Studio_Rosso 1/43 自動車模型制作日記1

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本日はその他の話題です

2012-05-29 22:22:29 | その他
毎日仕事をしておりますと色々な情報が入って来ます。
実はとある方から某ショップさんが入れられた250TR(右ハンドル)をお譲りいただいたのですがそのキットにはデカールがセブリングしか入っていなかったですね。
当方が取り扱った物後で輸入されたお店に聞きましたが、そのお店で取り扱った物は全てのキットにブエノスアイレス仕様のデカールがサービスされていたそうです。
私が確認したキットも確かに入っていましたから全部入っていたはずです。
某ショップさんに比べると少し高価になってしまいましたが予約特典で送料をサービスしておまけのデカールが入っていたらまあトントンかな~。
この後ブエノスアイレス仕様が出なかったらこのブエノスアイレス仕様のデカールはお宝になるかもしれませんね。
キットを売っても商売には余りならないのですが少しでも珍しい物をお客様にお届け出来た事を考えれば満足ですね。
珍しいキットと言えば近い内にフェラーリ250GTベルトーネのメタルキットが入荷致します。
詳細は入荷してからと言う事にしておきますが今までプロバンスのレジンキットしか知らないのでルフ系列の原型師さんが原型を作られたので他のルフ氏のキットの完成品と並べてもバランスはとても良いと思いますよ。
他のショップさんは何もアナウンスされていないので日本では当店だけの取り扱いになるかもしれません。
前回のコルベットスカリエッティ同様に新製品の入荷での公開日から先着順での販売になりますのでよろしくお願い致します。

この所タミヤのプラモデルのエンジンを加工しておりますがやはりこのままでの搭載は難しい様ですのでMDX-40にてスキャン~縮小~切削をしようと思います。出来る事ならエンジンは数個作って一つは完成品の脇に取り付けてみようかそれとも他に小さな台をつくってそれだけを展示した方がいいでしょうか・・・。
楽しいモデリングは当分続きそうですね、趣味だけでなく仕事もやはり楽しい方が良いに決まっています(笑)
そうそうタミヤアフターサービスからエンジンパーツが送られて来ました。
在庫が有って良かったですね、これで部品を抜いたキットも元通りになりますね。


先日、NSXを納品させて頂きましたが急いでいましたし他にも理由があって納品請求書を付けておりませんでした。
日曜日にそのY様がアトリエにお見えになり少しお話をさせて頂きました。
訳あって詳細は書けませんが請求書を起す事を私がためらっていたのは事実です、ですがY様のお話を聞いている内に心の整理がつきましたので本日請求書をお送り致しました。
本来なら製作前に見積書をお送りして製作に取りかかるのですが製作が完成しても心に引っ掛かる部分が有りまして結果少し苦しい製作となったかもしれません、しかし製作中にはそんな事は書けませんでした。
本日心の整理が出来てこの件が書けましたが製作の理由も締め切りも合わせて正直の所苦しかったですね(苦笑)
私の仕事など些細な物ですが色々有る物ですね。


本日はハインケルでもブルーバードの製作でもありません。
裏作の部品を作る準備をしておりました。
裏作は塗り直しですので完成した物を一度分解して塗り直しもう一度組み立てますが分解時に全ての部品が綺麗に外れる訳では有りません、外す時に使えなくなってしまう物も多々有りますので、そうした物は作り直す事になります。
本日はバキュームパーツの作り直しになります。
アルミ板で原型を起しても良かったのですがかなり探して同じキットを入手する事が出来ましたのでそのキットからパーツを複製致します。
バキュームパーツを厚紙の底にマスキングテープで固定致します。


この様な作り方をした時は真空注型装置は使いません真空にするとバキュームの下にも空気が有りますのでバキューム自体が変形したり下側にもシリコンが入り込んだりします。
こんな場合は真空を使わず混ぜて流すだけのウェーブのシリコンを使ってメス型をとります。


流し込むと空気の泡が上がって来ます。完全硬化まではかなりの時間がかかりますのでその間に空気はある程度抜けてしまいます。
複雑な形状の物には使えませんが単純な物なら何ら問題は有りません。


シリコンが硬化すると型を分解してシリコン型の凹みにレジンを流し込んでバキューム型にします・・・しかし頭の良い方ならすぐにわかりますがこれだとパーツの外側がバキューム型になりますので少し大きくなってしまいます。
今回の場合は削ってカバーの厚みの部分で接着致しますので小さいと問題ですが大きいのは削って合わせますので問題ないですね。

