南田洋子さん。私なりに少しばかり考えたのですが、やはりこの人はこのブログ
に登場して貰わなければならない人だと思いました。
洋子ちゃんが昭和30年(1955)に大映から日活に移籍するまで、大映で28本の映
画に出ているのですから当然と考えますし、私は何回も彼女に会う機会がありま
したが、きわめて庶民的で人懐っこく明るい性格の女性だったの印象が私の脳
裏に残っています。
彼女は昭和8年(1933)の生れで東京出身、手づるがあって最初は先代・水谷八
重子に弟子入りします。その後、大映ニューフェースに応募して合格、第5期生で
が若尾ちゃんや高松英郎と同期です。
デビュー作は「美女と盗賊」(1952)でしたが、翌年に製作した「十代の性典」シリー
ズに若尾ちゃんと共演し、俄然人気が出ました。
大映はこれら性典ものを連続して製作しますが、会社の方針がどうしても若尾ち
ゃんに片寄り勝ちであったことなどから、彼女なりに一大決心をして日活に移った
と考えられます。この移籍を一番心配したのは、私のためにと思った若尾ちゃん
だったのではと私は推測しています。
結果的にこの移籍は成功で、彼女は主演女優としての確固たるポジションを確保
し、長門裕之とも出会い結婚、映画・テレビでユニークな活躍したことは皆さんが
ご存知の通りです。
平成21年(2009)10月に、療養中だった彼女は遂に帰らぬ人となりましたが、平成
16年(2004)ころから認知症の症状が現れて徐々に悪化して行く過程で、長門裕之
が彼女の病状を公表して大きな反響を呼びました。
この扱いや亭主の言動について世の中は賛否両論でしたが、私は長門裕之のや
り方を大いに批判する一人です。その長門裕之も南田の死から一年後にこの世
を去りました。
↑ 「共犯者」の博多ロケ時に旅館で撮ったスナップですが、
どういう訳か、この映画に出ていない洋子ちゃん(左端)
が一緒に写っているのです。なぜなのか、全然思い出
せないままです。右から二番目が私。
全くもってけんさんと同じ気持ちです。
女優さんですよね。洋子さんが気の毒ですよね
私の周辺の男性は皆けんさんと一緒の意見でしたよ。
旦那としての言い分は有るのでしようが、ひどい仕打ちで
あれでは洋子さんが可哀想だと、私は思っていました。
若かりし南田さんもとってもチャーミングで素敵ですね。
私のイメージとしては、夫婦でよく出演されるボブヘアーの南田さんが印象的です。
元大映女優さんで、若尾さんと同期とは全く知りませんでした。
晩年は、ご主人の長門さんが南田さんの病状を公表し、「老老介護」の様子をよくテレビで拝見しました。
確かに、老老介護は今の社会でとても大きな問題ですから、興味を持たれた方も多かったと思いますが、
私も中島さんと同じ意見で、南田さんの晩年は公表されなかった方がよかったと思います。
一般人でもなかなか表立って言いにくいことを、ましてや、女優であった南田さんのあの様子をあえて公表することはなかったと思いますし、
イメージのままそっとしておいてあげればよかったのにと思いました。
南田さんは舅さんの介護やご主人の度重なる浮気でずいぶんとご苦労されたと聞いていたので、本当にこの晩年の公表は残念でした。
彼女の若い頃から知っていますが、人間的にも素敵な女性でした。
それに引き換え、あの旦那の体たらく、思い出すと、また腹が立ってきます。
皆さん書かれているように、認知症になった彼女のテレビ番組は、本当に胸が痛くなりました。一般の方ですらあのような姿は人目に晒したくないだろうに、女優だった彼女はプライドだってあるだろうに。
本当に長門裕之という男は、いくら金が欲しいと言ったって、ここまでやるかと呆れ果てました。長門も演技派の名優でしたが、本当にあの件で男を下げたと思います。いくら金に困ってもやってはいけないことをしてしまったと今でも思います。
大映での南田洋子は、タイプは少し違いますが若尾文子と並んで将来を期待されました。
しかし若手女優二人が、全く同じように並んで仕事をしていくのにはやや前後になるものが
あったと私も思います。
ですから彼女の日活への転身は、それで良かったとも思います。
長門裕之の仕打ちは、貴方と全く同感で、このコメントを書きながらでも腹立たしいです。
辰巳柳太郎さん演ずるベンゲットの他あやんの妻お鶴、孫君枝の二役でしたが、
古い世代の妻と新しい世代の孫の演じわけに、さすが南田さんだなと思いました。
そういえば、南田さんが、キャンティで赤木圭一郎とデート?したことが
あると聞いて、柄にもなく六本木まで行った事があります。(笑)
南田さんの女優としての尊厳を傷つけるようなテレビ番組には、
ぼくも、憤りを感じます。
そのような下品な番組は、一切、観ていませんので、
ぼくの中の南田さんは、いつまでも、スクリーンの
イメージのままです。
大映を去っても、人柄がいいので、南田のことを悪く言う大映人は少なかったと思います。
彼女は日活に行ったのは正解で、いい仕事を沢山残しましたよね。
また、ずっと後のことになりますが、日本ATGが、松本俊夫監督の『修羅』を作ることになった時、主演の中村賀津夫の「相手役の遊女小万は美空ひばりが良い」と言ったそうです。だが、日本ATGにも松本俊夫にも、ひばりとの伝手がなく、民芸の女優になりました。
もし、これが実現していれば『薔薇の葬列』でのピーターに続き、芸能界的にも大きな話題になり、松本、ひばりの両者のその後も違ったと思いますが。
度々お立寄りいただき感謝です。
南田洋子さんは優しくほんわかした人でしたが、根は頑張り屋で勉強家だったと
思っています。
キャスティングは昔から困難な作業でしたが、現在はプロダクションが幅を利かして
いて、以前より難しくなっているようです。