旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

エル・ジェム博物館のモザイク

2019-03-12 10:00:00 | チュニジア
↓イノシシに喰らいつく音さえ聞こえてきそうな表現だ

紀元後二世紀の北アフリカ地中海沿いが、イタリア本国と変わらない文化・生活水準だったことがこのモザイク一枚で伝わってくる。
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カイロアンから出発し塩で白くなった平原を抜けていく↓

エル・ジェムまで一時間ちょっとで到着する。
ローマ以上によく保存されているという円形闘技場(アンフィテアトロ)が街影の向こうに少しみえてきたが

あそこへ行く前にミュージアムへ行くことにした↓

中庭に入ってすぐローマ皇帝の立像がある

ここは紀元後二世紀ごろの人々のヴィラの跡↓

復元してそのままの場所を博物館として公開しているのだ。
↓これは?

↑鳩を飼っていた跡だそうです


↓ローマ世界をシンボル化して表現した床モザイク↓

いちばん有名なのは左にある黒い「かぶりもの」をしたように見える女性★アフリカ=彼女の頭は象の形をしている。象の牙を女神の角のように見せている。下が★シチリア=頭に三本の足が生えているのが、シチリアの三つの岬をあらわす昔からのシンボル「トリナクリア」だから その右側は★エジプト。なぜなら古代エジプトの楽器シストラムを持っているから

↓こういうシンボルが図像の部分だけをはぎ取って持ち去っていた時代も長かったのだろう

↓中世フランスの大聖堂にたくさんあったという迷宮の図ももともとはローマやギリシャの話からきている↓

↓主題のほとんどはギリシャ・ローマ神話から↓
これは、鷲に姿を変えたゼウスが美少年ガニメデを誘拐するシーン↓


↓ちょっと他で見たことがないのがこのフクロウ↓

周囲の鳥たちが落ちているのは何を意味する?
↑解説によると「人を羨望する気持ちに打ち勝つ」というのだが、感覚的に理解しにくい。
↓おもしろいのはこの図に実力者一族テレジニ家の紋章が入れれていること↓

こういう「ルネサンス的」に見える主題も。ルネサンスとはギリシャ・ローマ時代の表現力をとりもどす活動だったのだ




古代ローマ世界で最も保存状態が良い円形闘技場とされる「エル・ジェム」が見えている↓


いよいよ見にいこう


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