CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】私が鳥のときは

2024-05-25 20:55:16 | 読書感想文とか読み物レビウー
私が鳥のときは  作:平戸萌

現代小説
不思議な読み心地だった
サスペンスやミステリではない、ただの現代劇なんだけども
少しばかり特殊な事情が見え隠れして、その姿を切り取ったように描くばかりで
全体として大きな何か、物語としての終結といったものが見えづらい
でも、不思議と面白く読めて、なんとなくしんみりできた
いい物語だったと思うのである

二つの小説が収録されているんだが、多分つづきというか、
同じ登場人物のお話で、一本目がすごく切なく
ああ、それはそれでいいのかという感じで終わったんだが
その前日譚のようなもので、かつ、本当に知りたかった部分ではないところを描いていて
これがまた、幸せといっていいのか、とてもよい話で
青春がよくよく見えるのだけども、
それがあってこそ、また、一本目の味わいが大きく変わってくると
そう思ったんだが、実際に同一人物の話なのか
そのあたりはわからんのである
けど、一本目の切なさがわかっていると、二本目の幸せもまた
なんと切ないことであろうかとしみじみ感じ入ってしまった

何書いてるかさっぱりわからんのだが、
ともかく、普通の現代劇で、ちょっとした人間関係のやりとりがあって
そこの感情、気持ちの揺れみたいなのが、とても素直に表現されてて
そこもまた、幼さと異なる青春ぽさだよなと思って
なんか、やさしい気持ちになって読むのであった

家庭環境や、学校環境の問題があるのだけど
そこの描写はなく、そういう中にいる人の気持ちと暮らし
それが主役といった印象で、事象に憤るとか悔やむということではなく
そんな中どう生きているかという姿が
かっこよくもなく、あきらめているわけでもなく
それぞれに自分の人生を生きているといえるような内容で
なんともよかったとメモっておく

ちゃんと読み取れただろうかな


最新の画像もっと見る

コメントを投稿