黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『きのう、何食べた? 1』よしながふみ(講談社)

2007-11-24 | 読了本(漫画)
43歳でありながら若さと美貌を保つ、弁護士・筧史朗と、41歳の美容師・矢吹賢二はゲイのカップルで、現在同棲中。……将来に備えて、日々の買い物にも節約を心がける筧……#1、
筧が親密にメールを交わす女性がこの世にたった一人いる。彼女は佳代子さん。ある日、スイカの購入に迷っていた時に知り合った主婦で……#2、
美容学校時代の同級生・三宅が店長を勤める店で働く矢吹。腕はあるのに、自分の店を持とうとはしない。“爆弾処理班”と呼ばれる彼は、客あしらいがうまく……#3、
安売りのいちごでジャムを作る筧。他は節約しても、パンだけはしっかりパン屋で買うのが、彼のこだわり。しかしそのパン屋がかつての筧の彼女であることが、矢吹は不満で……#4、
40歳を過ぎても格好良い筧。しかしそれが周囲から浮く原因に。健康診断で、かつて同期で密かに恋心を抱いていた塚本に再会するが、彼は年相応の外見になっていて……#5、
ナスを食べていた男が妻に語った話…かつて学生時代にホストクラブでバイトをしていた彼は、バイト仲間である友人と共に先輩の家に遊びにいったのだが、実はその先輩はゲイ。男は友人を置き去りにして逃げてきたという。ナスを見るたびに、ナスが好きだったその友人のことを思い出し、気になるという。その友人の名前は覚えていないが、有名マンガの主人公と同じ名字だったことから“ジョー”と呼んでいたという。そんな話を聞いた妻は……#6、
どんなつまらない事件も引き受け、やりがいは求めない筧。しかし結局周囲からは面倒を押し付けられてしまう。そんな彼が顧問をしている会社の社員が、妻からDVに遭っているという事件を引き受けたことがあったが……#7、
父母にはカミングアウトしている筧だが、実家に帰るとそのことを攻撃されて、げっそり。そんな彼に佳代子は、料理をするとイヤなことがあってもリセットされるというが……#8を収録。

男2人の日々を綴ったお話。
毎回出てくる食べ物が美味しそうです~♪

<07/11/24>

『私の男』桜庭一樹(文藝春秋)

2007-11-24 | 読了本(小説、エッセイ等)
2008年6月。結婚式を明日に控えた腐野花は、婚約者の尾崎美郎とともに養父の淳悟と会食をする。
花嫁がもらうと幸せになるという“サムシングフォー”のうちの“サムシングオールド(ふるいもの)”を受け取る為だった。彼がその場に持ってきたのは、ひとつのふるいカメラ……それは2人の罪の証でもあった。
15年前、奥尻島を襲った震災により家族を亡くし孤児となった花は、遠い親戚である淳悟の元に引き取られた。以来、北の地から東京へと移り住みながら、あらゆる意味で他者の入る余地のないほど濃密な関係を続けていた彼ら。しかし、花が新婚旅行先のフィジーから帰国すると、その姿は何処かへ消えていた。
時を遡りながら語られる、彼らの結びつきとは……

過去が語られていくごとに明かされる、2人のどこまでも深い結びつきが切なく、印象的。
またひとつ桜庭さんのステップアップを感じる作品でした。

<07/11/24>