預かっていた映画館を離れますと、どうしても私の好きな映画しか見なくなる
傾向があります。
このフランス映画「スウィッチ」も私の予定から外れていて、もう一寸のところ
で見逃すところでした。
この映画の主人公ソフィは25歳のカナダ人女性です。"switch.com"という期
間限定の自宅交換サイトで知り合ったフランス人と、それぞれの自宅の鍵を
スイッチし、仕事がうまく行かないことの気晴らしになると、パリでのバケーシ
ョンに出かけます。
ところが到着した翌朝、突如警官隊が踏み込んで来て、別の部屋から首無し
惨殺死体が発見され、ソフィは殺人容疑者として逮捕されてしまうのです。
身に覚えがないソフィは、すぐ疑いが晴れると思っていたのですが、事件は
とんでもない方向に走り出します。
ソフィはどうなるか、どうするのか・・・サスペンス・スリラーです。
このソフィ役を、カナダの新進女優カリーヌ・ヴァナッスがヒロインの強さを大
熱演です。
彼女を追うフランス警察の警部役は、エリック・カントナが扮していい味を出
しています。
監督は猟奇世界や裏社会ものを得意として来たフレデリック・シェンデルフェ
ールで、彼とともに「クリムゾン・リバー」の原作者ジャン＝クリストフ・グラン
ジェが、監督と一緒に脚本を練って上手く纏めています。
篇中にやや不自然な展開があることや、ラストの収め方がややあっけないの
ですが、音楽が盛り上げるし、パリの景色が素敵だし、小さなことに目くじら
を立てないで成り行きを楽しむべしデス。拾い物の１本です。
