映画 「ラストスタンド」

　　　

　　　　　2003～11年までカリフォルニア州知事に就任していたアーノルド・シュワルツェ
　　　　　ネッガーは、いくつかの作品にゲスト出演やカメオ出演していますが、本格的に
　　　　　俳優復帰後初となる主演作です。
　　　　　とれだけ渋味が加わったか、楽しみにして見ました。

　　　　　今回の舞台はメキシコ国境にアリゾナ州ソマートンです。
　　　　　ロサンゼルス市警の敏腕刑事として活躍していたレイ・オーウェンズ(アーノルド
　　　　　・シュワルツェネッガー)は、ある事件で心に深い傷を負い退職、この田舎町で保
　　　　　安官を務めています。
　　　　　そこに重大事件が発生。FBI捜査官バニスター(フォレスト・ウィテカー)らが護送
　　　　　中の麻薬王コルテス(エドゥアルド・ノリエガ)が警官を殺して逃走し、時速400kの
　　　　　スピードを誇るZR１でこの町を抜けてメキシコ国境に向かおうとしているという連
　　　　　絡が入ります。

　　　　　FBIは総力を挙げて追跡しますが、最新鋭の破壊兵器を操るコルテスの傭兵部
　　　　　隊に歯が立たず、追跡隊は壊滅状態。
　　　　　報せを聞いたレイは、戦闘経験のない部下や素人同然の町の仲間、銃器オタク
　　　　　らでチームを組んで凶悪犯を迎え撃とうとしますが・・・。

　　　　　アーノルド・シュワルツェネッガーは相変わらず演技は下手ですが、空白の10年
　　　　　は彼にとっての得がたい体験により渋味と人間味が増して好感が持てます。
　　　　　ストーリーも単純明快で誰が見ても判り易いし、所詮はＢ級作品ではあれますが、
　　　　　スピード感もあって中々面白い作品に仕上がっています。

　　　　　この作品がひとまず成功したの要因の一つは、韓国のキム・ジウン監督のハリウ
　　　　　ッド進出作であり、「悪魔を見た」などで話題になった監督手腕を、ハリウッドでも
　　　　　出し切っていることでしょう。
　　　　　少々の矛盾点は目をつぶることにして、私は仕掛けが大きく予算もかけた「アイア
　　　　　ンマン ３」と比べて、安心して見られるＢ級映画「ラストスタンド」に軍配を挙げます。