CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】翻訳問答 英語と日本語行ったり来たり

2014-11-18 20:21:45 | 読書感想文とか読み物レビウー
翻訳問答 英語と日本語行ったり来たり  著:片岡義男

なんとなし、読んでみました
二人の翻訳家が対談しながら、それぞれ海外小説の一節を
翻訳して、その方法論や考えたことなんかを披瀝する
これは、翻訳家を意識して読書する人には
かなりたまらないものだったりするんだろうか
あまり、気にしたことのない私には
不思議な世界だと思うものの
なかなか、楽しいといったらいいのか、
面白い職業だと感心しきりだったのでありました

有名どころの小説ばかりだったと思われますが、
その割に、私が知っているのは
チャンドラーくらいだったので、
もうちょっと、この内容に迫れないというか
その深いところに共感なんざ覚えられなかったのであります
しかし、ほぼ創作といったらいいか、
文章力に加えて、なんというか、作家めいた能力、
それも求められるのが、翻訳家なんだなと
改めて思い知らされたのであります

一口に翻訳といても、訳する人によって
その内容が変わるというのは当たり前で、
その手法や、考え方によって、まざまざ、
ここまで変わるのか
あるいは、一緒、同じように訳してしまうのかと
そういうところが事例とともに見えるというのが
興味をそそるつくりになっておりまして
外国語を読むということについて
考えさせられるところであります

自分でも同じように翻訳を試みようと
そういう楽しみ方もあったと思うものの
面倒にかまけて、地頭だけで
どこまでわかるだろうかとやってみて、
まったく訳せなかったというのが
自分自身にがっかりだったのでありますけども
原書を読まないとわからない、
英語から日本語に訳せない内容だとか
そういうものがいくつもあるというのも
なかなか楽しいというか
学術めいた方法論のようなものも含めて
楽しい本でありました