旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

乃木希典の母は台湾に葬られていた

2020-02-08 13:17:04 | 台湾
台北のど真ん中にある「森林公園」はもとは日本人墓地だった。
名残はのこされた鳥居がふたつだけ↓

大きな鳥居は台湾総督在任中に亡くなった明石元二郎の墓のために百年前の1920年に建てられたもの。

↓もとはこんなだった。

公務で帰国していた折に福岡で亡くなったのだけれど「台湾に埋葬してほしい。自分はかの地を守る鬼(霊)となる。」との遺言によってこの地に埋葬されていた。ここが公園に変えられた際にも日本ではなく台北市内の教会墓地に移されたのだそうだ。

第三代総督として1896年に赴任した乃木希典の母がここに葬られたことが日本人墓地として使われるようになったきっかけだった。
日本統治がはじまって二年目。現地民の反乱や風土病が懸念される台湾である。
乃木ははじめ自分だけ赴任するつもりだったのだが、それをきいた乃木の母は
「あなたがそのような及び腰で行くようでは人はついてきません」」
そう言って実際に同行し、ほんとうにマラリアにかかって亡くなってしまった。

後に日露戦争の英雄となり、殉死によって鮮烈に記憶されてる忠臣乃木希典だが、台湾統治には成果を残せなかった。
「この地は統治するのが著しく困難だからイギリスにでも売ってしまうのがよいのでは」と政府に相談した。
後任の総督となる児玉源太郎は「それは統治する人の問題ではないか」と評したそうな。
児玉源太郎は後藤新平を起用し八年以上にわたり総督を務め、この期間に台湾統治を成功に導く布石がうたれていったといってよい。

児玉源太郎と後藤新平の銅像を、今回の台北下見で思いがけずみることができた。
※別に書きます

コメント
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