黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『少年舞妓・千代菊がゆく! 椿谷の恋人たち』奈波はるか(集英社)

2010-06-09 | 読了本(小説、エッセイ等)
楡崎慎一郎の父で、贔屓の客でもある源一郎の第一歌集の出版記念パーティに呼ばれた千代菊。
そこには普段は会う事を禁じられている、千代菊の初恋の相手であるプロ棋士・紫堂薫もいて嬉しく思うが、たまたま歩く際に彼の手を借りたところを楡崎に見られ、あらぬ疑いから嫉妬されてしまう。
それから一週間後、千代菊は舞妓の仕事で横浜に。そこへ東京で仕事のあった源一郎が遊びにきてくれ、お茶をともにする。その後、鎌倉へ行く用事があるという彼と一緒に、紫堂の生まれ育った町であることから、一度行ってみたかった鎌倉へと足を伸ばすことになった千代菊。
源一郎の目的は、自分が出した歌集をある人物に届けることなのだが、その相手とは紫堂の祖母・五月。彼女は、源一郎が若き日に参加していた短歌会の主幹をしていたのだった。
美しい椿が咲く、紫堂家の洋館を訪れた二人は、師匠である島村棋聖の元へ住み込んでいるはずの紫堂に出会う。祖母が体調を崩したことから、許可を得て戻ってきているのだという。
その後、近所を散策に出かけた紫堂と千代菊。戻ってきた二人は、そこで五月が源一郎に屋敷を売りに出しているという話を打ち明けている場面に遭遇。何も聞かされていなかった紫堂は衝撃を受ける。
その直後、源一郎が倒れ、意識不明になって運ばれる事態に……

シリーズ第36作。
今回は千代菊と紫堂の話?と思いきや、源一郎と五月さんのお話がメインっぽい。
体調が悪いという前振りのある五月さんが倒れるならまだしも、源一郎が倒れるのも唐突だし、それでドタバタしてて、いろいろ有耶無耶で、肝心なところがあっさりな感じがしなくもなかったり;
その分、二人のエピソードとか過去の回想を足してもらったほうが良いかなぁ。
裏表紙のあらすじには“莫大な借金のために売りに出される~”と書いてあるのですが、本文にはそんなことは何も書いてなかった気が(というか何故彼女がそんなに急いで売りたかったのかも、具体的に書いてなかったし…)。

<10/6/9>