日常のあれこれをそこはなとなく

料理、わんことの日々、海外ミステリを中心とした読書、ソフトバンクホークス、JAZZなどを書いていきます。

イザベラ・バードの日本紀行

2018-03-15 05:42:47 | 読書
イザベラ・バードの日本紀行を読みました。



この本は、イギリスの女性旅行作家イザベラ・バードが1880年に日本を訪れ、横浜から日光、新潟を経て北海道まで旅行し、さらに神戸、京都、奈良、伊勢神宮、大阪を旅した時の旅行記です。僕はこの本を書店で見つけた時に、間違いなく面白いと確信しました。そういう本にはなかなか巡り会いません。



1880年といえば、明治維新から12年後の事です。交通手段も、馬、人力車、籠などしかなく、道路もろくに整備されていません。彼女は伊藤という英語のできる通訳を連れて苦労しながら陸路を新潟へ、そして蝦夷地への入り口である青森を目指します。こんな時代にイギリスの女性が日本を訪問していた事自体驚きですし、苦労して旅行を続け、北海道に渡り、アイヌの人々の村を訪れて一緒に生活します。



読んでみて驚いたのは、当時の日本が急速に文明を取り入れ、諸制度を改革し、ある程度それが成功していた事と、一方で地方の庶民の暮らしが、貧しく不潔で大変だった事でした。彼女は、旅行中宿泊先のノミや蚊に悩まされ、食べるものが無いことに苦労します。でも、人々の節度ある態度にはしきりに感心しています。京都ではその工芸品や生活道具が素晴らしいと何度も書いています。先入観にとらわれることなく、至ってフェアーにいろいろな事を判断してるのがこの旅行記の大きな特徴と言っていいと思います。読みごたえのある、とっても面白い本でした。
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