ジジババのたわごと

孫たちさらにその孫たち世代の将来が、明るく希望が持てる時代になってほしい。

硬直した町内会が嫌われる

2019年09月02日 | Weblog
生まれたときから町内会・自治会があって関係を持ってきているので、「入るもの」という漠然とした観念が刷り込まれている。
加入が義務づけられているか任意なのか、ということ自体に疑問を抱くことがないのが実情だ。

法律上、町内会は何の権限もない。趣味のサークルと同等の任意団体である。
しかし、執行部でさえ「町内会が法的に正規の団体でない」ことを認識していない。すごく権限のある団体のような感覚でいる。
さらに規約(会則)を無視しているし、規約を読んだことがない役員が実に多い。

さて、町内会ではいろいろな活動をやっているが、それは住民の意向なのか? という点が問われている。
人手がかかり予算も食うのに参加者が少ない。そんな事業を行う必要があるかという疑問だ。

一年間に「町内会の行事にどれか一つでも参加した人はどれだけいるか?」 を調べてみたら、状況が浮かび上がる。
たいがい、参加者はほんの一握りで、同じ人がいくつもに参加している。
意味のない活動なのになかなかやめられない。大方が不要と思っていることでも、前年踏襲となって継続してしまう。



町内会独自で決定した活動ではなく、外部とのつながりで振り回されているものも多い。
連合町内会などの上部団体とのかかわりで行っている活動がある。
自治体からの依頼や連絡がある。警察署や消防署などからの動員要請もある。
役所側の実績づくりやパフォーマンスのために駆り出されて、有益と感じない活動に時間を取られる傾向がある。

勘違いされることが多いのが広報の配達である。
自治体の広報を配達するのは、町内会の仕事と決まっているわけではない。
町内会は法人として契約できないので、自治体は広報配布の委託契約を町内会長などと交わす。
それで、定例広報のほか選挙公報などに相当額の報酬が支払われる。
届いた広報を町内会長が班長に届け、班長が各世帯に配布する。

だが、自動的に班長が配布義務を負うわけでない。会長個人の契約に会員は縛られないからだ。
班長が広報配布を行うことを、規約(会則)などによって承認しておく必要がある。
そこが明瞭になっていないことが多い。

選任した「広報配達委員」と委託契約を交わす自治体もある。
その広報配達委員の仕事の一部を、町内会が下請け的に引き受けているケースが多い。

会計表示も含めてきっちり分離すべきなのだが明確にしていないため、町内会は広報を配る義務があると勘違いしている人が多く、わかりにくくなっている。
広報配布を徐々に委託業者に任せる傾向になっている。その方が正規の入札を経て配布遅れもなく、自治体の費用も安上がりになる。

ボランティアを町内活動と混同している人が多い。
ボランティアとはどういうことか、を理解していない役員がかなりいる。
「自分のところは大勢参加しているのに、あちらは誰も参加していない」などと批判するようではボランティアをする資格がない。

町内会の大きな弊害が役員の居座りである。
執行部役員はどこの町内会でも、ほぼ全員が10年以上務めている。
前例踏襲になるのは必然である。

「辞めたいけど、引き受けてくれる後任がいないので…」と言い訳して居座っているのが実態である。
そんなところから「町内会は老人の暇つぶし」と揶揄されたりもしている。
役員自身も「認知症予防」などと半ば本音でうそぶいている。
名誉職と趣味を兼ねてやっている役員が多いことは否定できない。

極論すると、いまの時代に町内会に求められているのは、「ゴミ問題」だけである。
北海道など雪の多い地方はこれに「除雪・排雪」が加わる。
この二つさえうまくやれたら、その町内会は合格である。



ほかのことは何も手を付けなくてもよい。
皮肉なことに、むしろほかのことには手を付けない方がいいとさえ言える。

町内会を退会しようとしたら、「町内会に入らなければゴミステーションを使わせない」といやがらせを受けるという話を耳にする。
掃除当番を分担することで折り合いがつくはずなのだが・・・。
感情的に使わせないと言い張る常識が通用しない相手がいるのも現実だ。

その時は腹を固めるしかない。
自治体へ苦情を申し入れたり、調停など法的な手段に訴えて、話を大きくするほうが有効な印象だ。無茶なことを言いだせなくなるからであろう。

一般会員は町内会費さえ払っていれば、日常はさほどかかわりを持たないで生活できる。
しかし何年かに一度は、輪番で班長が回ってくる。運が悪いと班長に大役が当たる。
町内会活動を意味がないと感じる人にとっては迷惑なことになる。


