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ケン坊のこんな感じ。
キーボーディスト、川村ケンのブログです。




昼間、Xにポストしたのですが、今日は、自宅のピアノ三台の調律を、一気にして頂きました

SK-3から始めて、まず約2時間、その後、アップライトが2時間、なんと、一番調律が狂っていたと思われるCP80Mは、1時間で終了してしまいました。

途中、「お昼とか取られないのですか」とお訊ねしましたが、「複数台の時は、できるだけ一気にやってしまいます」とのこと。

やはり休憩してしまうことで耳が変わってしまったり、あとは、眠気が襲ってきたりするのを防止する為だそうです。

あと、海外でのピアノリサイタルやオーケストラとのお仕事の時などは、丸一日食事の時間がない事もよくあるのだそうです。

確かに、会場入りして調律をして、終わる頃にはピアニストが入ってリハーサル、当然、リクエストもあるでしょうからそばにいたり、会場でピアノの状態を確認し続けるわけですよね。リハーサルが終われば、本番前の再調律、ピアニストのチェックと再修正があれはそれをして、もう本番ですものね。そうなれば、会場入りから本番終わりまで、確かに食事の時間がないかもです。

調律師を目指す若者からもよく聞かれるのだそうですが、「調律師にとって一番大切な資質は何ですか?」と伺いましたら、

「実は、体力があることや、規則正しい生活を送っているか、などですね」

とのこと。なるほどです

 

今日、三台のピアノを5時間で調律をされているところを、僕も8割がた、そばにいて見学させて頂きました。

なるほど、ピッチが行ったり来たりしないのだな、というのが一つ。

基本、スーッと、一発で合わせてしまうのです。

「なんでそんなに一発で合うのですか?」

とも伺いました(質問攻めwすみません)。

「ハンマーにも秘密がありまして、中が〇〇になっているので、手にピッチが伝わってくるのと、〇〇〇〇製なので、木製とちがってゆがみが出ないので、慣れるまでは時間はかかりましたが、慣れてしまうとこの方が速いんです」

とのこと。

気になる方は、「チューニングハンマー」でご検索していただけましたら、色々な情報が

 

また、一番狂いが大きいと感じていたCP80M。

僕が高校生の時から使っていますので、もうすぐ40年。

しかし、今回、初めてCPの調律をされたというカワイのMPAさん、

「うーん、さすがヤマハさんです」

とのこと。どういうことか伺いましたら

「全然、狂ってないんですよ」

?」

「二本の弦のずれは確かにあるのですが(だから狂って聞こえている)、基音になっているほうの弦が、ほとんど狂っていないんです」

こういうところが、「さすがの、ヤマハさん(の精度の高さ、そして、経験の多さ)」なのだそうです。

確かに、ヤマハの楽器は壊れにくいイメージがあります。

クルマでいえばトヨタ車みたいなかんじでしょうかね。

安定していて、安心して使える製品。

僕も愛用のYAMAHAのシンセ、MOTIF XS6も、もうかれこれ15年以上になりますが、一度も壊れたことも不具合が生じたこともありませんものね。

ピアノも、やはり世界一の出荷台数を誇っているだけあって、経験値がすごいのだそうです。

ということで、40年ちかいCP80Mも、あっという間にピッチが合ってしまったのです。

MPAの方も、なんだかワクワクした様子で調律をして下さって「かっこいい」「すごいピアノですね」「この発想(写真のようにアクション部と弦の部分が簡単に二つに分かれて持ち運びできる)がすごい」「これからも長く使われて下さいね」と仰って下さいました。

そして、お帰りになる際には

「写真、撮ってもよろしいですか?」

「もちろん!」

「社内にも実機を見た事がない者もおりますので」と。

 

ただし、勿論ですが、カワイにはカワイさんの良さがあるのです。

MPAさん曰く、一番は

「音を自分で作れる事」

だそうです。

誰もが知っているヤマハの音、あるいは、世界標準のスタインウェイの音。

 

さらに、ここから一歩踏み出して、

「今までにない新しいピアノの音、というのを作っていける、作って頂ける可能性があるのが、カワイの良さだと思っています」

とのこと。

 

たしかに、長くピアノコンプレックスのあった僕が、

「これなら弾けるかも、楽しいかも!」

と思ったのが、MP9500であり、MP9000のカワイのサウンドでした。

ちなみに子どものころのピアノはヤマハでした。これは、まだ従妹や甥っ子たちがが弾いていますが、多分、65年ものとかです(笑)。

 

MPでピアノの楽しさを知り、7年前に、カワイのグランドKG-3Eが家に来てくれました。

そして、この3月。

とうとうSHIGERU KAWAIのグランドピアノの音が、今、手元にあるわけです。

「まずは半年、こちらでSKの世界を楽しんで頂けたら」

とMPAさん。

 

初めてSKー3を弾いたときの、「なんすか、これは?すごーい!いつまででも弾けるじゃーん」

と思わせてくれた、まさに”新しい音”でした。そして、なんといってもSKの音は、上品、ね。

 

そして、夏には、いよいよSK-5が。

「SK-5は、低音部とのバランスが最高の楽器ですので」

そーなんです。分離が良いのですよ。

僕も、そこに惚れ込んでしまったのです。

それはSKの開発の方が元々ヴィオラを弾いていた方だったから、という興味深いエピソードを伺えましたが、なるほど!でございました。

 

ちなみに、アップライトは、

前面のパネルを上下とも外していますが、弾く分には、これでも全然問題ないそうです(埃は定期的にハタきましょう)。

そもそもこれらのパネルは、消音の消音の目的で設置されているパネルなので、このように弦やハンマーが剥き出しの方が、音もストレートに伝わってきますし、音量も大きく、グランドの蓋を開けた音に近い感覚で弾けるのだそうです。

見た目も面白いですしね(笑)。

 

さて、SHIGERU KAWAI SK-3に関しましては、是非是非、緑ちゃん倶楽部のレッスンにて、弾いて頂き、皆さんにもSKの世界を感じて頂けたら嬉しいです。「えー、私にわかるかしら?」と仰る方もおられますが、大丈夫です。良いものは、ちゃんとわかるものですよ

 

とうことで、今日も楽しいピアノの一日でございました

 

ではー。



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