kotoba日記                     小久保圭介

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夏は終わった

2020年09月28日 | 生活詩
  


夏は終わった
何かを持ち去って

夏は終わった
思い出の夏

夏は終わった
いとおしい日々

夏は終わった
あの夜の
激しい雨

秋が来た
きれいな季節
枯れ葉の茶
彼岸花の赤
空の青
川の亀
風の涼しさ寒さ
静かの季節


しばらくしたら
冬が来るだろう
未来ぶった顔をして

そして春が来ると思うのだ
そのころ
希望や夢など一切語らず
ただ
生態系は
獰猛な欲望を剥き出しにして
生き残るためにのみ
成長の始まりをいっせいに芽吹かせて
露骨な欲望に
人は
始まりと希望と夢を託すのだ

希望や夢は
毎日芽吹いているというのに
人はそれに気づかず
日々の疲れに打たれて
沈んで眠る

人よ
生きよ
草木に習って
人よ
生きよ
草木に反して

誰かのために
自分を思わず
誰かのためを思っていれば
きっと毎日は
春の連続
草木の緑より
花より
美しくなるために
人よ
他と在れ



夏は終わった
わたしのため
あなたのために
記憶だけを
束の間
残して
そして
いずれ
何もかも
消えてゆく


刹那
そこがふるさと








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