皆様、メリークリスマス!!
今年は新型コロナ大流行のせいでミス・メリーが来日出来ず、彼女から届く手紙を読み上げる形で、クリスマス雑学講座を開講しております。
ネット時代にそぐわぬアナログ手法で済みませんが、一時クリスマスに纏わる話とクリスマスソングを楽しんでください。
では、ミス・メリーから届いた第2回目のクリスマス記事を読みましょう。
『皆、メリークリスマーース♪♪
新型コロナ大流行のせいで外遊びに出られずつまんないわね。
けど、今夜は聖クリスマス、キリスト教国では静かに祈りを捧げる日。
この際キリスト教徒に倣って、メリー、世界の平和とコロナ禍終息を祈るわ。
さて第2夜目に紹介する世界のクリスマス・スイーツは、オーストリアのバニラ・キッフェルン。
キッフェルンはドイツ語で三日月の意味、写真の通り白い三日月型をしたバニラ風味のクッキーが、オーストリア定番のクリスマス・スイーツなんですって。
薄力粉にヘーゼルナッツパウダーやコーンスターチ等を混ぜ合わせ焼いた生地は、口の中で淡雪の如くほろほろっと崩れるの。
去年紹介したスペイン伝統クリスマスクッキーのポルボロンや、アメリカでスノーボールと呼ばれるアーモンドプードル入りクッキーに似た食感よ。
生地にナッツパウダーを混ぜて焼く作り方から見て、挙げた3種のクッキーのルーツは同じなのかもしれないわ。
ところでキッフェルンが三日月型をしてるのには、こんな理由が有ってね……
1683年、神聖ローマ皇帝の居城が在ったウィーンはオスマン帝国軍に包囲されるも、反オスマンを掲げ結集した中央ヨーロッパ諸国連合軍が、それまで無敵だったオスマン帝国軍を初めて撃破。
ウィーンは歴史的勝利を収めた記念に、オスマン帝国の象徴である三日月を模り菓子を拵えた――ていうのがキッフェルンの由来ですって。
諸説有るけど…でも敵の象徴を食べてしまえってのは、気持ちとして理解出来るわね。
プロ野球で例えるなら、福岡ソフトバンクホークスのファンが、ロッテ戦を前にコアラのマーチを食べるみたいな?(笑)
ちなみに、オーストリアからフランスに嫁いだマリー・アントワネットが、祖国の菓子キッフェルンを懐かしんでシェフに作らせたのが三日月型のパン、クロワッサンの始まりと云われてるわ。
この時クロワッサンを焼いたパン職人がデンマーク人だった為に、デニッシュ生地で焼く様になったとか。
バニラ・キッフェルンに話を戻して…日本で買うならドイツ菓子店やドイツ風カフェを当たれば良いんじゃないかしら?
日本人はドイツ・オーストリアの文化に強く憧れてるから、探せば結構見付かると思うわ。
何処の店で入手するかは、ここのブログ主にお任せして、そろそろ2曲目のクリスマスソングを紹介しましょ。
1818年12月25日、オーストリア郊外に建つ小さな聖ニコラウス教会で誕生した――Silent Night(きよしこの夜)♪
ヨゼフ・モールの詞に、フランツ・クサーヴァー・グルーバーが曲を付けて完成した聖歌は、クリスマスに起きた奇跡と呼ばれてるの。
歌う貴方にも奇跡が有らん事を…。
今夜はここまで、また明日も楽しくクリスマス・ソングを歌いましょ♪』
――以上、メリーさんからのお手紙でした。
それではこちらを参照しながら、紹介頂いたクリスマス・ソングを歌う事に致しましょう。
Silent night, holy night♪
All is calm, all is bright♪
Round yon Virgin, Mother and Child♪
Holy infant so tender and mild♪
Sleep in heavenly peace♪
Sleep in heavenly peace♪
Silent night, holy night♪
Son of God love's pure light♪
Radiant beams from Thy holy face♪
With dawn of redeeming grace♪
Jesus Lord, at Thy birth♪
Jesus Lord, at Thy birth♪
キッフェルンについてですが…トルコに「ロクム」と呼ばれる、砂糖にデンプンとナッツを加えて作る伝統菓子が在りまして、これが恐らくキッフェルン系のクッキーやヌガーやマジパンの先祖に当たるんではないかと自分は考えています。
食感は餅の様な弾力らしいのですが、19世紀になるまでロクムにはデンプンの代わりに小麦粉を用いて作られてたとの事、小麦粉に砂糖にナッツといった材料で作られる点が共通してると感じませんか?
