ジジババのたわごと

孫たちさらにその孫たち世代の将来が、明るく希望が持てる時代になってほしい。

もしでっち上げ逮捕されたら

2008年10月20日 | Weblog
ある日突然警察がやってきて任意同行を求められたら、ババならどうするだろうか。
何のことかさっぱり分からず頭が真っ白になって、気が付いたら警察署の中。
そしてそのまま逮捕されて起訴されて・・・。

2003年、鹿児島県議選で公職選挙法違反で13人が逮捕された「志布志事件」は記憶に新しい。
後に全員無罪となったあの警察の「でっち上げ」事件だ。
それまで無風だった鹿児島県議選に中山信一氏が立候補したことで、本格的な選挙になったのが事の始まり。

「つくられる自白―志布志の悲劇」と題したドキュメンタリー映画をみた。
元被告の中山夫婦が来札し、報道されない取調べの実態を報告した。
もともと何も買収は発生してないのだから無理がある。なのに警察は権力で押しとうそうとした。
13人がどのような経緯で逮捕されていったか、どのような取り調べ方だったのかを改めて知った。
任意同行というのは「任意」ではない、自由がないのだそうだ。
中山氏は罪を着せられ395日も拘留されたのだという。

取調べ中の警察による自白を促すためのウソ、罵声、脅迫などによく耐えたものだ。
任意同行、逮捕状や起訴、否認と保釈、代用監獄、拘留、留置場、裁判所との関係などなど、ババには上っ面しか知らないことばかりだった。
でっち上げ逮捕なのに腰縄と手錠、ゴムぞうり姿だと聞き、また全裸で身体検査を受けらされたとも話した。人権なんてあって無いようなものだ。あるのは屈辱だけ。

朝から晩までの執拗な取り調べ、物的証拠がないから自白にだけ頼る警察。誘導で部屋の配置図を描かせる。
人間はそんなに強くないからありもしない事を証言して楽になりたいと思うもの。
これだけ突っ走った警察も終わってみれば謝罪も何もない。
マスコミも検察も裁判所も同罪だと言いきっていたが同感だ。
メディアは警察の発表をコピーして発表するだけ。不十分な根拠なのに逮捕・拘留を認めた検察や裁判所の偏見。

護送される際報道陣が待ち受けるところで、頭から袋をかぶせられたが、悪いことをしていないのだからと、拒否して脱ぎ捨てようとしたが無理やりかぶせられたという。
無罪になったとはいえ、何度も顔写真や指紋採取されたので、警察の資料の中にそのまま残っているということは耐えられないことだろう。犯罪者として永久に残るからだ。
悔しさと怒りで自分の手で思いっきり破いてしまいたいはずだ。

鳩山法相が「志布志事件は冤罪とよぶべきでないと考えている」と言って非難されたことを思い出した。後に無罪だったのだからそれは冤罪ではないという発想なのだ。
この志布志事件を冤罪といわないなら、何とよぶのか教えて欲しいくらいだ。
この事件はまるで戦前にでも起こった事件かと錯覚してしまうほど。こんな違法捜査がまぎれもなくこの21世紀の真っ只中に起きたということは信じられないこと。
権力を持ったものに外部の目が届かないと、どのような暴走をすることか。責任者を追及する仕組みが必要と感じる。
事件を通して、取り調べ中の一部だけの録画では絶対駄目だと思った。全面可視化なくして真実は見えてこない。
「代用監獄」について説明を聞いて理解できたが、日本だけのこの制度にもメスを入れる必要がありそうに思う。
集会が終わって、ババはやるせない怒りとため息がでた。   


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