人権活動家・反体制作家でノーベル平和賞を受けた劉暁波氏が死亡した。獄中死だ。
中国当局が「遺体を火葬し海に散骨することに同意せよ」と迫っていると伝えられている。家族は拒否しているという。
劉暁波氏の墓がつくられると、支援者が集まり政府批判につながることを警戒しているからとみられている。
劉暁波氏は、2008年に「中国の一党独裁廃止」「法の支配と自由選挙による政治を」などを訴えインターネット上の署名運動をしたことが、「国家政権転覆扇動罪」とされ投獄された。
戦前戦中の日本の治安維持法を彷彿させる。
獄中でノーベル平和賞を受賞したが、出国を許されなかった。妻の劉霞氏が代理で受け取るために出国することも拒否されている。
中国の言い分は「劉氏は中国の法律を犯した犯罪者だ。民族の調和や和睦に努力した人に授けられるべきノーベル平和賞に対する冒瀆だ」という。
トンチンカンな屁理屈だ。
授与したノルウェー・ノーベル委員会に、「反ノーベル平和賞」を中国政府に与えてほしいくらいだ。
中国では、人権活動家や政府を批判するものに、投獄、拷問、嫌がらせが日常化している。
習近平政権になってから、政権批判に対してメディをはじめ弾圧の激しさが増している。
ネット上の情報管理を徹底して、不都合な用語は検索出来ないようにしている。
香港での民主化運動に対しても締め付けを強めている。
経済発展していくにしたがって、中国は徐々に民主化、人権尊重に向かっていくだろうと予想されていたが、当面それは期待できない状況である。
そんな中国に対して正面から批判する国がない。
世界第2の経済大国になった中国と関係を悪化させると、自国の経済に影響が出ることを懸念して弱腰だ。
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