つうか世界に伝わる菓子の大半がトルコ起源だと云われてるそうです。
沖縄のちんすこうもルーツを辿ればトルコに行き着くかと。
オスマン帝国との長き争いは、西欧に東方の文化をもたらした側面も有るそうで、同じ頃に珈琲もトルコからウィーンに伝わったそうです。
今と反対で、昔はイスラム国の方が文化進んでたんだなと。
↑さて、ミス・メリーから入手を依頼されたバニラキッフェルンですが、茗荷谷駅近くの「KNETEN(クネーテン)」と言う喫茶店で売ってるのを見付けました。
店名の「KNETEN(クネーテン)」は、「手で捏ねる、混ぜる」を意味するドイツ語だそうで、販売している菓子はドイツ風の物が多かったです。
バニラキッフェルンはオーストリアだけでなく、ドイツでもクリスマス・シーズン中によく食べられるとの事。
オーストリアとドイツは歴史的に双子の様な関係で、民族・言語ともほぼ同じです。
その為、習慣や文化に共通点が数多く見られます。
ちなみにポルボロンについては、こちらの記事をお読みください。
【続】
今年は新型コロナ大流行のせいでミス・メリーが来日出来ず、彼女から届く手紙を読み上げる形で、クリスマス雑学講座を開講しております。
ネット時代にそぐわぬアナログ手法で済みませんが、一時クリスマスに纏わる話とクリスマスソングを楽しんでください。
では、ミス・メリーから届いた第2回目のクリスマス記事を読みましょう。
『皆、メリークリスマーース♪♪
新型コロナ大流行のせいで外遊びに出られずつまんないわね。
けど、今夜は聖クリスマス、キリスト教国では静かに祈りを捧げる日。
この際キリスト教徒に倣って、メリー、世界の平和とコロナ禍終息を祈るわ。
さて第2夜目に紹介する世界のクリスマス・スイーツは、オーストリアのバニラ・キッフェルン。
キッフェルンはドイツ語で三日月の意味、写真の通り白い三日月型をしたバニラ風味のクッキーが、オーストリア定番のクリスマス・スイーツなんですって。
薄力粉にヘーゼルナッツパウダーやコーンスターチ等を混ぜ合わせ焼いた生地は、口の中で淡雪の如くほろほろっと崩れるの。
去年紹介したスペイン伝統クリスマスクッキーのポルボロンや、アメリカでスノーボールと呼ばれるアーモンドプードル入りクッキーに似た食感よ。
生地にナッツパウダーを混ぜて焼く作り方から見て、挙げた3種のクッキーのルーツは同じなのかもしれないわ。
ところでキッフェルンが三日月型をしてるのには、こんな理由が有ってね……
1683年、神聖ローマ皇帝の居城が在ったウィーンはオスマン帝国軍に包囲されるも、反オスマンを掲げ結集した中央ヨーロッパ諸国連合軍が、それまで無敵だったオスマン帝国軍を初めて撃破。
ウィーンは歴史的勝利を収めた記念に、オスマン帝国の象徴である三日月を模り菓子を拵えた――ていうのがキッフェルンの由来ですって。
諸説有るけど…でも敵の象徴を食べてしまえってのは、気持ちとして理解出来るわね。
プロ野球で例えるなら、福岡ソフトバンクホークスのファンが、ロッテ戦を前にコアラのマーチを食べるみたいな?(笑)
ちなみに、オーストリアからフランスに嫁いだマリー・アントワネットが、祖国の菓子キッフェルンを懐かしんでシェフに作らせたのが三日月型のパン、クロワッサンの始まりと云われてるわ。
この時クロワッサンを焼いたパン職人がデンマーク人だった為に、デニッシュ生地で焼く様になったとか。
バニラ・キッフェルンに話を戻して…日本で買うならドイツ菓子店やドイツ風カフェを当たれば良いんじゃないかしら?
日本人はドイツ・オーストリアの文化に強く憧れてるから、探せば結構見付かると思うわ。
何処の店で入手するかは、ここのブログ主にお任せして、そろそろ2曲目のクリスマスソングを紹介しましょ。
1818年12月25日、オーストリア郊外に建つ小さな聖ニコラウス教会で誕生した――Silent Night(きよしこの夜)♪
ヨゼフ・モールの詞に、フランツ・クサーヴァー・グルーバーが曲を付けて完成した聖歌は、クリスマスに起きた奇跡と呼ばれてるの。
歌う貴方にも奇跡が有らん事を…。
今夜はここまで、また明日も楽しくクリスマス・ソングを歌いましょ♪』
――以上、メリーさんからのお手紙でした。
それではこちらを参照しながら、紹介頂いたクリスマス・ソングを歌う事に致しましょう。
【Silent Night(きよしこの夜)】
Silent night, holy night♪
All is calm, all is bright♪
Round yon Virgin, Mother and Child♪
Holy infant so tender and mild♪
Sleep in heavenly peace♪
Sleep in heavenly peace♪
Silent night, holy night♪
Son of God love's pure light♪
Radiant beams from Thy holy face♪
With dawn of redeeming grace♪
Jesus Lord, at Thy birth♪
Jesus Lord, at Thy birth♪
キッフェルンについてですが…トルコに「ロクム」と呼ばれる、砂糖にデンプンとナッツを加えて作る伝統菓子が在りまして、これが恐らくキッフェルン系のクッキーやヌガーやマジパンの先祖に当たるんではないかと自分は考えています。
食感は餅の様な弾力らしいのですが、19世紀になるまでロクムにはデンプンの代わりに小麦粉を用いて作られてたとの事、小麦粉に砂糖にナッツといった材料で作られる点が共通してると感じませんか?
つうか世界に伝わる菓子の大半がトルコ起源だと云われてるそうです。
沖縄のちんすこうもルーツを辿ればトルコに行き着くかと。
オスマン帝国との長き争いは、西欧に東方の文化をもたらした側面も有るそうで、同じ頃に珈琲もトルコからウィーンに伝わったそうです。
今と反対で、昔はイスラム国の方が文化進んでたんだなと。
↑さて、ミス・メリーから入手を依頼されたバニラキッフェルンですが、茗荷谷駅近くの「KNETEN(クネーテン)」と言う喫茶店で売ってるのを見付けました。
店名の「KNETEN(クネーテン)」は、「手で捏ねる、混ぜる」を意味するドイツ語だそうで、販売している菓子はドイツ風の物が多かったです。
バニラキッフェルンはオーストリアだけでなく、ドイツでもクリスマス・シーズン中によく食べられるとの事。
オーストリアとドイツは歴史的に双子の様な関係で、民族・言語ともほぼ同じです。
その為、習慣や文化に共通点が数多く見られます。
ちなみにポルボロンについては、こちらの記事をお読みください。
【続】