晴
風
強し
朝
二度寝して
快楽を得る
二度寝って
何故こんなに
気持ちいいのだろう
二度寝で体
復活
体の冷えを感じ
湯にゆく
モトヒロ君から
LINE届く
LINE開通
元気?
元気です
それだけのことだけれど
久しく会っていない
モトヒロ君と
バーチャルでも繋がっている嬉しさ
渥美半島の真ん中あたり
福江という街に
父の実家があった
夏休み
よく行った
いとこのモトヒロ君は
「やあやあ」と
言った
笑った
子供の時
朝早くに起きて
夏
少し遠くの場所まで自転車で行って
蜜を塗った木に
カブトムシとクワガタムシがいて
つかまえた
あの時の夏
僕たちは
いつも真っ黒で
ランニングシャツを着て
麦わら帽子をかぶり
伊良湖岬の海まで行って
泳いだ
海水浴場は
湾の外側にあった
フェリーが湾に入ってくる
方向転換をして
湾に入る
ずっと遠くに
フェリーが見え
僕らはワクワクした
フェリーが来ると
波が来るのだ
それが浮き輪で遊んでいる
僕たちのところまで
波がくるのだ
それがたまらんのだった
ホバークラフトが
着岸するのを
ワクワクして見入った
湾の船着き場
海を見ると
クラゲがたくさん
小魚がたくさん
歩いて
山を行くと
外海に出て
波の高さと
海の広さが半端ない
伊良湖水道
たくさんの貨物船が往来していて
遠くそれは白く見えた
外国船だと判った
砂浜を行き
時にはたくさんの人と混じって
地曳網をした
小舟が二艘
凄い波の中をどんどん
沖までゆく
地曳網をかけているのだそう
しばらくして
二艘が戻ってくる
浜で網を巻く
木でできた
道具を
みんなで回して
地曳網をひく
これがたいそう
力がいる
それはそうだ
太平洋の荒波
明るい海
黒潮の中から
網を引っ張るのだから
どんどん引っ張り
網にたくさんの魚が
いる
圧涛Iに
サバが多かった
白昼
炎天下
浜でまな板と包丁が出現して
誰かが
サバをさばいて
「たまり」という名称を始めて耳にして
たまりにつけて
とれたてのサバを食うた
それはうまかった
モトヒロ君はいつも無口で
僕は安心していた
なんとなく気があって
いつもいっしょに遊んでいた
海水浴から戻ると
内風呂に入り
体が塩まみれで
日焼けしていたので
もの凄く痛かった
夜は蚊帳の中で寝た
定番のスイカも食べた
台風が来た時もあった
田舎の父の実家
雨戸を閉められ
台風の音を聞いた
浮ュなかった
大人たちが浮ェっていなかったから
そんな夏の日々
夜
外に出ると
満天の空
星があんなにたくさんあることを
知った
猫がたくさんいて
祖母は僕たちを見て
笑った
兄ももちろん一緒に
記念写真もたくさん
父と海水浴をする写真も
めったに見ないアルバムは
今はどこかにあるだろう
バスに乗って
突堤まで行き
あちこちをぶらぶらした
経営していた
丘の上の売店
年上のいとこ
まりちゃんたちが作った
カレーライスを
海水パンツのまま
泳いだあとに
食うた
そのおいしかったこと
子供らの僕たち
横で年頃のお姉さん二人が
休憩していて
僕らのカレーライスを見て
「おいしそう」
と笑った
僕もモトヒロ君も
愛想笑いなぞしない
知らんぷりして
食うた
目前の道路を挟んで
向こう側が
フェリー乗り場
段差が続き
船着き場
小舟もたくさん
祖父は船乗り
グレイのひさしがついた帽子
⚓のマークが入っている帽子
年を食うた時は
フェリーや
水中翼船の綱を引っ張り
着岸させる仕事をしていた
僕やモトヒロ君とおなじく
祖父は小柄で
無口
三人とも
あまり多くは話さない性分
愛想笑いもしない
ただ
いつも不思議に笑顔だった
どうしてだろうか
いつも僕らは
自然な笑顔が絶えなかった
ある日
船着き場へ降りる段差の道を
モトヒロ君と僕と三人で歩いていて
祖父が立ち止まり
ャpイみたいに
両腕を出し
力こぶを見せて笑った
そして「つかまれ」
と僕たちに言う
僕とモトヒロ君は
祖父の両腕にぶら下がり
祖父は僕らを宙に浮かせて
笑った
僕らは祖父より
もっと
歓喜した
ある日
モトヒロ君と
草の山道を行くと
海に出て
テトラャbトが積まれ
舟虫がたくさんごぞごぞしていた
そんな中を僕らはテトラャbトをまたぎ
どんどん歩いていって
遊んだ
僕らの足先には
無数の舟虫たちが
ごぞごぞしていた
けれど
僕らのゴムぞうりが進むと
ざざっと
舟虫たちが逃げた
たのしかった
海の匂いの中
テトラャbトの間から
下の海水が見える
今考えたら
あぶない遊びだったかもしれないけれど
僕らは
気にしない
風も吹いていただろう
波の音もしていただろう
遠くに貨物船が見えた
どんなにしても
それに乗ることはできない
そう思ったから
夢が発生した
モトヒロ君は
存在のうるさくない
いっこ上
「元気?」
「元気です」
と
モトヒロ君は
言った
風
強し
朝
二度寝して
快楽を得る
二度寝って
何故こんなに
気持ちいいのだろう
二度寝で体
復活
体の冷えを感じ
湯にゆく
モトヒロ君から
LINE届く
LINE開通
元気?
