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中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

続・大映宣伝部 (4) 永田社長の思い出、その3

2019年07月01日 | 日記

  

    私は永田社長からいろんなことを学びましたが、これも社長の口癖の一つです。
    慈善事業や社会事業のために映画を作っているのではないぞ。自由主義経済のもとに
    おいて、映画もまた企業である。ただ単なる企業ではない。金さえ儲けたらいいというの
    ではない。マスコミニュケーションの中のグループだから、やはりどこから公益性は持っ
    ている。それだけは自覚しているつもりだよ。
    昔から言うように、舞台は一に狂言、二に役者だ。このことは一に素材だ、素材が悪け
    ればどんな名優が出たって、観客をアッピールできない。
    これと同じく、映画を一に企画、二に監督、三に俳優といっている。まず企画、すなわち
    素材が第一だ。次が素材をうまく消化する演出家、すなわち監督が大事であり、第三が
    俳優である。それを基礎にして、もう少しみんなが共同責任を感じないといかん・・・。

    そして私・中島は支社の宣伝課長をやらせてもらったお陰で身につけたことも多かった
    と思います。普通の会社ですと支社での仕事は支社長の管轄で行なうのでしょうが、大
    映は違いました。私たちは本社の直轄部門として、宣伝費(全国宣伝費の九州配分は当
    時12%でした)の使途も私の裁量ですし、行動も支社の管轄から離れていました。しかも
    10人の部下を預けられて業務遂行するのですから大変でしたが、そこで責任をとること、
    決断することを学ばせてもらったことは、大映を離れてもどれだけ役に立ったか、計り知
    れません。大映サマサマです。

    






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