他の作業と言えばハインケルの次がブルーバードその次の製作はマセラティバードケージ(新しいやつの方)のフルディティールのフル開閉モデルの予定(まだお客様に確認していないので予定です)ですが頂いた画像資料をスキャンしていくつかは印刷し3Dデータを起して頂く為に発送します。
これはかなり高度な物になりそうでお客様にはヨウモデリの物を原型に使って製作予定でしたが作らないといけない物が多すぎる事また左右均等にしないといけない部分が多いので新たに切削して作る方が良いかもしれないと判断しています。ですから作り方が今までの様にボディ自体はキットを流用、中身を作り直すというパターンでない作り方になると思います。
もう計画は走り始めておりますのでお客様にキャンセルされてしまったりすると行き場所が無くなってしまうのですが万が一そうなってもこの車種なら買って頂ける方はおられるように思うので自己責任で出発進行ですね。
私が考える方法で本当に作れるのか検討してOKならお客様に連絡を取ってみるつもりです。
奈良のH様今しばらくお待ち頂けます様お願い致します。

他にもスタッフの昼食用を兼ねて夏の冷たいパスタメニューでフレッシュトマトの海鮮パスタを試作したりしておりました。昨年から始めたとなりの畑に行ってまだ小さなバジルの葉っぱを2~3枚調達して使用しましたがこんな時にはなかなかフレッシュで便利ですね。
今日は少し涼しかったので気温的には余り合わないのですが・・・Cafeの仕事的には季節を先取りして試作をしなければシーズンに間に合わない事情も有りますので仕方ないですね。

こんな雑用をしていると一日の時間がすぐに経過してしまいますね。

Bluebird1933制作準備です

2012-05-28 14:26:48 | Bluebird 1933
本日の島根は薄曇りというか晴れているけど霞みがかかっていて青空がよく見えない天気ですね。
まあ普通の月曜日と言ったおもむきですね。
風は意外と涼しく過ごしやすい・・・。

そんな中Bluebird1933の制作準備をしております。
Bluebird1933の専門書というのは無いらしくスピードブレーカー系の洋書の中に少しずつ出て来る程度なのでご依頼者の方から5冊の洋書とご自分で調べられた資料のコピー等々を送って頂いているのでそれを見やすい様に並べています。
また洋書は厚い本のごく一部なのでスキャナーで取り込んでプリンターで印刷しその度に洋書を開かなくても良い様にしておきます。
長い製作期間がかかってしまうと洋書も製本が傷んだり変色したりするのをなるべく防ぐ為です。
まあお借りしている物なので当然の配慮です。


使用するエンジンを1/32のプラモデルと決めておりますのでそのキットから部品を外して仮組をしてみました。接着はクリアーボンドで分解する時にはエナメルシンナーを流して接着を解除します。
部品を抜いたプラモデルの為にタミヤのアフターサービスに同じ部品を注文しておきました、注文したのは昨日なのでまだ返事が無いのですが・・・一応キットを潰してしまう訳にはいかないので・・・昭和生まれなので『すぐに勿体無い』と思ってしまいます。


さすがにプラモデルですね良いモールドです。
手で持っている側は飛行機ではコクピット側、反対側はプロペラが付いている方になりますが、クランクの前側で減速してプロペラに伝えている様ですがBluebird1933ではコクピットが右側にオフセットしていて左側にミッションやデフが寄っているのです。
なのでプラの部品を加工して左に出力の取り出しを動かしてみました。この時点でやはり1/32は大きい事が確定しました。
この出力の取り出し軸の部分がどう考えてもシャーシに当たってしまうのです。


パンドラモデルのキッットや実車画像、透図のイラスト、プラモデルのエンジンとうとう全ての資料を突き合わせて寸法を出してみます。
こんな場合はきちんとした図面を引くのが一番良いのですがグラフ用紙にポイントになる部分を書き込んで理解して行くのが早道ですね。
全ての数字を頭で理解するのはかなり大変なのですから・・・。
この時点でおおまかにでもその形状を完全に理解しておきます。
今の時点でプラモデルのエンジンは74%程に縮小しないといけない事がわかりましたこれくらい小さくないと図面上のシャーシには入らないのです。

今日は更新が早いですよ(笑)

2012-05-27 09:23:15 | Heinkelキャビンクルーザー
本日は日曜日なのでご来店が多いかもしれないという心配から更新を早めにする事に致しました。
ところで、煙霧消毒をご存知でしょうか?
住宅の床下換気口から殺虫成分の液体を霧化させた物を入れて床下に潜む害虫を駆除する物なのですが・・・当アトリエは田舎に有るので未だにこの煙霧消毒が有りまして本日、ご近所では煙霧消毒の真っ最中と言った感じです。
私が住んでいるのは街中の方ですので私の小さい時にはこの煙霧消毒をしておりましたが最近はほとんど見ないですね。
実はこの音が嫌でしてね~何となく不安になる音なんですよ・・・。
子供の頃はこれが有ると半日くらい家に入れなかったからそのせいも有るのですが・・・。
アトリエの有るところは本当に田舎なんですよ・・・(笑)

