黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『鳩とクラウジウスの原理』松尾佑一(角川書店)

2010-06-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
小さな広告代理店で働く二十五歳の貧乏青年・磯野。
そんな彼のアパートに転がり込んできた、無職になった大学時代の友人二人……常にドイツの軍服を着用している非モテ系の大男・ロンメルと、後輩の天然系乙女・犬さんこと犬塚栗。
そんな中、たまたま鳩に餌をやっているところをアフロ頭の老紳士・柳田に話しかけられた磯野。その老人は、鳩航空事業団の大阪鳩航空管制部に所属しており、彼を伝書鳩管制官としてスカウトしたいと言う。
鳩航空事業団とは、伝書鳩で手紙や荷物を運ぶ仕事をしている特殊法人だという。
食い扶持が増え、また本業の仕事の依頼が少ないこともあり、その話を引き受けた彼。同僚は、ほかに赤いボンデージファッションを身に纏い、桃ジュースを愛飲する女性・間宮のみ。
最近、鳩航空事業団では鳩にラブレターを運ばせる“鳩恋(ハトコイ)”というサービスを展開中だが、ある日、それを妨害する輩が現れた。“クラウジウス団”と名乗る彼らは、伝書鳩を捕獲、勝手に手紙の内容を書き変えたりしているらしい。彼らの目的は、世界のあらゆる恋愛を妨害することだというのだが……

第一回野生時代フロンティア文学賞受賞作。
ひょんなことから伝書鳩でラブレターを運ぶ仕事を手伝うことになった青年のお話。青春恋愛モノ?
ちなみに“クラウジウスの原理”は、エネルギーは高い方から低い方へと流れるという法則のこと。
モチーフ的には魅力的で好み(かなり森見テイスト…)なのですが、少ないページ数の所為か、手を広げすぎた所為なのか散漫で、いろいろな部分が足りない印象。特に後半が、もったいないかなぁ;

<10/6/21>