黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『星間商事株式会社社史編纂室』三浦しをん(筑摩書房)

2009-07-28 | 読了本(小説、エッセイ等)
1964年に創立した中規模商社である、星間商事に勤める川田幸代は29歳…友人・英里子と実咲と共に創作JUNE系のサークル<月間商事>で、同人誌制作&販売するのが趣味である。
そんなプライベートを充実させるべく、あえてエリートコースから外れた彼女が配属されたのは、実質的には左遷部署である<社史編纂室>。
そのメンバーは、定年間際の本間課長、合コン大好きな先輩・矢田、後輩のみっこと、誰もその姿を見たことがない幽霊部長の計5人。
60周年記念社史となるはずだったものの、結局創立60周年を過ぎた今も完成されていない。それでも取材を続ける幸代たちだったが、そこに何故か妨害が。
そんな中、会社のコピー機でコピー誌を印刷している所を、課長にうっかり見つかってしまった幸代。おまけに彼が同人活動に興味津々で、編纂室でも同人誌を作ると言い出して……

いわゆる腐女子の幸代が、社史を編纂するという地味な部署の中で思いがけず会社の秘密となっている部分に行き当たってしまって、それをある方法で明るみに出そうと部署の皆で盛り上がる展開の中に、実咲が結婚を機に同人活動の進退を迫られ友情関係が微妙になったり、幸代が同棲中の放浪癖のある恋人との仲も微妙になったりする話の他、作中作で幸代の同人原稿(リーマンBL)が入ったり、サリメニ国で昔書かれたロマンチック小説の原稿(偽者)が入ったり、いろいろ楽しい感じ(笑)。
……職場の人に同人活動が知られるって、想像するだにちょっと怖すぎですが(笑)。

<09/7/28>


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