夜、すべての血は黒い 作:ダヴィド・ディオップ
フランスの戦争に参加した黒人兵士の悲劇
読んでいるだけだと、どの戦争なのかわからなかったのだが、
解説によれば、第一次大戦がモチーフになっているそうで、
その時のフランス軍にあったとされる、セネガル人部隊がそれにあたり
実際にこんな悲劇があったのだろうと思わされる、
主人公の独り言だけで終わるといっても過言ではない
戦争のもたらす悲惨をこれでもかと味わう内容になっていたと思う
そこにあった差別というものを描いたというよりは、
もっと已然、セネガル人兵士のことに関する無知が引き起こしているものとも考えられ、
戦争によって、彼らと白人たちが濃厚に触れ合うようになり、
それが戦場という狂気のため、一種喜劇的な光景となって
そこに言葉が通じないことによる不気味さと、不寛容と、非共感というものが
暴力という形でしか交わらないというお話になってて
読むほどに悲惨すぎると慄くのでありました
言葉が通じない中で兵隊として生きて、
その役目をまっとうしようとするわけだが、
そこにまるで意味のない役割が、呪術とか、偏見とか、そんなものに囚われた末に与えられ
そこを演じるか、理解するか、様々なことを考えて、
また、考えないままに死んだ友や、敵を見て、
どんどん気を違えてしまうような感じになる
ただただ、その過程を見せる独白が続くといった感じで
やがて、病院送りとなった主人公が自身の過去をみるようになり、
その果てにといった感じで、
独り言が結構支離滅裂とまではいわないが、
戦場での悲劇、友人を失った衝撃、その時の自分への嫌悪と恩赦
ないまぜになるあらゆる思考が、とめどない言葉になって連なり
独特の慣用句だという「神に誓って」という枕詞とともに
同じことを、または、同じようなことを繰り返していくというスタイルが
不気味というよりも、悲惨さを際立たせていて
読んでいて、ぐいぐいひきずりこまれるようだったのでした
起きたことの凄まじさが、戦争の姿を描いているともいえるが、
そこにおいて、人間一人が抱えきれるかどうかという
命の重みと生きる誇りみたいなのに押しつぶされそうになっているところが
読み応えといったら軽々しいけども、主人公の描写されない苦悩を
なによりも物語っているようで、重く読み進めたのでありました
終わりは一種の救いといっていいのか、
いや、でも、現実としては看護師さんは殺されたとみるべきかとも思うし、
精神世界でのみ救われて、現実ではすでに死んでいたといっても過言ではない
そういう惨いお話だったと読んだのだが、悪く読み過ぎだろうか
フランスの戦争に参加した黒人兵士の悲劇
読んでいるだけだと、どの戦争なのかわからなかったのだが、
解説によれば、第一次大戦がモチーフになっているそうで、
その時のフランス軍にあったとされる、セネガル人部隊がそれにあたり
実際にこんな悲劇があったのだろうと思わされる、
主人公の独り言だけで終わるといっても過言ではない
戦争のもたらす悲惨をこれでもかと味わう内容になっていたと思う
そこにあった差別というものを描いたというよりは、
もっと已然、セネガル人兵士のことに関する無知が引き起こしているものとも考えられ、
戦争によって、彼らと白人たちが濃厚に触れ合うようになり、
それが戦場という狂気のため、一種喜劇的な光景となって
そこに言葉が通じないことによる不気味さと、不寛容と、非共感というものが
暴力という形でしか交わらないというお話になってて
読むほどに悲惨すぎると慄くのでありました
言葉が通じない中で兵隊として生きて、
その役目をまっとうしようとするわけだが、
そこにまるで意味のない役割が、呪術とか、偏見とか、そんなものに囚われた末に与えられ
そこを演じるか、理解するか、様々なことを考えて、
また、考えないままに死んだ友や、敵を見て、
どんどん気を違えてしまうような感じになる
ただただ、その過程を見せる独白が続くといった感じで
やがて、病院送りとなった主人公が自身の過去をみるようになり、
その果てにといった感じで、
独り言が結構支離滅裂とまではいわないが、
戦場での悲劇、友人を失った衝撃、その時の自分への嫌悪と恩赦
ないまぜになるあらゆる思考が、とめどない言葉になって連なり
独特の慣用句だという「神に誓って」という枕詞とともに
同じことを、または、同じようなことを繰り返していくというスタイルが
不気味というよりも、悲惨さを際立たせていて
読んでいて、ぐいぐいひきずりこまれるようだったのでした
起きたことの凄まじさが、戦争の姿を描いているともいえるが、
そこにおいて、人間一人が抱えきれるかどうかという
命の重みと生きる誇りみたいなのに押しつぶされそうになっているところが
読み応えといったら軽々しいけども、主人公の描写されない苦悩を
なによりも物語っているようで、重く読み進めたのでありました
終わりは一種の救いといっていいのか、
いや、でも、現実としては看護師さんは殺されたとみるべきかとも思うし、
精神世界でのみ救われて、現実ではすでに死んでいたといっても過言ではない
そういう惨いお話だったと読んだのだが、悪く読み過ぎだろうか
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