「福福荘の福ちゃん」
「森三中」の大島美幸が、頭を丸刈りにし、体重を10キロ増量して、人のよい
塗装職人の中年男性に扮し、映画初主演を務めたコメディドラマです。
おんぼろアパート「福福荘」に暮らす塗装職人の福ちゃんこと福田辰男(大島
美幸)は、ちょっとシャイですが面倒見もよく、住人たちにも慕われている男性
です。
しかし、恋愛には奥手で女性恐怖症のため、親友のシマッチ(荒川良々)がセ
ッティングしてくれたお見合いも上手く行きません。
そんなある日、福ちゃんの初恋相手で、女性恐怖症になってしまった原因でも
ある女性・千穂(水川あさみ)が、福ちゃんを訪ねて福福荘にやって来たのです。
最初は彼女を拒否した福ちゃんでしたが次第に打ち解けて行き・・・。
監督・脚本は「全然大丈夫」の藤田容介。大島美幸はこの作品で第18回ファン
タジア国際映画祭「最優秀女優賞」を受賞していますが、物語の中で実は女性
だった・・・ではなく、完全な男性役を演じていて話題になりました。
この大島美幸の好怪演?が実に見もので、これだけでも見ていて楽しいです。
水川もいいですよ。但し作品全体ということになれば、脚本の弱さが随所にあ
り、このあたりにもう少し手を入れていれば傑作になっただろうに惜しいところ
です。色々言いましたが好きな一本です。
「花宵道中」
原作は「女による女のためのR-18文学賞」第5回で、大賞と読者賞をダブル受
賞した宮木あや子の同名小説です。そして安達祐実が20年ぶりに映画主演を
果たし、初の花魁役に挑んだ作品でもあります。
物語の舞台は江戸時代末期の新吉原。人気女郎・朝霧(安達祐実)は、女郎の
身でありながらも懸命に働き、もうすぐ年季明けを迎えようとしていました。
そんなある日、縁日に出掛けた彼女は半次郎(淵上泰史)という青年に出会い、
ふとしたことで親切にしてくれた彼に心を奪われてしまうのですが、花魁(おいら
ん)という身分ゆえにかなわぬ恋と諦めます。
しかし、日増しに思いが募り、彼女の運命は大きく変って行きます・・・。
監督は「裁判長!ここは懲役4年でどうすか」の豊島圭介。安達、淵上のほか、
小篠恵奈、高岡早紀、友近、津田寛治などが出演です。
濡れ場以外のシーンの表現が薄いので、折角の濡れ場までもが弱く感じてしま
うのですが、私的に言えば、安達祐実は熱演ですがヌードシーンは痛々しく感じ
ます。スタッフの意気込みは判るのですがどうも空回りです。それと撮影効果が
あまり良いと感じないのは、フイルムからデジタルへの交代過度期だからなので
しょうか。
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