黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『クラッシュ・ブレイズ 夜の展覧会』茅田砂胡(中央公論新社)

2007-11-27 | 読了本(小説、エッセイ等)
惑星セントラルのエレメンタル近代美術館にやって来たリィとシェラは、そこに展示されている一枚の絵を観て、当惑する。
それは近代抽象画の巨匠と呼ばれる画家・ドミニクによる『暁の天使』と題された作品……341年前に描かれたはずのそこにいるのは、どうみてもルーファそのものだったのだ。しかも“まだ見ぬ黄金と翠緑玉の君へ”と、これまたリィを指すとしか思われない言葉が、彼の遺言にあり、この絵を捧げると記されているという。
さすがに無断で持って帰ってはいけないという判断はしたリィは、父や海賊夫婦、連邦主席にまで入手できないかと気軽に相談するが、皆不可能だというばかり。
その1週間後、あきらめきれずに『下見』にやってきたリィは、件の絵画が専門家でさえ、気づかぬほどの精巧な贋物に、すり替えられていることに気づく。
やがて美術館には脅迫状が舞い込み、その通りに金額を支払われるが、取り返した作品はまたしても贋物。
失われた本物を追い求めるリィたちは、かつて『暁の天使』だけを62回も模写しに来ていたというチェスター・ビートンという男の存在を突き止めるが……

何といっても、父・アーサー奮闘の巻でした(あとがきにある『父の復権』までにはまだ時間がかかる気もしますが/笑)。
……ちなみにドミニクの『暁の天使』は、『暁の天使たち』か何かにそのエピソードがちょこっと載ってるやつだったような(うろおぼえ/笑)。

<07/11/27>