元気です
それだけのことだけれど
久しく会っていない
モトヒロ君と
バーチャルでも繋がっている嬉しさ
渥美半島の真ん中あたり
福江という街に
父の実家があった
夏休み
よく行った
いとこのモトヒロ君は
「やあやあ」と
言った
笑った
子供の時
朝早くに起きて
夏
少し遠くの場所まで自転車で行って
蜜を塗った木に
カブトムシとクワガタムシがいて
つかまえた
あの時の夏
僕たちは
いつも真っ黒で
ランニングシャツを着て
麦わら帽子をかぶり
伊良湖岬の海まで行って
泳いだ
海水浴場は
湾の外側にあった
フェリーが湾に入ってくる
方向転換をして
湾に入る
ずっと遠くに
フェリーが見え
僕らはワクワクした
フェリーが来ると
波が来るのだ
それが浮き輪で遊んでいる
僕たちのところまで
波がくるのだ
それがたまらんのだった
ホバークラフトが
着岸するのを
ワクワクして見入った
湾の船着き場
海を見ると
クラゲがたくさん
小魚がたくさん
歩いて
山を行くと
外海に出て
波の高さと
海の広さが半端ない
伊良湖水道
たくさんの貨物船が往来していて
遠くそれは白く見えた
外国船だと判った
砂浜を行き
時にはたくさんの人と混じって
地曳網をした
小舟が二艘
凄い波の中をどんどん
沖までゆく
地曳網をかけているのだそう
しばらくして
二艘が戻ってくる
浜で網を巻く
木でできた
道具を
みんなで回して
地曳網をひく
これがたいそう
力がいる
それはそうだ
太平洋の荒波
明るい海
黒潮の中から
網を引っ張るのだから
どんどん引っ張り
網にたくさんの魚が
いる
圧涛Iに
サバが多かった
白昼
炎天下
浜でまな板と包丁が出現して
誰かが
サバをさばいて
「たまり」という名称を始めて耳にして
たまりにつけて
とれたてのサバを食うた
それはうまかった
モトヒロ君はいつも無口で
僕は安心していた
なんとなく気があって
いつもいっしょに遊んでいた
海水浴から戻ると
内風呂に入り
体が塩まみれで
日焼けしていたので
もの凄く痛かった
夜は蚊帳の中で寝た
定番のスイカも食べた
台風が来た時もあった
田舎の父の実家
雨戸を閉められ
台風の音を聞いた
浮ュなかった
大人たちが浮ェっていなかったから
そんな夏の日々
夜
外に出ると
満天の空
星があんなにたくさんあることを
知った
猫がたくさんいて
祖母は僕たちを見て
笑った
兄ももちろん一緒に
記念写真もたくさん
父と海水浴をする写真も
めったに見ないアルバムは
今はどこかにあるだろう
バスに乗って
突堤まで行き
あちこちをぶらぶらした
経営していた
丘の上の売店
年上のいとこ
まりちゃんたちが作った
カレーライスを
海水パンツのまま
泳いだあとに
食うた
そのおいしかったこと
子供らの僕たち
横で年頃のお姉さん二人が
休憩していて
僕らのカレーライスを見て
「おいしそう」
と笑った
僕もモトヒロ君も
愛想笑いなぞしない
知らんぷりして
食うた
目前の道路を挟んで
向こう側が
フェリー乗り場
段差が続き
船着き場
小舟もたくさん
祖父は船乗り
グレイのひさしがついた帽子
⚓のマークが入っている帽子
年を食うた時は
フェリーや
水中翼船の綱を引っ張り
着岸させる仕事をしていた
僕やモトヒロ君とおなじく
祖父は小柄で
無口
三人とも
あまり多くは話さない性分
愛想笑いもしない
ただ
いつも不思議に笑顔だった
どうしてだろうか
いつも僕らは
自然な笑顔が絶えなかった
ある日
船着き場へ降りる段差の道を
モトヒロ君と僕と三人で歩いていて
祖父が立ち止まり
ャpイみたいに
両腕を出し
力こぶを見せて笑った
そして「つかまれ」
と僕たちに言う
僕とモトヒロ君は
祖父の両腕にぶら下がり
祖父は僕らを宙に浮かせて
笑った
僕らは祖父より
もっと
歓喜した
ある日
モトヒロ君と
草の山道を行くと
海に出て
テトラャbトが積まれ
舟虫がたくさんごぞごぞしていた
そんな中を僕らはテトラャbトをまたぎ
どんどん歩いていって
遊んだ
僕らの足先には
無数の舟虫たちが
ごぞごぞしていた
けれど
僕らのゴムぞうりが進むと
ざざっと
舟虫たちが逃げた
たのしかった
海の匂いの中
テトラャbトの間から
下の海水が見える
今考えたら
あぶない遊びだったかもしれないけれど
僕らは
気にしない
風も吹いていただろう
波の音もしていただろう
遠くに貨物船が見えた
どんなにしても
それに乗ることはできない
そう思ったから
夢が発生した
モトヒロ君は
存在のうるさくない
いっこ上
「元気?」
「元気です」
と
モトヒロ君は
言った