Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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F40LM修理です

2019-01-30 21:33:18 | その他
本日の山陰は大変良い天気で朝はかなり冷え込みましたが、昼間はかなり暖かく外でも過ごしやすい天気でしたね。
新年になってから1日も休みなく仕事を進めてきましたのでここで1日完全に仕事を離れます、一日くらいお休みをいただきましょう(笑)
と言ってもやっぱり模型関連なんですけどね。
溜まっている修理をこの休日に少しでも進めておきたいのです、アトリエの中が送られてくる修理品で一杯になってしまうと仕事も進められなくなってしまいますからね。

本日はかなり長い文章になります、お気をつけ下さい(笑)


本日の患者さんは・・・こちらです。
他にも沢山修理のご依頼を頂いていますが・・・大変忙しく少しづつしか修理出来ません・・・(汗)
プレートが無いのでアウトレット品かと思いますが・・・メイクアップさんではこの手の修理を引き受けていないので個人的にこちらに修理依頼が来ます。
一見綺麗なんですが・・・

当方が所有する通常カラーの40LMです。
ボディカラー以外はほぼ同じ物ですね当方のは30周年記念で作られた物と思われます。

入れられているケースもアルミ板を貼った物になっています。
ケース自体はほぼ同じ黒いプラ製の物ですね。

どこを修理するのか一つずつ確認作業をします。
まず目に入ったのはこのリアウインドウですね。
リアウインドウは聞いていなかったのですが前側が浮いています。
これはもう脱着が必用ですね。

F40でお決まりなのはこのリアのメッシュです。
ボディが縮んでグリルの中央が浮くという症状です
程度の差は保管状況で変わってきますが大体どれもこの症状がでています。
おまけに中央の補強が無くなっています。
多分メッシュの中央が膨らんで跳ね飛ばされたのかも・・・上側に接着剤の痕が有る事から最初は付いていたのではないかと想像出来ますね。

当方が持っている物も左側のメッシュが膨らんで来ています
がまだ中央の支えは付いています。
こんな部品も今回の修理では同じ物を作らなければなりません。

かなり膨らんでいるのがわかりますね。
ステーが付いていた中央の少し右側に白い点が有りますがこれが接着剤の痕です。
黒いリップスポイラーも右側が浮いていますね。

それを裏付ける様に右側のリップがボディから飛び出しています・・・これはリップが飛び出したんじゃなくてボディが縮んだと言う事です。

左側はきちんと接着されていますので飛び出しはほとんど有りません
写真では斜めに見ていますので出ている様に見えますけどね。

もう一つ問題点を発見しました
どこかわかりますか??
黒いリップの前側ですが・・・
エンジンルームのアウトレットがパネルで塞がれています中央部分が持ち上がっているんですよ。
ではなぜ外れなかったのか・・・

リップとリアグリルをを外してみましょう
中央にメインのリアウイングからの補強が付けられているのですがそのステーがアウトレットを塞ぐ板を貫通してボディの穴に止められているのです
しかもこの板は両端の面積の大きな部分でボディに接着されているので接着面の小さな中央寄りでめくれ上がっているのです。
この修理はちょっと面倒ですね。
リアウイングのステーを外さずに修理する為にはその接着面の大きな両端を剥がさなければなりません。
無理矢理剥がせばパネル自体が曲がってしまい(恐らく柔らかい真鍮エッチングかな?)使い物にならなくなってしまうのです。
普通はウイングのステーを一旦外してパネルを取り外し・・・と言う事は下手したらリアウイングも外す必要が出てきますね。

取り敢えず外したのはこのパーツ達です
まあF40のパーツとしてはまあ普通の内容かな(笑)

まず最初にエッチングで作ったセンターの支えの部分を塗装しておきましょう
セミグロスブラックくらいで良いかな〜!?

順番的にはこのアウトレットを塞ぐパーツから修理を始める事になります。
その前に古い接着剤を掃除しましょう。
ピンセットや爪楊枝を削った物で接着剤を落とします。
最後にエナメルシンナーを綿棒に付けて拭き取ります。

この中央が細いエッチング板に負担をかけずに取り外す方法を考えます
隙間に何か入れて剥がすというのはダメですよ・・・簡単に曲がっちゃいます(笑)

あっと言う間にこの通り完了です。
やり方?
企業秘密です(笑)
いや、そんな大げさな方法では有りません時間をかけて外しただけですよ。

この後接着剤を付けてマスキングテープで押さえておきました、浮いたまま付いてしまうと見苦しいですからね。

次はリアグリルですね
まずは枠とメッシュに分解します。

どれくらい大きいのか確認します・・・そのまま所定の位置に収めますと・・・0.5mmくらい大きいですね

メッシュは中央で切る訳にはゆきませんから両端を削って0.2〜0.25mm(片側)程縮めています

メッシュを接着しました
少し短くしますときちんと収まりますね・・・まあ当然です。

そして赤い枠のエッチングをメッシュの上にのせてみます
今回はグリルの付く凹みに両端を落とし込みますと当然ですが中央が持ち上がります
この持ち上がる部分だけ長さが長い訳ですね・・・

中央の部分に幅0.5mmに切ったマスキングテープを貼っています
これは後で取付けるステーの位置を決める為でもありますし今回はこのステーの陰の部分で赤い枠をカットして短縮するのです。

切りました・・・
よく切れるエッチング鋏でバッサリです・・・

この時にマスキングテープは貼ったままカットしていますこちらがマスキングテープです
枠の一部分が残っているのがわかりますでしょうか?
これで中央部分を0.5mm程短くしているのです。

枠を接着します
2分割にしていますので中央に合わせ目が来ます・・・
写真では見え難い位キチキチの寸法ですね。

次はリアのリップの部分を加工します
両端を0.25mmずつ削っています
なぜ両サイドを削るのか・・・片側ではダメなのか?
取り付け用のリベットの穴が有りますので片側で長さを調整しますとその位置が狂ってしまうからですね。
だから左右とも削って位置関係を合わせる訳です。
その後タッチアップしてボディに接着します。

次はリアウインドウですね
このリアウインドウですが・・・どうやらどこかで補修を受けた様で左側の前角の部分だけ強力な接着剤で止められていました。
多分浮いたからここだけ押さえようかと思われたんでしょうね。
エポキシか瞬間か・・・ですね。
こうなりますとこの硬い接着剤を削らなくてはなりません・・・残っていますとまた浮いてしまうからです。
エッチングの枠を外しての大作業です・・・。

少し削ってからウインドウだけ合わせてみました・・・まだ乗せているだけです。
全体に少し削っていますのでボディの収縮によって丁度良くなったかも・・・

ウインドウを接着しました。
硬化するまでマスキングテープで押さえます・・・

今回このF40を修理する為だけにエッチングを作りました。
長い棒の様な板が中央の支えのステーです。
当方所有のF40の30周年記念車から大きさを割り出して同じパーツを作っています。
L型の金具だけなら手でも4つくらい作れるのですが・・・実物のミニカーと同じ(?)パーツで修理をした方が良いという判断でした。
そのL型の金具にには取り付け用のリベットかビスの表現で丸い凹みが付いているのです。

リアウインドウをマスキングテープで押さえたままリアグリルのセンターの支えを取付けました・・・
これで元通りですね。


後は当方オリジナルのプレートを作ってくれと言う事なので・・・そちらの作業ですね。