さて制作ですがコクピット後部の隔壁を直します。
問題点は実際に取り付けた場合にボディとの隙間が大きく空いていてどうにも隔壁になりません、一段下がった部分は真鍮板をハンダ付けして大きくします。その後の丸いアーチを描く部分は1.0mmの真鍮角線をバーナーであぶって焼き鈍ししておいてRに合わせて曲げます。
そしてハンダ付けですね。


シートはどうしようかと考えるのですが・・・実は資料画像の中に興味深い画像を見つけました。
このシートの下側にはスペアタイヤが収まっているのです、そしてこのシートは公園のベンチの様に左右の華奢な足によってフロアパンに取り付けられているのです。キットの物はどちらかと言えば足のほとんど無いソファーの様な形状なのでどうしてもこれを再現したかったのです、特に前面のドアを開けれその部分が丸見えになってしまいますからこの部分の作り替えは大事だと思うのです。
まずはシートのクッション側の厚みを調整する為に真鍮線を芯にメタルを盛ります。


次にシートのへたりを付けてみました。
このハインケルという車は低所得者向け?の移動手段から始まった物(今はファッションとか趣味の対象となっていると思われます)なのでシートは薄く耐久性もそれほど良い物では無いと思われます。
従って同じ部分に座るとお尻の形状に凹みが付いてしまう事が良く有ります、使用感を出す為にこのへたりを表現してみました。
リューターにシリコンポイントをくわえて少しずつ削ってやります。
背中が当たる部分ももちろん削ります。背中はお尻程強く当たらないので削り量はお尻を大きく背中を少なめにですね。


汚い指で申し訳有りません、どなたでも経験が有ると思いますがメタルの整形をしていますと指が真っ黒になってしまうのです。
シートの足を作ってみました。
形状はよくわからないのですが公園のベンチの様な形状をしています。
如何でしょうか?


ここでシートを付けてみたい気持ちをじっと我慢して前から少し気になっていたドアの下側のエプロンの形状を直してみます。
実車画像で正面から見た時にドアの下側に少しだけエプロンが見えているのですがキットではほとんど無い状態でしてここに少しだけ真鍮線をハンダ付けしてエプロンを付け足してみました。ドアを付けた時にこれでずっと良い顔つきになってくれればと思います。
注意点はボディ下側の補強になっている真鍮角材をボディから離れない様にして下さい、メタルが溶けて外れると最悪の結果を招きますからね(笑)


シャーシ側の無駄な穴もメタルで塞いで研磨しておきます。
シートを付ければこの通り・・・。あと難しいのはステアリングの角度とかウインドの取り付けとかサスペンションなどを含めた足回りの位置決めでしょうか・・・。

ン~隣の芝生は青い・・・か!?

2012-05-26 22:01:02 | Heinkelキャビンクルーザー
毎日PCの傍らで仕事をしていますと他の方のブログを読んで色々考える事があります。
自分の調子が良い時には何も感じないのでしょうが、自分の調子が良く無い時に読むと『隣の芝生は青い』を実感する事が多いですね。
まあ誰でも同じ様な事は思い当たる事があるでしょう。
人のことが羨ましく見えたり自分のしていることが巧くいかなかったり・・・
もしもそんな文章を見つけたら、ア~この方は少し調子が良く無いようだね~。
『地道に頑張ればまた良いこともあるんじゃない?』と励ましてあげてください(笑)
今の私はそう調子が良く無い訳じゃないからそんな気持ちにもなってしまいます。
でもよく考えると、私は私のやり方をするしか無いかな・・・誰の作品を欲しいのか決めるのはお客様なのですからね、中庭の青い芝生を見てそんな気分になりましたよ~。

さてさて本日の製作は・・・
昨日シャーシの後ろ側を切り取ってしまいました、「もう元には戻れません」と書いたらみのもんたさん司会のクイズ番組を思い出したと友人に言われてしまいました。
切り取った部分にリアのサスペンションを取り付ける為の壁を作らないといけませんね、複雑な形状ではサスペンションの取り付けが困難になりますので単純な形状に致しました。


シャーシの後ろ側を切ったのでボディ後部に有るボディ側のネジを止める部分の盛り上がりを削り取ってしまいます。小のステーが有るとリアタイヤが当たってしまいますから・・・。
この部分を自然な表現にしたいのでシャーシを切ったのですからステーを削るのは極当たり前のことですね。


