CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

南くんの恋人

2005-06-16 00:01:45 | 読書感想文とか読み物レビウー
読んだ、ようやく
ネタバレして書くから気をつけて

さて
探しても探しても全然見付からなかったんだが
ついに発見して思わず読破
どんなに怖い、悲しい展開になるのかと
一人気負っていたせいで、読み終わった後に

あれ?こんなもん?

とか思ってしまったのが勿体ない(ぉぃ
じっくりと落ち着いてから考え直すと
噂にたがわぬ、すげぇ切ない物語でありました

南くんの恋人のちよみちゃんは
ある日突然、小さくなってしまいました
そんなところから物語は始まります
なんで小さくなったのか、それはさっぱりわからないんだが
そんなことよりも、恋人同士の二人でいることが重要だと
幼いようなかわいらしい恋人同士を続ける二人

身体の大きさが違うことで
とても大きな障害になるはずが、そうでもなく
南くんは南くんで、あまり深く考えずにちよみを愛でて
ちよみも深く考えずに南くんのところにいる
で、南くんに当面の服を作ってもらったり
あたらしい家を作ってもらったりしつつ、ほのぼの過ごす
まさにその日暮らし

若い二人だから、あんまり難しいこと考えません
そういうスタンスでもないんだけど
困ったね
困ったよね
みたいな風に二人は、時折涙をこぼしつつも
その関係を続けていくわけであります

恋愛というテーマなんだろうか私ではわかりませんが
とりあえずちっちゃくなったちよみに対しても
とりあえず性欲をもてあましてしまう南くん
「せっくすできないから?」
と小さいと困る理由について、ちよみに聞かれるほどなんだが
このあたりの南くんのあり方も結構ステキ
途中で、少しハスっぱな女のコとキスするイベント
というかまぁ、ちよみから見たら浮気みたいなのがあるんだが
そこで、ちよみをすっかり忘れるほど
そういう行為に没頭しがちになる南くんの情景が
リアルというか、男として納得できるというか
そういうこもごもを続けていくわけです

最大の山場である修学旅行へ行くという行事についても
どうやってつれていこうかということを
あれこれ考えたり、結局いけなくなるんだと
わかっているけど、あれこれ考えてみる様とか
あのあれくらいの年でもわかる、空虚さがとても大切にされてて
青春の1ページとして面白いのであります

最終的には、衝撃的な終末と呼ばれる展開へと流れこむんだが
その前の、本当
「みなみくん、愛してるよぅ」
というちよみの顔とせりふと場面が
マジで泣くか思うほどの切なさ

少女漫画というジャンルなんだろうが
作者が内田春菊、掲載雑誌がガロという時点で
そういう見方ができないと思われる逸品です

ドラマのイメージとはまるで違うと思う(見てない)ので
是非、諸兄は読んで慟哭してほしい