1970年代のオーストラリアを舞台に、夢に向かって歩んだ兄弟の実話を基
に描いたドラマです。
海辺の街でサーフィンをやりながら育ったアンディとジミーの兄弟は、キャン
ピングカーで自由に放浪しながら暮らすカメラマンと、ハワイの女性でサーフ
ァーのラニと出会います。
彼らのライフスタイルに触発されたアンディは、自宅ガレージを改装してサー
フショップを開き、サーファーとして経験したことを基に手作りしたボードやウェ
ットスーツが、たちまち評判となり多くの客がやって来ます。
しかし、一流ブランド品を扱う大手ショップが近くに進出してきたことをきっか
けに、兄弟の未来にも暗雲が立ち込めますが・・・。
兄弟役はオーストラリアの無名俳優で特に兄役がいいです。また「アバター」
でブレイクしたサム・ワーシントンが、カメラマン役で母国オーストラリア映画に
出演して話題になりました。
この映画でなんと言っても素晴らしいのは、サーファーが群がる大波の迫力
です。
作品自体はオーストラリア映画ということもあって、あまりスマートな作り方で
はなく、地味というか素朴な作品と言えましょう。
作り方によっては感動作になったと思いますが、欲張って友人の麻薬の話な
どを織り込んだのは余計なことで、いくら実話がベースだとしても、もっと劇的
に上手く纏める方法があった筈です。
「百年の時計」の舞台は香川県高松市。「ことでん」の愛称で全国の鉄道ファ
ンから親しまれる"琴平電気鉄道"の路線開通100周年を記念し、オール香川
ロケで撮影されたご当地ムービーです。
高松市美術館で学芸員の涼香(木南晴夏)は、憧れの芸術家・安藤行人(ミッキ
ー・カーチス)を口説き落として開催する個展の担当になります。
しかし年老いた安藤に創作意欲を失っていて、展覧会開催が危ぶまれる状況
になり、彼の製作意欲を復活させるため、その昔、電車の中で彼に懐中時計を
くれた初恋の女性を探し始めるのですが・・・。
この映画か面白かったのは最初の数分だけです。初め良ければ終わり良しと
思っていたら大違いでした。まるでどこかの大学の映研が作ったような出来で、
特に製作技術が非常に劣っています。
それより大事なことは話がつまらないし、脚本も演出も稚拙で、本当は映画館
での公開が難しいくらいのレベルです。
映画は資金があれば誰でも作れるものではありますが、それからの製作技術
がプロとアマの違いなのです。地元の善意が全体に溢れているので口惜しいく
らい残念です。