本日は他の作業も進めております。
ピレリP7のご注文を頂きましたので朝からタイヤの製作をしております、ところがここで痛恨のミスです。
黒い樹脂と硬化剤と軟化剤を入れて混合してゴムの様な樹脂にするのですが混合する時点で硬化剤と軟化剤を間違えて混合した様でいくら加熱しても硬化しないのです・・・まあ当たり前ですよね。
シリコン型共々廃棄処分になってしまいました。


仕方ないのでもう一度シリコン型を作ります。
幸いにしてレジン製の2次原型は保管しておりましたので他の型取り物品と共に作業をいたします。


シリコンは1kgを主剤と硬化剤を混ぜます。
シリコンは意外と粘度が高く硬い印象ですが硬化剤は少しサラサラで隅から隅まで混合するのはなかなか力仕事ですね。しかも透明なので混ざったのか混ざっていないのかよくわからないのです。
バケツに対してシリコンが少ないように思われた方、よく見てますね~(笑)


10分も混ぜたでしょうか・・・混合が悪いと硬化不良が出ますのでここは慎重に混ぜます。
次に1次脱泡です。
この時に硬化剤を混ぜ込んだ時に気泡が沢山入っていますので真空になると大きく泡立ちますので大きめのバケツで作業を行う訳ですね。
吹きこぼれそうになると何度かエアを解放して泡を潰し皿に真空に致します。


タイヤの原型にシリコンを流しました。
この中に入っている2次原型は最初の1次原型からシリコン型を作りレジンで何個も抜いた物で2次原型になります。
一度に何個も作りたいのでこんな事をする訳です。
ちなみに1回で2.5台分くらいはタイヤを作る事が出来ます。




さて次の制作ですね

2012-05-25 19:44:04 | Heinkelキャビンクルーザー
先日新しいカテゴリーを追加した事にお気づきの方は少ないかもしれませんね。
そのカテゴリーは1933年のBiuebirdですが他にも制作途中になっていたにもかかわらずまだカテゴリーを追加していなかった物が有りましたね。
本日追加したカテゴリーはその作品でしてHeinkelキャビンクルーザーと言います。
キャビンクルーザーの部分がカタカナなのは文字数が20文字以内でしてどうしても途中で切れてしまうからです、ちょっと格好が良くないですが悪しからずご了承下さい。
ブルーバードの方はご依頼者の方に本日最終確認をさせて頂きました続行という事ですので少し調査をしてから制作開始という事になります。
まずは先行してHeinkelの方を進めさせて頂きます。
さて途中になっていましたので今までの制作を思い出さなければなりません、いくらプロでもずっと覚えている訳では有りません(笑)
覚えるという事は何か必要ない物を忘れるという事ですからね・・・(爆笑)

一番最初に行なった事はボディの内側に四角な妙な出っ張りが有りましたのでそれを削ります。
実車画像を見ても無いので多分要らないかな~!?


ソウコウしているうちに序々に思い出して来ましたよ。
この車は前2輪後1輪の3輪車なので前は普通の様にタイヤを決めれば良いのですがリアは少し考えなければなりません。
キットの後輪は半分しか無いのです。
またこのキッットはタイヤがメタル製でして後のタイヤが半分しか表現されていないのもメタルのタイヤだからこそなせる技なのです。
しかしそれでは得意のゴムタイヤでの表現が出来なくなります。
構造的に難しいのはこのリアタイヤの部品の陰にシャーシとボディを結合するビス穴が付けてあるのです。
どうやら固定方法を変えないと後輪の部分を再現出来ないですね。
またこの車はキャビンの中の大部分が見えてしまう構造なので(しかもドアを開閉すればもっと良く見えます)ビス穴を隠す部分が余り有りません。
仕方ないので1mmの真鍮板を使って固定用のステーをボディ側に取り付けます。
そのステーを切り出してねじ切りをしております。
簡単にするならナットをハンダ付けするのですがナットも結構見えてしまいますので厚めの真鍮板を使いボディ剛性を確保しながら直接タップを立ててナットを使わずにネジ止めが出来る様に致します。


ハンダ付けを致しました。
取り付け位置はベンチシートの下の部分です。


シャーシをボディに合わせると1mm程の隙間がシャーシの全周に渡って空いてしまいますので0.8mmの真鍮角線をハンダ付けして隙間を埋めてゆきます。


リアのタイヤをゴム製にする為にはキットの様に半月上ではなく正円にしなければなりません、そうするとタイヤの入る部分のシャーシをかっとして空けておかなければなりません・・・シャーシをカットしました。


あ~、もう元には戻れません・・・(笑)