コロナウイルスが拡大して、救急医療の「最後のとりで」とされる大学病院で医療がひっ迫して、緊急性を要する患者の受け入れ先が決まらない「搬送困難」が過去最多になっているという。
東京都では新規感染者のほとんどが自宅や介護施設での療養になっているが、それでも病床使用率が高止まりしている。
オミクロンによる死者数がジワジワと増えている。子どもの感染者も増加傾向だ。
オミクロンは重症化しないとされるが、一方で感染力が高い。
重症化率が低くても、増加スピードが速ければ感染する人の数が増え、必然的に重症者も増える。
それでも、コロナウイルスの「第6波」はピークを越えたかのようである。新規感染者数の増加が頭打ちになってきた。
「実効再生産数」が1.0以下になったのでこの先は徐々に収束していくと予測されている。
まん延防止措置を今月20日で解除する県も出はじめた。ある意味で妥当な措置かもしれない。
これから春に向かうのでウイルスが流行しやすい季節が過ぎることも期待される。
「実効再生産数」というのは、感染者1人が平均何人にうつすかを表す数値である。
「0・98」だったと聞かされても、一般人は「フーン、そうなの!」という程度にしか実感できない。
感染データから統計学的に導いたものだが、仮定の条件が重要なファクターとして用いられる。
「入院率」という用語も評価に使われる。
なんとなくイメージできるので漠然と聞き流しているが正確には、入院が必要な患者のうち入院できた割合である。
つまり入院できずに自宅や施設で療養する人が増えると入院率が低くなり、医療がひっ迫している状況を物語る。
「陽性率」は、PCR検査をした人のうち、感染していた人が何パーセントいたかの数値であるが、数値の意味するところは単純ではない。
東京都や大阪府で陽性率40%というのは、自覚症状がある人や濃厚接触者が検査を受けて、その4割が陽性だったということである。
もちろん「都民の40%が感染している」わけではない。
陽性になっても自宅療養になるのだったら、無症状や軽い症状だから検査を受けないでおこうと考える人が増えるのは自然の流れだ。
一方で、自宅療養は同居家族に感染するのは目に見えている。
「陽性率」は何を語るのか。
日本は限られた人しかPCR検査を行なっていない。
疑わしい人や希望する人にも積極的にPCR検査を広げたら全容を正しく把握できるのだがそれを嫌った。感染者数を少なく見せようとしたのであろう。
2年前のコロナ禍初期からあまり進歩していない。検査体制は整っていない。宿泊療養も整備されていない。
現在の第6派のコロナウイルスは、このあとも次々に変異株が広まり、第7派が来る可能性のほうが高いという意見がある。
そもそもウイルスの歴史は、変異しながら弱毒化して、宿主と共生してきたというのだ。
さらにはこの先、人間による自然破壊などによって、別の新型ウイルスがパンデミックを起こすことは間違いないという。
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