町内会で違いはあるが実に広範囲に活動している。拾い上げてみた。

[清掃・環境美化]
ごみステーションの掃除、ごみ拾い、公園清掃、花植え、リサイクル運動、生活排水対策への取り組み

[除排雪]
自治体との除排雪作業の調整・周知

[体育・青少年・親睦・交流]
ラジオ体操、子供会への助成、盆踊り・お祭り、運動会やスポーツ大会、旅行会、新年会・交流会の開催、文化祭、餅つき大会

[広報・回覧]
自治体の広報の配布、各種お知らせ回覧

[防犯・防災]消防署のイベント参加、警察の交通安全イベントへの動員、町内の防犯パトロール、街路灯・防犯看板の設置、不審者情報の回覧

「伝統文化の維持:伝統芸能」
地域お祭り、藍染めなどの特産品、史跡・文化財の維持・保存

[保健・福祉・扶助 ]
葬儀等の慶弔活動、独居者への声かけ、老人会活動、老人ホーム慰問、敬老祝い、子ども向け活動(星を見る会)、廃品回収、赤い羽根募金,歳末たすけあい運動等の募金活動

[町内会館運営]
電気・ガス・石油代、上下水道代、火災保険、清掃、管理報酬、駐車場排雪、器具点検修理

[研修・学習活動]]
役員・会員を対象とした研修,各種研修会などの開催、パソコン教室、セミナーの開催

[上部団体・行政]
上部団体の行事への協力・参加、行政への陳情、市政懇談会




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3 コメント

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おじゃまします (40代の町内会長)
2020-04-02 13:03:38
町内会に所属してもらうには災害時や困ったときに助け合えるというのが大きなメリットだと思います
普段の役員や総会もそのためだと思います。
ぶっちゃけ普段の仕事なんて実生活優先でできる範囲でやればいいと思います今の時代特に。
ただそういうものを通じて昨今気薄になんているご近所づきあいの継続と拡散にあると思います。
他人の世話にならず人生終える人などいないと思います。
町内会自体がみんなで仲良くするためにあると思いますので役員や仕事の押し付けで険悪になるのは本末転倒だという考えで自分はやってます。
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Unknown (日下)
2020-10-28 16:42:53
おっしゃる通りです。法的権限のないものが当然視されるかのごとく幅を利かせる。この国は本音と建前のダブルスタンダードなのでしょうか。

ゴミのために関係ない親睦や祭りをしなければならないとしたら、単なる抱き合わせ商法では?
おかしなことです。

ゴミも本来は廃棄物処理法で収集・運搬・処理は行政の責務になっています。自治会も関係なければ住民が労力を提供する義務もないはずです。そうでないと徴用になってしまいます。逃げ道として「協力」という言葉を使います。

いちばん悪いのは二枚舌の行政です。
断固拒否してもいいのです。罰則がないのですから。協力に罰則はないのです。

義務と錯覚したり洗脳されている住民に知らせることから始めましょう。

でもコロナで自治会は思ったより早く弱体化しますね。ウイルスは社会を変える。数十年の変化が数年で起きます。行事なんかしなくても困らない、むしろ快適だったと気が付くのです。もう元には戻らない。自治会はなくならないが、行事が減ったり退会が増えるのは必至ですね。時代と共に変わらないとおかしいです。
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Unknown (Unknown)
2021-05-06 05:09:09
本当にそうですよね
十年も役員のなり手がないなら、廃止すればいいのに
ていのいい奴隷制度ですよね

私は任意のボランティアさんは心から尊敬していますし、やってみたいのですが、
他人の権利を犯す薄汚い町内会連中は馬鹿にしています
ゴミ出しさせないぞ!とか、災害の時助けないぞ!とか、嫌なら引っ越せとか、脅迫して回ってバッカみたい。
人間として恥ずかしくないんかな?と思いますが、自分が嫌々やるうちに、嫌がってる他人にもやらせないと気がすまない腐った根性が出来上がったのでしょう

私の知ってるボランティアさんなら、知らない人、困ってる人をこそ助けます
そしてまず、ご自分を大事になさってるので、できる時だけやるし、他人に強制することなんか皆無です。
本物の親切なので、みんなに尊敬されていますよ

親が入ってたら子供も自動的に入るとかも、宗教のようで、大迷惑です。
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