黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『遠まわりする雛』米澤穂信(角川書店)

2007-11-01 | 読了本(小説、エッセイ等)
神山高校に進学した折木奉太郎。そんな彼は“やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。”を信条に持つ、省エネ主義。そんな奉太郎が姉からの厳命で、入部することになったのは“古典部”。そこに、中学時代からの友人・福部里志や旧家のお嬢様・千反田えるも入部した。入学して1ヶ月、里志が聞いてきたという、音楽室でピアノがひとりでに鳴り出すという謎について語り……『やるべきことなら手短に』、
5月には古典部には里志を追いかけて、伊原摩耶花も入部し、部員は4人に。
そして6月のある日。5時間目の数学の時間に普段怒らない千反田が怒ったという。自分が何故に怒ったのか、気になるという彼女は……『大罪を犯す』、
8月。摩耶花の親戚が営むという財前村の民宿で、温泉合宿をすることになった古典部。その民宿には、首吊りしたという客がいて、その後、幽霊が出るという噂があったという。ところが、摩耶花と千反田が実際に問題の部屋で、揺れる人影を見たといい……『正体見たり』、
11月のはじめの日。“10月31日、駅前の巧文堂で買い物をした心あたりのある者は、至急、職員室柴崎のところまで来なさい”という校内放送を聞いた奉太郎と千反田。その放送が、どういう意味で行われたのか推論することに……『心当たりのある者は』、
お正月。摩耶花がアルバイトするという荒楠神社に千反田のお供も兼ねて、初詣にやってきた奉太郎。ところがひょんなことから、彼女と納屋に閉じこめられてしまい……『あきましておめでとう』、
2月14日。摩耶花が里志に渡そうとしていた、手作りチョコレートが消えた。その行方を探すことになった奉太郎たちだったが……『手作りチョコレート事件』、
春休み。千反田の近所の神社の雛祭りの行事で、お雛様に扮する彼女の手伝いをすることになった奉太郎。ところが彼女たちが通るはずのルートが工事中で……『遠まわりする雛』の7編収録の連作短編集。

奉太郎たちが古典部に入部してから約1年間のエピソードを収録した作品集。
『大罪~』の時の千反田さんの“おこった”のくだりの言い回しが、早口言葉のようでちょっとかわいくて、楽しいですね(笑)。
そして、最後のほのかに進展のありそうな奉太郎たちの関係にちょっと期待(笑)。

<07/11/1>