今回はもっと大映にいて活躍してもらいたかった二人、仁木多鶴子と高毬子を
取り上げます。
まず仁木多鶴子は、以前に弓恵子を書いた時に、当時東京撮影所の若手三人
娘として売り出したこともある、宮川和子、仁木多鶴子と一緒に取り上げようと
思ったのですが、みんなユニークな個性の持ち主で、それぞれが一本立ちして
活躍する場の方が多かったし、敢えて引き離したのです。昭和32年(1957)に国
立音楽大学を中退して大映に入った仁木多鶴子は、順調に出演作をこなし、フ
ァンも付いて人気が出た時に、当時のプロ野球・小野正一選手と結婚し、すっ
ぱり映画界を去ってしまいました。
私は撮影所で何回か会いましたが、はっきりモノを言うしっかりした女性と言う印
象が残っています。
デビュー作は「十七才の断崖」(1957)で、彼女の最後になった「第二の性」(1968)
まで41本に出演していますが、代表作はなんと言っても「猫は知っていた」(1958)
でしょう。
昭和58年に44歳という若さで他界しましたが、生きていれば今年74歳です。
一方、丹波哲郎さんの紹介で昭和41年(1966)に大映に入ってきた高毬子は、宝
塚歌劇団の出身で梓みちよは同期生です。
私も何回か会いましたが、宝塚出身の独特な雰囲気を持った大柄の女性で、使
い方次第で面白いと感じました。
田宮二郎との共演作が多かった彼女でしたが、大映での出演作は7本だけに終
わり、どうやら大映の水が合わなかった感じです。昭和43年(1968)に大映を去り、
主な活躍の場をテレビに移しましたが、中でも「プレイガール」の庭ルナ子が大ヒ
ットし、覚えている方も多いと思います。
彼女は昭和19年(1944)の生れですから今年70歳、元気だそうです。
『複雑な彼』は「塀の中の懲りない面々」で知られる作家の安部譲二氏をモデルとした三島由紀夫原作小説の映画ですよね。未見ですが。
さて、中島様の本が近日発売かと存じます。そろそろ本のタイトル、出版社名、発売日などを教えていただけませんでしょうか。もう本当に待ち遠しいです。よろしくお願いいたします。
こんばんは。
このお二方は全く知らなかったのですが、
高毬子さんは、私の大好きな田宮さんの相手役をされることが多かったようですね。
「複雑な彼」も、面白そうだなぁと思っていたのですが、この作品に出ておられるんですか。
元は三島由紀夫さんの長編小説なんですよね。
観たい作品ばかり溜まってしまってなかなか消化できません(^O^)
偶然辿り着いたこのブログ、日々楽しみにしております。私の育った家は、徒歩15分圏内に邦画5社の封切館が揃っており、まさに日本映画黄金時代でした。映画は本当によく見ましたが、中でも大映は現代劇、時代劇ともに力作が多くジャンルも多伎に渡っており、一番好きでした。
これからも懐かしいお話を楽しみにしております。
このブログにお立ち寄りいただき有難うございます。
我々が青春時代を過ごした大映のことを、いつまでも忘れないでくださいの
想いを込めてブログを立ち上げました。
まだ暫らく続けるつもりですが、これからも宜しくお願い致します。
大映宣伝部・番外編がまだ続いておりますので、本の発行は3月になりました。
発行元は講談社で、タイトルや発売日などが決まりましたら、
必ずこの欄でお知らせしますので、こちらの方も宜しくお願いします。
高毬子の大映での3本目の主演作品が、田宮と共演の「複雑な彼」でした。
作家・安部譲二さんをモデルにした三島作品です。
仁木も高もいい女優さんでしたよ。
大映のことをいつまでも忘れないで思い出してくださる・・・本当に嬉しいです。
今回はお約束通り、仁木多鶴子のことを書かせていただきました。
彼女の初主演作は「猫は知っていた」で、原作者から同じ名前をいただき
仁木多鶴子を芸名としたものです。
デビュー作はその一年前の「十七才の断崖」で、「母」「白いジープのパトロール」
の次が「猫は知っていた」で、この作品から改名するまでは、本名の鶴田和子で出ていました。