シュトゥットガルト国立音楽大学およびザルツブルク・ モーツアルテウム国立音楽大学修士課程首席卒業。
第25 回サレルノ国際ピアノコンクール第1 位併せて最優秀ドビュッシー演奏賞受賞、
第10 回シューベルト国際ピアノコンクール第2 位、第9 回ブラームス国際音楽コンクール第2 位、
第1 回アントン・ルービンシュタイン国際ピアノコンクール第3 位に入賞。オーストリア政府よりヴュルディグング賞を受賞。
錚々たる音楽暦だが、最近の日本人の音楽家の腕前は、”超円高”と同じくらい。ピアノだけでなく、世界的なコンクールのファイナルに日本人の名前を見ることがないくらいだ。そしてよくみかける”世界的な”という形容詞にも幅広い解釈をすれば誇張がない。この優れた経歴をもつピアニスト、今川裕代さんもこれまでつい最近までザルツブルクに住んでいらしたそうで、主な活動拠点は海外だった。そのためか、日本ではまだ知られていないが、実力だけでなく素敵な音楽性をもっている。そんな今川さんのリサイタルは、クララ、シューマン、ブラームスをとりあげて、ご存知、親密で信頼関係で結ばれた三人の間に流れる敬愛や情念、愛情を演奏するという「ロベルト―クララ―ヨハネス 音楽で結ばれた絆」がテーマーだ。
プログラムにわかりやすいHISTORYが掲載されていて、ブラームスがシューマン夫妻と出会ったのは1853年、シューマンが亡くなったのが1856年と3人の交際期間は思っていたよりもとても短かい。しかし、彼らの出会いが音楽の歴史的観点からも重要であるところから、今川さんは今回のリサイタルを企画されたようだが、とてもおしゃれでロマンチックなプログラムではないだろうか。
今川さんの演奏は、洗練された身のこなしからも想像されるように、良い意味でのしっとりとした落ち着きがありエレガント。知的でいて、それでいてあたたかみもあり、モダンな東京文化会館の小ホールがヨーロッパのサロンのような雰囲気をかもしだす。演奏中、うまく小さくまとめるのではなく大きな音楽観を求めているというのが感じられる。後半のブラームスも感情をコントロールしつつ、繊細さの中にも確固たる構成もある。友人に勧められて来た演奏会だったが、本当に心から演奏を楽しむことができた。
ところで、アンコール曲を弾く時に、最近、美味しい日本酒を呑んだ時に「神秘」を感じたことから、音楽にもたくさんの神さまからの秘密が入っていてそれを感じられる演奏をしたいと語っていた。(その美味しい日本酒の銘柄を教えていただきたい。 )これからの活躍が期待される。
------------------------- 2月10日 東京文化会館 小ホール ------------------------------------
クララ・シューマン:ロベルト・シューマンの主題による変奏曲 嬰へ短調 op.20
ロベルト・シューマン:フモレスケ 変ロ長調 op.20
ヨハネス・ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 op.24
■こんなアンコールも
・映画『クララ・シューマン 愛の協奏曲』
・「シューマンの指」奥泉光著
・映画『僕のピアノコンチェルト』
第25 回サレルノ国際ピアノコンクール第1 位併せて最優秀ドビュッシー演奏賞受賞、
第10 回シューベルト国際ピアノコンクール第2 位、第9 回ブラームス国際音楽コンクール第2 位、
第1 回アントン・ルービンシュタイン国際ピアノコンクール第3 位に入賞。オーストリア政府よりヴュルディグング賞を受賞。
錚々たる音楽暦だが、最近の日本人の音楽家の腕前は、”超円高”と同じくらい。ピアノだけでなく、世界的なコンクールのファイナルに日本人の名前を見ることがないくらいだ。そしてよくみかける”世界的な”という形容詞にも幅広い解釈をすれば誇張がない。この優れた経歴をもつピアニスト、今川裕代さんもこれまでつい最近までザルツブルクに住んでいらしたそうで、主な活動拠点は海外だった。そのためか、日本ではまだ知られていないが、実力だけでなく素敵な音楽性をもっている。そんな今川さんのリサイタルは、クララ、シューマン、ブラームスをとりあげて、ご存知、親密で信頼関係で結ばれた三人の間に流れる敬愛や情念、愛情を演奏するという「ロベルト―クララ―ヨハネス 音楽で結ばれた絆」がテーマーだ。
プログラムにわかりやすいHISTORYが掲載されていて、ブラームスがシューマン夫妻と出会ったのは1853年、シューマンが亡くなったのが1856年と3人の交際期間は思っていたよりもとても短かい。しかし、彼らの出会いが音楽の歴史的観点からも重要であるところから、今川さんは今回のリサイタルを企画されたようだが、とてもおしゃれでロマンチックなプログラムではないだろうか。
今川さんの演奏は、洗練された身のこなしからも想像されるように、良い意味でのしっとりとした落ち着きがありエレガント。知的でいて、それでいてあたたかみもあり、モダンな東京文化会館の小ホールがヨーロッパのサロンのような雰囲気をかもしだす。演奏中、うまく小さくまとめるのではなく大きな音楽観を求めているというのが感じられる。後半のブラームスも感情をコントロールしつつ、繊細さの中にも確固たる構成もある。友人に勧められて来た演奏会だったが、本当に心から演奏を楽しむことができた。
ところで、アンコール曲を弾く時に、最近、美味しい日本酒を呑んだ時に「神秘」を感じたことから、音楽にもたくさんの神さまからの秘密が入っていてそれを感じられる演奏をしたいと語っていた。(その美味しい日本酒の銘柄を教えていただきたい。 )これからの活躍が期待される。
------------------------- 2月10日 東京文化会館 小ホール ------------------------------------
クララ・シューマン:ロベルト・シューマンの主題による変奏曲 嬰へ短調 op.20
ロベルト・シューマン:フモレスケ 変ロ長調 op.20
ヨハネス・ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ 変ロ長調 op.24
■こんなアンコールも
・映画『クララ・シューマン 愛の協奏曲』
・「シューマンの指」奥泉光著
・映画『僕のピアノコンチェルト』