映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「サクラサク」

2014年04月16日 | 日記

    

     認知症の父親と、家族を顧みず仕事に没頭してきた一家の主とその家族の
     再生を描いた、シンガー・ソング・ライターで小説も書いているさだまさしの短
     編小説を、「利休にたずねよ」の田中光敏監督が映画化した作品です。
     さだまさしの小説の映画化は「精霊流し」「解夏」「眉山」「アントキノイノチ」に
     続いて5作目で、主題歌を自らが担当しています。

     大手家電メーカーに勤務する俊介(緒方直人)は、仕事一筋の順風満帆なサ
     ラリーマンで、取締役昇進を直前に控えていますが、かって一度だけの浮気
     が発覚して以来、妻の昭子(南果歩)との関係は冷え切り、次第に息子、娘と
     の関係も破綻している家庭です。

     ある日、憔悴した昭子から電話で呼び返された俊介が家に戻ると、同居して
     いる父・俊太郎(藤竜也)が自分の汚物の中に座り込んでおり、昭子は父を放
     置していたと言うのです。そんな生活の中、同居する父の俊太郎が認知症を
     発症したことから、俊介は強引に家族を車に乗せ、父親の生まれ育った福井
     県に向けての旅をするのですが・・・。

     認知症の問題はとても重要なことですし、心の距離が離れてしまった家族が
     老父の認知症に直面し、無理やりに出かけた家族旅行先でお互いを見つめ
     直して行くハートウォーミングなロードムービーを狙っているのは判るのですが、
     いかにも作り事でご都合主義の絵空事作品になってしまい、現実感に乏しい
     仕上がりです。

     それに内容をあれもこれもと詰め込み過ぎなのも欠点です。認知症の父親役
     を演じる藤竜也の熱演はいいのですが、家長役の緒方直人はその巾を出し切
     っていません。
     脚本・監督・キャスト次第では話題を巻き起こす作品になったであろうと思われ
     て残念です。

コメント
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