CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ある作家の夕刻 フィッツジェラルド後期作品集

2019-12-11 21:15:18 | 読書感想文とか読み物レビウー
ある作家の夕刻 フィッツジェラルド後期作品集  作:スコット・フィッツジェラルド

フィッツジェラルド作品といえば、村上春樹であるそうで、
久方ぶりの氏による翻訳本でありました
なかなか面白く読めた、と書けるといいんだが
ちょっと難しいというか、村上春樹が絶賛する何かが
私には感じ取れなかったのであります
なんというか、つかみどころがない

代表作であるグレートギャッツビーを知らないのが
そもそも問題であるかもしれないと
自分のことを考えてしまうのだけども、
この本では短編集、それも、フィッツジェラルドが苦しんでいた時のものだそうで、
全体的に重いというか、救いが少ない、少し辛みが強すぎると
思ったりする内容ばかりでありました
とはいえ、絶望するほどの何かというわけではなく、
さまざまにひどいことがあっても、
なんとか新しい世界へ行こうと勇気を振り絞る、
その先がどうなるのかは、わからないと
突き放すでもなく、投げ放すわけでもない
きれいな終わり方が、読んでいて心地よいと思える作品でありました

誰かがかわいそうなといったらいいのか、
とりとめもないといっても差し支えないような、
ある日常を切り取った物語なんだろうけども、
主人公たちと、物語と、地の文とが、
なんだかごたまぜになったような感じで、
結局なんだったのか、それは、
読んで感じる、雰囲気だけが重要なのか、
意味としてとらえられず、なんか、そういうことあるな、
漠然と悲しいな、あるいは、かわいそうだな
そんなところを楽しむ物語なのかと
自分なりに読んだわけでありました

短編小説だけではなく、エッセーもいくつか載っているんだが
いずれも、本人のことをもう少し知っていないと
よくわからないというか、経歴や、その来し方がわからないと、
文意をくみとれないのかもしれないと
読みながら、連綿と続くとりとめのない話に
読めるけど理解できない感覚を味わいながら
とりあえず終わったのでありました

ちゃんと楽しめたとはいえない感じだが
ともかく読んだのである
後で読み返して、どんなだったか忘れないようにメモとして、
医者の話が面白かったとだけ書いておこう