紀州新聞 THE KISYU SIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

道成寺の日本遺産に第一歩 「安珍と清姫の道」を申請手続き 〈2018年1月26日〉

2018年01月26日 08時30分00秒 | 記事

日本遺産の認定を目指す道成寺

安珍清姫を現在に受け継ぐ鐘供養会式などが物語を構成


 道成寺がある日高川町を中心に取り組んできた道成寺はじめ安珍清姫がたどった道をテーマに構成したストーリーの日本遺産認定(平成30年度)に向けて、25日までに申請の手続きを済ませた。「今も息づく『語り』~安珍と清姫がたどった道」を題材に日高川町、御坊市、印南町、みなべ町、田辺市の5市町にまたがるストーリーで、20カ所の文化財を中心に構成されている。2月1日までに文化庁に申請され、今年度内に審議される。

 日本遺産に認定には、文化財などが残されているだけではなく、現代の生活に生かされていることが重視され、文化財などを中心に一連のストーリーが認定の対象となる。道成寺を核としたストーリーは「今も息づく『語り』~安珍と清姫がたどった道」をテーマに、(1)道成寺と熊野信仰(2)安珍清姫の物語に見る熊野古道(3)物語の広がり古典芸能への広がり(4)語り継がれ生け続ける道成寺縁起-の4つを柱に構成されている。
 安珍清姫の物語で、2人がたどったとされる田辺市の滝尻王子や一願寺から、印南町の切目王子、御坊市の塩屋王子や清姫が休息したという腰掛岩(名田町楠井)、日高川を渡る安珍を見つけた清姫が草履を脱ぎ捨てて松の枝にかけたと伝わる草履塚(同町野島)、安珍を焼き殺したあと清姫が入水したと言われる蛇塚(藤田町吉田)など20カ所の文化財でストーリーを構成。日高川町では寒川神社などを含めて8カ所で、50年以上の歴史がある道成寺の鐘供養会式、絵解き説法、釣り鐘まんじゅうなど現在受け継がれている文化も含まれている。
 これまで県内では、太地町など熊野灘沿岸の「鯨とともに生きる」のほか、昨年度は和歌山市の「絶景の宝庫和歌の浦」、湯浅町の「『最初の一滴』醤油醸造の発祥の地紀州湯浅」の2件が登録されている。日本遺産への登録は平成27年度から平成31年度までに全国約100カ所を認定する方針で、これまでに54カ所を認定。29年度は全国から79件の申請に対して17件だけの認定で、約5倍の難関となるなど認定までには高いハードルがある。平成30年度分の申請は2月1日に締め切り、今年度内に審議会で検討されるという。


その他の主なニュース

 安田綾子さん(御坊市)給食用特殊料理専門調理師に認定

 由良町衣奈漁港でワカメの天日干し始まる

 地域農業を考える日高のつどいで原田延明氏(気象台調査官)講演

 文化財防火デー控え広域消防、日高川町消防団ら道成寺で総合消防演習