これにあわせて県が5万トンクラスの大型客船を想定した操船シミュレーションを実施し、港内を安全に航行できるかを調査。水深12メートル化のしゅんせつ工事が行われているが、現状の水深10メートルでも接岸可能で、シミュレーションでも「問題ない」との報告が市にあった。
 施設整備は早ければ今秋に終わる見通しのため、柏木市長が23日から全国市長会や近畿自動車紀勢線有田南紀田辺間整備協議会要望で上京するのにあわせ、24日に東京都の商船三井客船(株)を訪れて「にっぽん丸」、25日に横浜市の郵船クルーズ(株)を訪れ「飛鳥Ⅱ」の寄港をそれぞれ要望。特に未寄港の「飛鳥Ⅱ」については施設整備が終われば入港可能のため、特に力を入れてセールスする。日高港は昨秋、全国で103カ所目となる国の「みなとオアシス」に認定され、全国への情報発信に努めている。
 県は昨年4月に策定した長期総合計画で2026年度のクルーズ客船寄港回数目標を30隻とし、大型客船に対応した施設改良や受け入れ態勢の整備、誘致活動に力を入れている。6月には日高港のある御坊市など県内自治体や経済、運輸、交通関係団体らと県クルーズ振興協議会を設立し、国内外クルーズ船の寄港増加、観光客数や観光産業の売り上げ増加など地域経済活性化、港周辺のにぎわい創出などにつなげたい考え。


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