白鳥とコウモリ 作:東野圭吾
またも、といっていいのか、
氏得意の、なんか簡単に犯人捕まったけど、よくよく掘り下げていくと
どんどん難しくなっていく事件物語でありました
ガリレオ先生あたりで扱っていたそれこれを思い起こさせる
幾重にも織られた長い時間を越えた物語でした
作中で、タイトルのきっかけとなる台詞が出てくるんだけど、
個人的には、あんまりピンとこなかったわけだが、
白と黒であり、昼と夜であるそれぞれが
或る瞬間には入れ替わってしまう
その様が、まざまざ描かれていたのでありました
最近の小説でよくみかける、SNS発端の誹謗中傷なんかも出てくるけど、
そこが本筋ではないので最低限に留めてくれているのが
なんとなく安心したというか、
氏の描く底意地の悪さというのは、本当に怖いというか、
後味悪くなるので、それが少なめだったのはよかったと思うのでありました
物語は、30年以上前の事件も絡めてという
壮大なお話になっていくんだけども、舞台は東京と愛知県をいったりきたりして、
個人的には、愛知県のほうは土地勘があるから、
ああなるほどなぁと思ったり、
いやいや、その台詞(訛り)は違うだろうと、妙なツッコミを覚えたり
楽しく読んだのでありました
こういう小説の口述監修とかってついたりするんだろうか、
愛知特有の言い回しが、妙な文脈で使われてしまっていたりすると
凄い気になってしまうのでありました
いや、知ったかぶりしてるだけで、実際は細かくわけた地域のどこかで
そういう言い方をするのだろうか
ま、そんなことはまったく本筋に関係がないのでありますけども、
物語は、序盤であっさり犯人が自供するというパターンで、
だけども自供以外で決め手が見つからないというお話、
さらには、被害者側が検察と組んで裁判に挑むという制度があるんだそうで、
それに絡んだ複雑なやりとりなんかもあって面白かった
そして、その面白さを実にうまく生かしているというか、
裁判と、被告被害者の求めるものに、大きな乖離があるというのが
テーマとして面白かったのでありました
裁判というものへの姿勢が、生業の人と、そうではない人とで
とてつもなく違うというのは、
言われてみると当たり前なんだが、描かれるまで気付かないというか、
こういうすれ違いありそうだなと思わされて、深く納得なのでありました
物語は、かなり長い旅をしたかのような
色々な断片の結集となっているので
読み終わって、面白かったという深い感激を覚えるし、
しみじみ余韻にも浸れて、ミステリをしっかり堪能させてもらえる
よい小説でありました
動機というのは、あれこれあるけど
その人間ドラマは、案外似たようなのばっかりなのかもと
考えさせられるのでありました
またも、といっていいのか、
氏得意の、なんか簡単に犯人捕まったけど、よくよく掘り下げていくと
どんどん難しくなっていく事件物語でありました
ガリレオ先生あたりで扱っていたそれこれを思い起こさせる
幾重にも織られた長い時間を越えた物語でした
作中で、タイトルのきっかけとなる台詞が出てくるんだけど、
個人的には、あんまりピンとこなかったわけだが、
白と黒であり、昼と夜であるそれぞれが
或る瞬間には入れ替わってしまう
その様が、まざまざ描かれていたのでありました
最近の小説でよくみかける、SNS発端の誹謗中傷なんかも出てくるけど、
そこが本筋ではないので最低限に留めてくれているのが
なんとなく安心したというか、
氏の描く底意地の悪さというのは、本当に怖いというか、
後味悪くなるので、それが少なめだったのはよかったと思うのでありました
物語は、30年以上前の事件も絡めてという
壮大なお話になっていくんだけども、舞台は東京と愛知県をいったりきたりして、
個人的には、愛知県のほうは土地勘があるから、
ああなるほどなぁと思ったり、
いやいや、その台詞(訛り)は違うだろうと、妙なツッコミを覚えたり
楽しく読んだのでありました
こういう小説の口述監修とかってついたりするんだろうか、
愛知特有の言い回しが、妙な文脈で使われてしまっていたりすると
凄い気になってしまうのでありました
いや、知ったかぶりしてるだけで、実際は細かくわけた地域のどこかで
そういう言い方をするのだろうか
ま、そんなことはまったく本筋に関係がないのでありますけども、
物語は、序盤であっさり犯人が自供するというパターンで、
だけども自供以外で決め手が見つからないというお話、
さらには、被害者側が検察と組んで裁判に挑むという制度があるんだそうで、
それに絡んだ複雑なやりとりなんかもあって面白かった
そして、その面白さを実にうまく生かしているというか、
裁判と、被告被害者の求めるものに、大きな乖離があるというのが
テーマとして面白かったのでありました
裁判というものへの姿勢が、生業の人と、そうではない人とで
とてつもなく違うというのは、
言われてみると当たり前なんだが、描かれるまで気付かないというか、
こういうすれ違いありそうだなと思わされて、深く納得なのでありました
物語は、かなり長い旅をしたかのような
色々な断片の結集となっているので
読み終わって、面白かったという深い感激を覚えるし、
しみじみ余韻にも浸れて、ミステリをしっかり堪能させてもらえる
よい小説でありました
動機というのは、あれこれあるけど
その人間ドラマは、案外似たようなのばっかりなのかもと
考えさせられるのでありました