黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『MUSIC』古川日出男(新潮社)

2010-06-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
11歳の夏まで、猫を数える“キャッター”として、その名を馳せた少年・ユウタこと田渕佑多は、六十の女との対決で敗け、いまでは普通の少年になっていた。そんな彼は、ある時、青山墓地で生まれた雄猫に出会い、スタバと名付ける。
スタバは鳥たちを狩り、無敵の雄猫へとたくましく成長してゆき、ユウタは再び猫たちに関わる世界へと舞い戻る。
シュガーと呼ばれた少女・佐藤美余は、その名を葬った。かつていきもの係として、第二次の港区うさねこ戦争の最前線に立っていた彼女。今では中学生の彼女は、ある時から走るということに目覚めてゆく。
そして、男として生まれながら、その身体の中に女としての意識を持ってしまった、北川かずみ…和身で和美。
ボーイフレンドとドライブ中に口論になり、ハンドル操作を誤った末に事故に遭い、ボーイフレンドは帰らぬ人に。かずみは、警察に猫が飛び出したと嘘をつく。二人で京都に旅行に出かけるはずだったかずみは、その嘘とともに京都へ。
それぞれの理由により東京から京都へと向かうことになった彼らは……

『LOVE』の続編。一匹の猫と四人の人間の、それぞれの物語が展開してゆきます。
文章がリズミカルで、疾走感に溢れた感じ。
最後のスタバの対決シーンが圧巻。

<10/6/26,27>